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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵


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悔しい結果

 最終発表や表彰式を無事終えると、出店などがあるブースは昼間よりも盛り上がっていました。


「もう、リリーいい加減泣き止みなさいよ」

「だって...。」

「例年、一般的に有用だと思われるものが表彰されますから仕方ありませんわ」

「アメリアとアレックスは悔しくないの?クラスのみんなだってあんなに頑張っていたのに、娯楽の一環で切り捨てられるなんてあんまりだわ」

「リリーの言う通りよ、技術は1番でしたのにあんな言われ方、」

「カミラももう泣くのは、」


 最終発表は終えましたが、その評価はあまりよろしいものではありませんでした。展示においても同様です。一部では認められる声が上がったものの、総合的には意味のなさない娯楽と見做されたようです。


「私はあまり悔しくないわよ」

「私もですわ」

「どうして?あんなに頑張っていたじゃない」

「そりゃあ、賞を取れたらもっと嬉しかったかもしれないけど、何もできないって思ってたのにこうやってきちんと発表まで終えることができたんだもの」

「それに、酷評が多かったのも事実ですが、認めてくださる方もいらっしゃりましたから」

「リリー、カミラ、最初のテスト勉強の前のクラスだったら考えられないことじゃない?団結して力を合わせて素晴らしいものができたのよ。ここまで一丸となれるクラスは他にはないと思うわ」

「でも、悔しいわ」


 リリーは涙をぬぐいながらそう言います。それだけ、思い入れが強かったのでしょう。カミラは涙をこぼさないように空を見上げています。


「皆様こちらにおられたのですね」

「先生、どうかなさいましたか?」

「教室の方で文化祭の反省会を行う予定でして、食べ物を買い込んでいるのです。皆様、頑張られていましたから先生の奢りですよ」

「お1人では大変でしょうしお手伝いいたしますわ」

「私も、」

「アメリアはお2人についていてあげてください。美味しいものを購入してきますわ」

「わかったわ」


 先生についていくと、主に屋台の方を巡るつもりのようです。


「アレクサンドラ様は屋台を楽しまれましたか?」

「ええ、飴細工の体験をしたりいくつかの食べ物をいただきましたわ」

「そうでしたか、貴族棟のお嬢様方は学外の露店などにはご興味を示さないようでしたので意外ですね」

「ふふ、うちのクラスの方々はそうとは限りませんわよ、何人かお買い物をしているところを見かけましたもの。積極的に様々な方々と交流をなさろうとしていますわ」

「音楽祭に続き、良い変化を遂げていますね」

「ええ、考え方や思いの違いで衝突することはありますが、きちんと話し合いができますもの。他のクラスとの違いはそこだとお聞きしましたわ」


 グレイによると他のクラスは身分の高い家の方が主導でそうでない方々は手出しができないと仰っていましたし。研究発表も魔力を膨大に消費するもので、高位や中位の方々を対象としていた印象がございます。


「アレクサンドラ様は今回の結果についてどう思われましたか?」

「正直な話、何も思わなかったですね。リリーやカミラほどの悔しさは感じられなかったと言いますか、いえ、忘れてください」

「あら?どうしてですか?それが、アレクサンドラ様の素直な感想なのですよね?」


 少々冷たいような言い方になってしまったからなのですが。クラス内でもこのようなことを言ってまいましたら、クラス内の気持ちの高ぶりを抑えてしまうことになりかねません。


「ふふ、達観している方だとは思っていましたが、では、どうしてそのように思われたのですか?」


 先生からは悪意のようなものは感じられません。純粋な好奇心なのでしょうか。


「他言はしないようにお願いいたします」

「もちろんです」

「評価される方々は王宮魔術師や魔塔の方々、それから学者の方々でしたよね?」

「ええ、そうですわね」

「彼らがお求めになられていたのは、研究や国政に役立てるものです。それがどれほど膨大な魔力が必要なものだとしてもです。私たちの発表は評価の方に娯楽であると書かれていました。説明をした魔法陣についての言及は一切ございませんでした」


 娯楽と評された方のコメントは似たりよったりでした。事前に資料を集まって読むと聞いたことがあります。つまり、音楽の再生を目的をしていると資料に記載した時点で興味を失われていた可能性があるということです。


「ご多忙のために最初から評価に値しないと資料の時点で見られていた可能性があったということですね」

「ゼロではないと思います。評価に値しないと見限られているものに対して期待することはありませんから悔しいと思えなかったのかもしれません」


 それでも、私は冷たい人間なのかもしれません。技術力や魔法陣、こだわりが素晴らしいと信じていながらもわずかな期待を抱くこともしなかったということですから。


「なるほど、納得致しましたわ。クラスメイト思いのアレクサンドラ様がそう仰られた理由が。やはり、達観されていますね」

「そうでしょうか?」

「そうですよ。冷静な分析をされているだなんて思いませんでしたが」

「ただ、せっかく頑張って準備をしましたのあのような物言いは憤りを感じざるをえませんわ」

「っふふ、そうですよね。さあ、お買い物も終わりましたし教室へ参りましょうか」

「ええ、アメリア達にも声を掛けなければなりませんわね」

「それにしても、この魔術は便利ですね。荷物を一時的に収納できるだなんて」

「冒険者伝説のアイテムの魔術を再現し応用したものですわ」

「後ほど教えていただけますか?」

「もちろんです」


 先生とお話して心が少し軽くなりましたし、お教えしても問題ないでしょう。それほど難しいものでもありませんし、改良案が出されていてもおかしくないようなものですから。

 リリーとカミラも落ち着いたようで私達はおしゃべりをしながら教室へと向かいました。

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