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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵


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覚悟

 土煙の向こう側に目を凝らしてみると大きなモンスターを中心に、モンスターが暴れまわっているのが見えます。


「あ、あれは、なんですの?」

「カミラ、落ち着いて。でも、見たことのないモンスターばかりね」

「ドラゴンと魔獣の類だけど、どうしてここに?」

「ここは元々ドラゴンなどが生息している場所ですからいても不思議ではありませんわ。問題はどのようにして結界を突破したかです。あのドラゴンは恐らく水属性でしょう、鱗の一部分が水色ですし、瞳の色が青。珍しい種類ですね」

「な、何を落ち着いているのですか...」


 騎士団の方々が避難誘導をされています。私達も移動するべきでしょう。


「あちらの方へ移動しましょう」

「え、ええ」


 防壁を展開しつつ移動を始めます。他に動けなくなってしまった方もできるだけ守れるよう防壁は大きくしました。


「アレックス、無事か?」

「お兄様、私達は無事です」

「ならば良かった。早く建物の方へ移動するんだ」

「お兄様、あのドラゴンは水属性のようです。周りにいる魔獣たちも多くが水属性ですわ」

「珍しいな」

「ええ。庭園の魔法陣の修正を急いでした方がよいと討伐後に進言されることをおすすめいたしますわ」

「わかった。しかし、数が多いな」

「そうですわね。結界の欠損だけでここまでの魔獣が集まることは可能なのでしょうか」

「それも報告内容に加えておこう。さあ、中へ避難するんだ」

「お兄様、どうかご無事で」


 建物内は不安そうな表情をした生徒が多くおります。

 赤のクラスの一部は何もできないことを歯がゆく思っている様子です。私も何もできないことを悔しく思います。


「カミラ、大丈夫よ」

「お、驚きましたわ。あのような魔獣を目にしたことがございませんでしたので」


 高位のご令嬢は初めて目にする獰猛な魔獣に対してショックを受けられているようです。


「お兄様が戦っていますもの大丈夫ですよ、カミラ」

「アレックス...」


 しかし、楽観視しすぎるのも危険なことでしょう。

 恐らく、魔獣が侵入するのに関与している者もいるはずです。中にいるから安心しきるのは控えた方がよろしいでしょうね。


「アレックス?何か気がかりでもあるの?」

「外の魔獣なのですが、単一属性で固まっていたのは理解できるのですが、土埃の中で一瞬だけ、火属性の魔獣を見た気がしたのです。しかし、避難をしてここまでくる間でいなくなってしまいましたの」

「それって、」

「カミラには内緒ですよ、これ以上パニックになっては大変ですもの」

「わかったわ。それにしても、リリー遅いわね。カミラが落ち着けるように飲み物を貰いに行ったのだけど」


 混んでいるとはいえ、確かに少し遅いような気がします。少し、様子を見に行った方が良いでしょうか。


「ごめんなさい、遅くなったわ」

「リリー、どうしたの?」

「先生が各クラスの部屋へ移動するとのことよ。クラスごとに集まって移動するみたい」

「わかったわ。行きましょう、アレックス、カミラ」


 点呼を取り、お部屋の方へ向かいます。先ほどまでいたホールには魔獣はいませんでした。

 騎士団の方にもいないということはおのずと室内にいるはずです。ただ、どのクラスを狙うのかがわかりません。


「もうすぐ着きますわ」

「ええ、アメリア、支えてくださってありがと、きゃー!」


 カミラの悲鳴で前を向くと、火属性の魔獣が扉に向かって攻撃をしていました。

 こちらに気が付いて様子で改めて標的をこちらに定めています。


「カミラ、危ないですわ!」

「きゃ、」

「あ、アレックス...」


 防御壁はどうやら間に合ったようです。クラスメイト全員を取り囲むように範囲を広げていきます。


「カミラ、大丈夫ですか?」

「私は、大丈夫です、しかし、アレックスがケガを、」


 少し、手にけがをしたようですが、これくらいであれば問題ありません。


「これくらいなら、後で治療を施せば問題ありませんわ、あなたが無事でよかったです」

「アレクサンドラ様、これは、」

「ただ今、防御壁を展開致しました。攻撃はこれで防げるでしょう」

「あ、ありがとうございます」


 とはいえ、討伐しないことには問題は解決しません。

 先ほどの様子から察するにこの場で討伐するには少しだけショックが大きい方々もいらっしゃるでしょう。


「どうして先生方はいらっしゃらないのかしら?」

「そうよね?結構大きな音が鳴っていたはずですわ。それなのに、」


 確かに、魔獣のうなり声に、カミラの悲鳴、かなり大きな音が鳴ったはずですのに誰もいらっしゃりません。


「...。防音の魔術具、」

「リリー、どういうこと?」

「以前読んだ小説に出てきたものです。人を殺める際に誰にも気づかれないように使用されていたような、」

「それよ!どこかに設置されているかもしれないわ!」

「防御壁の範囲を広げます。動ける方がいらっしゃったらお探し願えますか?」


 動くことのできる男子生徒を中心に魔術具を探していきます。

 未だにうなりながら攻撃を続ける様子にすっかり怯えてしまった女子生徒にはできるだけ魔獣を目にしないように言いましたが、それでも怖いのでしょう。


「ありました!これですか?」

「リリー確認をお願いできますか?」

「...ええ、防音の魔術具に必要な魔方陣が刻まれているわ。アレックス、確認できる?」

「これで間違いないと思います。範囲指定できるものですね。ここまで小型なものは初めて見ましたが。解除方法は、」

「任せて、中心部分のボタンよね」


 これで、防音は解かれて様です。 

 しかし、助けは一向に来ません。騎士団も恐らく外の方に手こずっているのでしょう。

 

「アレックス、どうしたの?もしかして、魔力が、」


 アメリアが心配の声をかけてくださります。


「アレックス、無理しないで、」


 カミラも辛いでしょうに。私は、いつまで怖がっているのでしょう。

 救援はもう期待できません。やるべきことは1つしかありません。それでもし嫌われたとしても、この方たちが怪我無く、この恐怖を終わらせることができるのなら。

 覚悟を決めるのよ、アレクサンドラ、大切な方達を守るのに方法にこだわっている暇なんてありませんわ。

 やるのです、今まで封印していた戦闘魔術を。


「皆様、今からあの魔獣を倒します。苦手な方は目を瞑っていてください」


 私はそう言い、魔獣を水のドームで覆いました。

 慌てたように暴れますが、手は緩めません。せめて、できるだけ早く逝かせてあげたい。


「ごめんなさい、どうか、お眠りください」


 水のドームの中で魔獣は息絶えました。

 その亡骸をあまり目に触れさせないようにお部屋の中へ誘導します。

 全員がお部屋へ入ってしばらく経った後に先生方が慌てた様子でやってきました

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