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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵


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魔石の御守り

 進言後の動きは早く、安全性が確認されるまでの間光る魔術具の販売は禁止され、新たなものを作る際にも魔石の品質や魔法陣の安全性の基準が設けられ、検査が行われることが正式に定められたそうです。


「それにしても、大まかな報告はジャクソン様にしておくとグレイは仰っていましたが、されてなかったのでしょうか?」

「どうだろう?グレイならばやるはずだとは思うが、ジャクソン殿下が退けた可能性は、」


 私達は今日も意見交換を行っていました。


「それもいかがでしょう?ジャクソン様は第2王子殿下よりは聡明だと思われますし、それに気がかりなのはあの場にいらっしゃらなかったこともですわ」

「確かにそうだな。俺たちを呼んだのはジャクソン殿下だ。呼び出しておいていないのはおかしなことだな」


 貴族社会、特に王宮は様々な事柄が秘密裏に行われる場所でもあります。考えても無駄なのでしょうね。


「私としましては、今回の件でアメリアが王妃様に気に入られ、将来的には衣装係を勧められていると聞きましたので悪いものではなかったと思いますわ」

「王妃様か、まさか、帰りに土産を渡されるとは思わなかったがな」


 お詫びとばかりにいくつかのお菓子をいただきました。王妃様はとても気品に溢れていながらも気さくな方です。たびたび市中をお忍びで出かけられたり、孤児院や修道院を訪問されています。国民、特に平民の方々からの支持が厚い方です。

 お母様とはお友達のようで小さな頃は時々お会いする機会がありました。その時にもお優しかった記憶があります。


「仲が良い様子ではあったが、君もそのうち王族へ嫁ぐのか?」

「まさか、そのような予定はございません。第2王子殿下は私のことを目の敵にしていますし、ジャクソン様にはアウロラ様がいますもの。あり得ませんわ」


 私はもちろん、お父様も乗り気ではありません。

 それに、王族となると気軽に出かけられなくなりますし、私にとっては不都合なことが多くなりそうな印象です。


「そういう、ノア様は良い方はいらっしゃらないのですか?」

「思い浮かばないな。俺はあまり交友関係が広くないからな。それに、婚約を申し込んでくる者も父上や兄上に取り入りたいからだろうな」

「政略結婚とはそのようなものでしてよ」

「君は結婚に対しての夢はないのか?クラスの女生徒はよくそのような話で盛り上がっているが」

「その前に、私にはやりたいことがございます。いずれはお相手を見つけねばならない時が来るでしょうが、それまでは、」

「そうか」


 父も母も政略結婚であり、恋愛結婚でした。それ故に無理に進めることはなさりませんがいずれは決めなければなりません。


[それで、君は今何を作っているんだ?」

「御守りですわ。王宮で使用されてしまいましたもの」

「あれは国王陛下のいうとおり、爽快であったな」

「振り返らないでください」


 まさか作動するなんて私も思っていませんでした。しかし、作動したということは、


「私はあの場に歓迎されていなかったようですわね」

「...。それにはどのような効果が入っているんだ?」

「これは、悪意を持った者に向けて作動されるようになっています。土の盾と火の剣を中心に据えその他にも様々な効果を組み込みましたわ」

「ほう?悪意となると、魔獣には発動しがたいように聞こえるが、」

「ご想像の通りだと思いますわ。ただ、衛兵の方々は大きなけがをされなくて良かったですわ」


 私に向けられる悪意を倍にして返す魔法陣が組み込まれていますから。

 ブランシュ様とおられる時は付けないよう言われていたのはこういうことなのでしょうね。どの程度の威力で発動するのかが不明ですし。

 もしつける機会がありましてもできるだけ発動しないよう別のもので保護を掛けていました。


「さて、このようなものでよろしいでしょうか」

「素晴らしいな。魔石にここまで繊細に刻むなどなかなかできるものではないだろう?」

「慣れですわ。ノア様もお上手ではありませんか」


 ノア様も多くの御守りをお持ちのようです。つまり、彼もそういうことなのでしょう。


「アメリア嬢が身に着けていた魔石も君が用意したものではないのか?」

「よくお気づきですね。驚きましたわ」

「この国の女性は魔石のことをあまりよく思っていないのだろう?宝石の方が好まれると聞いたことがある。だが、君はあの日魔術具の魔石に怯むことなく触れ、原因を突き止めた。そして、そのお守りも質の良い魔石を使用している。アメリア嬢が身に着けていたものも高品質であったが、彼女の家柄を考えると、用意するのは難しいだろう。俺が知る限り、魔石を好みその特性を理解してる女性は君だけだということだ」

「素晴らしい考察ですわ。でも、他の方の前でそのことをお話になるのは、」

「わかっている。ただ、確認のためだ。俺はこれからも君と意見交換を楽しみたいらしいからな」

「それは私も同じ考えですわ」

 

 私達はそれからお守りを強化するにはどうするべきかの議論を行いました。

 きっと、奇妙な関係なのですが、この関係性を私は好ましく思います。

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