文化祭(散策)
文化祭2日目の今日、私達はブース巡りをしていました。今日は表彰式前の最終発表まで時間があるため、文化祭の雰囲気を楽しめるはずです。
「最終発表まであるのにはしゃいでいて大丈夫なの?」
「平気よ、時間はかなりあるし、何よりアレックスと一緒だもの」
「アメリアの仰る通りですわ。それに、学園祭の参考になるかもしれないですし」
「文化祭の次は学園祭だなんて、また忙しくなるでしょうね」
「カミラは実行委員だったものね。手伝えることがあったら遠慮なく言って」
「リリー、ありがとう」
「もう、そんなに暗くならないの!ほら、向こうに美味しい屋台があったのよ」
アメリアはとても楽しんでいらっしゃります。私もはぐれないようにしっかり付いていかなければなりませんね。
文化祭は学生は研究発表や展示に力を入れるため、屋台などの出し物に参加することはできません。その代わりとして、学園の食堂やカフェテリア、学外のお店や露天商などが屋台などを運営しています。
日頃の学術の成果を発表するとともに、学内外の交流を活発に行うことを目的としているためです。とはいえ、そう一筋縄ではいかないのが現状です。
「生徒会の方々は大変でしょうね」
「そうね、昨日もいくつかもめ事があったみたいだし」
「もめ事>そのようなことがあったの?」
「うん、貴族棟の学生が、確か、」
「飴細工のお店に対して少し、」
「飴細工って、昨日買ってきてくれた?」
「うん。アレックスが飴細工を購入したことでどうにか収まったんだけどね、今日も買っていく?」
「そうですね。テオ、弟へのお土産にしたいですし」
というわけで飴細工の屋台までやってきました。
「いらっしゃいませ、あ、昨日の、」
「ごきげんよう、あら、今日は飴細工の製作体験もできるのですか?」
「昨日も実施したいてのですが、その件で、少し、」
「そうでしたの」
「私やってみたいわ!」
「私も興味があるわ」
アメリアとリリーは目を輝かせています。私も興味がありますし、やってみることにします。
「大事なのはスピードです。雨は冷えると固まってしまいますからね」
解けた飴を受け取り、素早く作業を開始します。ひとまずはお花を作ることといたしましょう。テオはアヤメの花が好きでしたね。
「わあ、アレックス凄いわ」
「はは、売り物よりもすごいですね。完成しましたら袋に入れましょう」
完成品を包装してもらい受け取ります。なかなかいい出来ですね。
「アメリアも可愛らしい猫ですね」
「耳を少し失敗しちゃったけどね」
「ハートのようで可愛らしいですわ」
「そうかしら?アレックスが言うならそうなのかも。リリーとカミラは、」
「難しいのね。鳥を作りたかったのだけど上手くいかなかったわ」
「私もです。愛犬を作りたかったのですが、改めて職人技の凄さを思い知ることができましたわ」
少し落ち込んでいらっしゃるようです。
「すみません、こちらの白鳥の飴細工とリンゴとレモンのものもいただけますか?」
「はい、わかりました。お代は、600マニーです」
「ありがとうございます。リリー、カミラ、こちらをどうぞ」
「りんご飴?」
「ええ。飴細工も大変すばらしいのですが、りんご飴とレモン飴も素晴らしく美味しいのですよ。とても良い果物を使ってらっしゃります」
店主のおじさまにお礼を言い、ゆったりできる場所でいただきます。
「昨日のいちごも良かったけどりんごも美味しいわね」
「飴の甘さと合わせるために少しだけ酸味の強いものを使用しているそうよ」
「どうしてアメリアが得意げなのよ。でも、本当に美味しいわ」
「レモンの飴も美味しいわよ。ね?アレックス」
「ええ。レモンの酸味と飴の甘みのバランスが素晴らしいです」
少しだけ元気を取り戻せたようですね。良かったです。
さて、次はどこを巡りましょうか。2人に希望を聞きますと、他のクラスの展示も見てみたいとのことでした。今年の目玉と言われているのは、青の最終学年の燕とグレイのクラスでしょうか。赤のクラスも騎士団の方達から注目を集めていると耳にしましたね。
「それじゃあ、行ってみましょう」
「ちょっと、アメリアは何アレックスの手を取っているの?」
「迷子対策と牽制よ。アレックスが変なのに好かれたら大変じゃない」
「もしかして、昨日も2人きりなのを良いことに手を取っていたの?」
「アレックスは人混みが苦手なのだもの」
「それなら、こっちの手は私とつなぎましょう」
あら?もしかしてこれは子ども扱いをされているのでしょうか?
「2人ともアレックスが困っているじゃない。人混みを避けていけばよいのではなくて?」
「カミラの言う通りですわね。昨日の下見である程度の場所は把握致しましたし、今の時間帯ならそれほど混んでいないでしょう」
私がそう言うとお2人は肩を落としてしまいました。
「さあ、行きましょう。この時間を逃せばゆっくりと展示を見ることが難しくなってしましますよ」
そう声を掛けて私達は展示ブースへ移動しました。




