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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵


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新たな出会い

「テストの結果がもう張り出されているみたいよ」


その話を耳にして確認に向かいました。クラスの中には前回よりも順位を上げた方がいらっしゃるそうで盛り上がっています。

テスト後は文化祭準備に時間を費やすことになります。より良いものが出来るようにアイデアを出し、可能かどうか判断する必要があり、その調整を私が行うこととなりました。


「、、、土属性のドームの形状を保ち起動させる方法、いえ、でもそれだけでは足りません」


行事以降進展は見せているものの、納得のいく物には達していません。

風と水で冷却をすることで長い時間扱えるように調整していますが、水が強すぎるとドームが崩れますし、風が強すぎると不具合が起きてしまいます。バランスをとるのが非常に難しい課題です。

そもそも、魔石に刻むのであればできるだけ簡素な方が好ましくあります。


「アレックス、1人なんて珍しいじゃないか」

「そのお声はグレイですか?」

「そうだ。友人はどうしたんだ?まさかまた、」

「違います。皆、やるべき事があるのです。友人だからといって四六時中共にいることはありませんもの」


共に過ごす時間はとてもかけがえなくて楽しく嬉しいものですが、個人で過ごす時間も大切なのだと私は思います。

それは3人も同じような考えのようでした。


「成長したのだな」


グレイは優しくそう仰りますが、私はブランシュ様といた時も1人の時間の確保に試みてはいました。しかし、彼女がそうはさせまいと動いていたのです。

お誘いをお断りしようものならものすごい勢いでまくし立てた後に拗ねられますから、その後の対応を考えますと、できるだけ断らずにいる方が楽という理由でしたし。


「用がある訳では無いのですね?」

「俺は無い。ただ、コイツが紹介して欲しいと言って聞かなくてな」


グレイの傍らには1人の男子生徒がいらっしゃりました。青の方ですね。


「そちらの方は?」

「友人のノアだ。家名はきかないでやってくれ」


家名が元から無い方なのでしょうか?


「アレクサンドラ・コリンと申しますわ。よろしくお願いいたします。ノア様」

「実は、アレックスに頼みたいことがあってな」

「グレイが私に?珍しいですね」

「いや、まあ、そうなのだが、頼れるのがお前しかいないんだ」


ひとまず私は席を勧めました。

何だか、長いお話を聞かされそうです。


「ノアの人探しを手伝って欲しい」

「人探しですか?」

「ああ。学園で探しているのだがどうも見つからないらしい」


詳しい事情はこうでした。数年前の狩猟大会での命の恩人を探して欲しい、とのことです。

どうにか当時の記憶を頼りに探してみたものの見つからなく、それを見かねたグレイが私に協力を要請したと。


「私はそこまで交流は広くないのですが、」

「特徴からしてリックが知っている可能性があると思ったんだ」

「お兄様がですか?女性ではなさそうですね」

「それ、本人に入ってやるなよ?ノア、特徴を話してやってくれないか?」

「ああ。その人はとても弓が上手く、遠くから俺のことを狙っていた獣を撃ち抜いたんだ。その時見えた瞳はアメジストのように輝いていて、実に幻想的だった」

「男性、なのですよね?」

「男性と言うより少年のようだったそうだ。だが、俺の知る限りそんな男はいない。なぜなら、俺の方が強いからだ」

「…そうですか」

「なんだ?その目は、いや、お前にまだ勝てないことは重々承知だからな!」

「お兄様に勝ってから仰ってください」

「リックは騎士団長だろ。つまり、そんなに強いやつなら赤か騎士団にいるんじゃないかと思ったわけだ」

「なるほど。しかし、お兄様は遠征中でいつお戻りになるか、」

「聞けるときで構わないが確認して貰えないだろうか?」

「わかりましたわ。しかし、そのような方がいらっしゃるなんて私もお会いしてみたいですわ」

「俺もだ。で、お前は何してたんだ?」

「文化祭の準備です。魔法陣をどう組み込むかを模索中で、」

「すごいな。アレクサンドラ嬢は魔術が得意なのか?」

「得意という程でもございませんが、」

「いや、得意だろ。ちなみにコイツは古代文字もスラスラ読める」

「では、旅物語集の15巻に出てくる魔法陣はご存知だろうか?」

「ええ。洞窟の中でのものですよね?」

「そちらを参考にすると面白いかもしれない」


…。擬似的に洞窟を作るということでしょうか。


「実に面白い考えですね。しかし、青色の方が助言をなさってもよろしいのですか?その、」

「人探しを手伝ってくれるんだから構わない手伝ってくれるんだから構わない。それに、俺はクラス研究に関しては手出していないからな」


事情がおありのようですね。


「では、有り難く参考にさせていただきます」

「そうしてくれるとこちらも嬉しい」


研究自体はお好きなのでしょうね。興味深い意見が聞けそうです。


「ノア様、旅物語集2巻に登場する先頭真帆術について意見を伺ってもよろしいですか?」

「ああ。俺もあれについて意見を交わせる相手が欲しいと思っていたところだ」

「ええ…俺、置いてけぼり?」


この魔術はさすがにリリーに意見を聞けませんから良かったです。私はこの日、新たな意見交換相手を手に入れました。

お兄様以外と戦闘魔術について意見を交わすことは無いと思っていましたが、それはそれは、とても有意義な時間を過ごすことが出来ましたわ。

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