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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵


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アウロラ様との時間

 音楽祭の準備により熱が入り始めた今日この頃、私は独唱の練習をアウロラ様と行っていました。

選ばれたことをご報告しますととても喜んでくださり、そのままの流れて曲決めを行い、何度目かの練習となりました。


「何度お聞きしても惚れ惚れするような歌声ですわ」

「私もアウロラ様が伴奏でとても安心して歌うことができます」


 美しい旋律に身を任せて歌うことはとても心地よく感じます。それにしても、


「アウロラ様がこの曲をご存知で少し驚きましたわ」

「有名な曲ではありませんものね。私もいくつかアレックス様の雰囲気に合うものを探していた時に偶然見つけましたの。とても素敵な曲ですわよね」

「ええ。『土の精霊に捧げる歌』どうしても水や火が目立ちますから存じ上げない方もいらっしゃると思います」

「アレックス様はどちらでお知りになったの?私は図書館で音楽史について調べていた時に知ったのだけど」

「私は、昔にお母様に教えていただきました。とても音楽が好きな方ですから、たくさんの楽譜があるのです、その中でも特に好きな曲なんです」


 昔はよく、子守歌として歌われていました。お兄様もテオも子守唄といえばこの曲を挙げられると思います。

 落ち着いた旋律がゆったりと心を鎮めていき、いつの間にか眠ってしまっていたことがあります。夜が怖くて眠れないときもこの曲を聴くだけで眠りに落ちることができるため、安心感を与える旋律なのでしょう。


「しかし、約束とはいえ、アウロラ様の伴奏は人気でしょうに本当に私でよろしかったのですか?」

「もちろんですわ。確かに数人の生徒から申し込みがありましたけど、全てお断りさせていただきました。私としましては、アレックス様も人気でしたから私も速めに約束を取り付けられて良かったです」


 休憩を終え、再び練習をします。

 所々止めつつ、修正をしていき、完成度を上げていきます。


「そろそろ終了時間ですね」

「ええ。鍵を返しにまいりましょう」


 音楽祭の練習のために解放された練習室は時間ごとに予約を取って使用します。次の予約もしつつ、私達は今日の練習について振り返りました。


「アウロラ嬢にアレクサンドラ嬢ではないか」

「ジャクソン王子殿下、ごきげんよう」

「ごきげんよう。あた、グレイもいたのですね」

「2人は音楽祭でペアを組んだと聞いたが、その練習か?」

「ええ。アレックス様とよいものを発表できますよう、精進しておりますわ」


 アウロラ様は私を庇うように立っていらっしゃります。

 その様子にグレイは疑問に満ちた顔をしています。


「アレックス、ジャックと何かあったのか?」

「いえ、特には何もなかったと思われますが、」


 そう言えば、以前噂でジャクソン様の婚約者候補について耳にしたことがございます。伯爵家以上の令嬢が候補に入っていると聞いた気がします。

 もしかして、いえ、確証は持てませんが、可能性はあります。


「アウロラ様、私、図書館へ本の返却をしなければならないことを忘れていましたわ」

「そ、そうなんですか?私も付き添いを、」

「いえ、司書の先生とお話もございまして、遅くなってしまうかもしれませんわ」

「そうですか、」

「ええ。それでは次の練習でお会いしましょう。ジャクソン殿下もグレイもごきげんよう」


 優雅に見えるギリギリの速度で急ぎつつ足を動かします。リリーに恋物語を勧められていましたのに盲点でしたわ。


「いらっしゃい。顔を真っ赤にしてどうしましたか?」

「い、いえ、テオにお勉強を教えるための本を借りに来ました」

「相変わらず仲がよろしいですね。弟君の学習はどこまで進んでいますか?」

「魔法と魔術の違いについては一通り終えましたので次は古代の魔法陣を理解するために古代文字にお勉強を考えています」

「うーん、詰め込み過ぎでは?」

「私ももう少しペースを落とした方がよいとも思ったのですが、テオの質問に答えるたびに予習が進んでしまい、」

「わかりました。ひとまず基本文字の書かれた本を貸し出しますのでこちらを基礎学習に用いてはいかがでしょうか?」

「ありがとうございます。お借りしますね」


 さて、そろそろ図書館から出ても大丈夫でしょう。

 周囲を警戒しつつ外へ出ると誰にも会わずに済みました。次からは恋物語も進められる分以外にも読もうと反省しつつ私は足早に帰宅しました。

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