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時に重荷となるもの

 進んでいくと鉱石などがある場所へとたどり着きました。いくつか珍しい物もあるので早速採集します。


「この鉱石にはどのような効果があるの?」

「効果は特にありませんが、色が綺麗です。恐らく売ればそれなりの値段が付くでしょう。あちらには宝石の原石がありますね」

「アメリアやリリーのお土産にしたら喜んでくれるかしら?」

「いいですね。採集して職人い磨いてもらいましょう」


 この空間でおかしな点と言いますと、普通なら出るはずのない場所から発掘できることくらいですが、先ほどまで通ってきた道からすれば十分誤差の範囲です。


「それにしても、アレックスが宝石にも興味があるとは思わなかったわ。グレイ様ったらアレックスは普通の令嬢とは違って宝石に興味がなく魔石の方が好まれると仰っていたのよ」

「確かに、魔石の方が便利で使い勝手も良く好ましく思いますが、宝石を愛でる感性も持ち合わせておりますのよ?」

「そうよね、グレイ様には後できつく言っておかなくちゃ」


 グレイ、自らの発言を悔いることになりそうですね。カミラに嫌われたらどうしようと泣きついてくる未来が想像できますが、今回は相談に乗らずに放置することに致しましょう。


「しかし、アレクサンドラ嬢とグレイは本当に仲がいいよね。お互い遠慮もしないし、良い信頼が築けているように見える」

「昔から知っている中ではありますから、そう見えるのではないでしょうか?」


 何度も勝負を挑まれそのたびに返り討ちにした思い出が蘇ってきます。懐かしい思い出ですわ。負けすぐたグレイの泣き顔を何度拝むことになったか。


「ふふ、アレックスはグレイ様にとって憧れのような存在なのだそうです」

「憧れですか?カミラ様、お話を伺ってもよろしいでしょうか?」

「もちろんですわ。グレイ様ったら昔から魔術や剣術に優れたアレックスに憧れていたそうですの。それで、何度も弟子にしてほしいと頼み込んだことがあるそうでしてよ」

「え、あのグレイが、アレクサンドラ嬢、本当なのか?」

「ええ、そのような事もありましたわね。人に教えられるほどの技量は持ち合わせていないとお断りしましたが」


 それでも顔を突き合わせるたびに懇願してきてうっとおし、いえ、とても粘り強い方だと思いました。まあ、1度頭にきて吹っ飛ばしたことはございましたが。


「アレクサンドラ嬢は結局弟子に取ったのか?」

「いえ、取っていませんわ。お断りしましたもの。誰かの弟子になりたいのであればと、お兄様もご紹介しましたわ」

「それはそれですごい紹介だと思うが、」


 お兄様はまあ、という感じで了承しましたが、グレイは折れませんでしたね。結果、お兄様はその心意気を買われ、私に弟子を取るよう説得に回られてしまいました。


「ふふ、最近ではマシュー様が弟子候補になっているのではないかと焦っている様子でしてよ」

「え、僕が?」

「ええ、部活動時によく魔術についての解説を受けたり実験の手伝いをしているだからだと」

「確かに、最近はアレクサンドラ様はマシュー様と、グレイソン様はノア様と行動することが多いですからね」

「私よりもノア様の方がお教えするのが優しいでしょうに。何を寝ぼけたことを仰っているのでしょうか。それに、婚約者のいらっしゃる殿方と2人きりになるのを避けるのは基本でしょうに」

「私はアレックスならば噛まないのだけど...。」

「カミラ、私が許せませんの。おかしな風評被害がカミラに向いてしまうかもしれませんし、何より何時間も惚気話を聞かされるのも御免ですわ」

「いや、君もカミラ嬢のすばらしさを熱く語っているだろう」

「それはそれ、これはこれ、ですわ。それに、私は誰かに憧れられるような人でもありませんし」

「そんなことはないと思うが、」

「憧れなどのお強いお気持ちは時に負担になりますものね」


 それもありますが、私がやってきたことは他の方からすると褒められたものではないことも多分にございます。それらを過大評価されるのもなんだか違うような気がするのです。

 まあ、功績と取るか、非道と捉えるかは人の状況や価値観によって変わるものです、それに対しては依存はございません。


「鉱石も粗方取れましたわね」

「必要な分だが、結構取ってしまったな」

「小さめの魔獣やモンスターもいましたしそろそろ戦闘となるやもしれませんね」

「そうですわね、警戒は怠らないようにしましょう」


 後ろを振り向くと鉱石を掘った場所は綺麗になっていました、何かしらの介入を受けていることが分かります。さて、2つ目のチェックポイントまではあと少しのはずです。

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