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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵


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弟とのお勉強

「アレックス、もう帰るぞ」

「お父様、お話は終わりましたの?」


 『妖精物語』を読み終え、新たな本を探しているとお父様は現れました。時計に目を向けると1時間ほどしか経っていないようです。


「ああ。話はつけてきた。『妖精物語』か」

「ええ。現代語訳版ですけど」

「その本は気に入らなかったか?」

「いえ、解釈は人それぞれですから。ただ、」

「ただ?」

「少し物足りないと感じただけですわ。屋敷に戻ったら原本を読んでみようと思います」

「そうか」


 お父様はどのようなお話をされたのでしょうか?なんだかお疲れのようです。


「やあ、アレクサンドラ嬢、コリン侯爵」

「ジャクソン様、ごきげんよう」

「ジャクソン殿下、お久しぶりです」

「そうだな、侯爵の手腕は白にいながらもよく聞いている」

「それは、光栄なことですな」


 お父様は私がジャクソン様の視界に入らないように立たれています。


「アレクサンドラ嬢、君にはいろいろと助けてもらったよ。お礼をさせてもらえないだろうか?」

「お礼だなんて。学園に通う者として当然のことをしたまでですわ。それに、お礼でしたら国王陛下にいただきましたもの」

「父上が?」

「ええ。とても楽しくなりそうですわ」


 いくつかは屋敷にないものもありましたし、研究がはかどりそうですね。魔獣寄せの笛を用意しなければならない事態が増えることでしょう。


「とても楽しそうだな」

「ええ」

「アレックス、そろそろ」

「そうでしたわね。今日はテオにお勉強を教える約束をしていましたわ」

「教師は雇っていないのか?」

「我が家では、ダンスやマナー、基礎学習の教師は雇いますが、ある程度習熟しましたら兄弟同士で教え合うようにしております。こうすることで下の者は予習をすることができ、上の者は教えることでさらに理解を深めることができますから」

「なるほど。侯爵家の者の成績が良い秘訣はそういうことなのか」


 私はそれほどではありませんが、お兄様とテオは賢い方でしょう。2人ともまだまだだと謙遜されますが。


「それでは引き留めるのはやめるとしよう」

「ええ。そうしていただけると助かります」

「ジャクソン様、失礼いたしますわ」

「ああ、また学園で」


 そう仰るとジャクソン様は去られました。お父様はまたもや青筋を浮かべていらっしゃいます。

 屋敷に着くころには機嫌を直されていましたので問題はなさそうですが、念のため、お母様に報告しておきます。お食事の時に不機嫌ですとテオが怖がってしまいますから。


「父上、姉上、お帰りなさいませ」

「ただ今戻りましたわ、テオ」

「いい子にしていたか?」

「はい、お勉強の準備は整っていますよ、姉上」

「ええ、着替えてから温室へ向かいますね」

「はい、お待ちしております」


 お父様は張り切っているテオを微笑まし気に見ておられます。私も、弟がこうして笑っていることをとても嬉しく思います。

 室内用のドレスに着替え、温室へと向かいます。

 ここはお勉強をする際によく使用される場所で様々な種類の花があります。リラックスしながら進めることができるため、私とテオとお母様のお気に入りの場所となっています。


「テオ、今日はこの『火の魔法基礎』をお勉強してみましょうか」

「魔法ですか?そろそろ魔術について教えてもらえると思ったのに」

「魔法基礎を習得してから魔術についてお勉強しましょうね。特性や原理を理解することでより高度な魔術を扱うことができるようになりますのよ」

「姉上がそう仰るなら、」

「では、始めましょうね」


 テオは真剣に話を聞いてくれ、わからないことが素直に質問してくださります。とても教えがいのあるいい子です。


「姉上、やはり攻撃は火の属性が1番強いのでしょうか?」

「かならずしもそうとは言えませんが、攻撃魔法や魔術が多い属性と言えるでしょうね。その分、容易に誰かを傷つけることのできるものです」

「そうなのですね」

「特に風属性と組み合わせるととても強い攻撃が期待できます。使う時は注意が必要となりますが」

「では、最も弱い属性はあるのですか?」

「弱い属性、ですか?属性の強弱は相性があるため1番を決めることが難しいですが。扱いが難しいと言われている属性は土属性でしょうか」

「土属性ですか?確かに、強いイメージはありません」

「土属性は守りが強いのですよ。そのせいであまり目立ちはしませんが、扱えるようになるととても大きな力となるでしょうね」

「兄上は攻撃こそ最大の防御と仰っていましたよ」

「まあ、お兄様にかかりましたら大抵の魔獣はそうなるでしょうね」


 その考えには私も一理あります。しかし、行事での魔獣騒動で土属性を扱うことができてよかったと心の底から思いましたわ。あの防御壁が無ければ、きっと守り切れなかったでしょうから。


「姉上?」

「テオ、状況によってどのような守りが必要となってくるかは変わってきます。それをきちんと見極められる方が真に強い方だと私は思いますわ」

「はい、僕も見極められるように頑張ります」


 そして、少し休憩した後に私たちはお勉強を再開しました。

 きっと、テオならすぐに習得してみせるのでしょう。その時のために私はまた新たな教材を探さなければなりませんね。

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