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上級生との交流

 準備を終え、交流パーティーが始まりました。

 ドレスや装飾品はすべて持参品で、社交界での振る舞いの予行演習の場としてきちんとした振る舞いが求められます。


「私、大丈夫かしら?」

「リリーとても素敵でしてよ、自信をお持ちになって?」

「え、ええ」

「それにしても、この髪飾りも素敵ですわね」

「こちらはアメリアがデザインしてくださったものに石をはめて作った特別製ですの」


 中央の意思は魔石を特別に加工したものを使用したものです。得意属性の強化と防御の魔法陣を組み込んだもので耐久性も高い一点ものです。


「さて、挨拶も終わって交流の時間となったわけですが、」

「アレックスが囲まれてしまったわね」


 交流時間となった途端に上級生から挨拶を受けました。どうにか対応しているものの、休む暇は与えれらないようです。


「身に付けられている髪飾り、素敵ですわね、どちらで手に入れられましたの?」

「こちらはアメリア・ターナー令嬢がデザインしてくださったものに石をはめて製作いたしましたの」

「ターナー?ああ、あの平民上がりの家ですわね」

「アレクサンドラ様もお気をつけて?いくら心根がお優しくても付き合うべき身分は選別をしなければなりませんわよ?」

「そうですわ。己の価値を下げない選択をしなければなりませんわ、例えば、我が家のようなきちんとした身分の家と、」

「ええ。ですから、私はお付き合いをする友人はきちんとお選びできますように気を使っていますの。アメリアは流行に敏感で明るくいつでも元気をくださる素敵な方ですわ。恐らくこれからも長く良い付き合いができるのではないかと思っていますの」

「そ、そうですか」


 ようやく解放されました。私よりも王族の方々の方が大変だと存じますが、関係ありませんね。


「よ、アレックス」

「グレイ、久しぶりですわね」

「最近の活躍についてはよく耳に入るが、大丈夫か?目立つのが苦手だと言っていたが、」

「活躍とは?それに、目立っていましたか?」

「ああ。青クラスでもかなり有名になっている」


 やはり、あの出来事のことがまだ糸を引いているのでしょうか。


「この前のテスト、クラス全員の成績が上がるように尽力したんだろう?学力では学園で1番秀でている自信があった青クラスを抜いて今回の平均点は1位だったんだろう?お前を見くびっていたやつらが目を見開いて驚く姿が忘れられないな」

「相変わらずですわね。それに、成績が上がったのは皆で協力し合うことができたからです。私1人の功績ではありません」

「そっちこそ相変わらず謙虚だな」


 謙虚なつもりはありません、事実ですから。


「グレイ、ここにいたのか」

「ジャック、もういいのか?」

「ああ、僕もパーティーを楽しむ側だからな。君は、アレクサンドラ・コリン嬢かい?」

「ええ。そうですわ。ジャクソン第1王子殿下にご挨拶申し上げます」

「そう固くならないでくれ。面識はあるのだから。それにしても、会わぬうちに可憐に成長したな」

「お褒めいただき光栄です」


 この方は以前の第2王子とは全く雰囲気が異なり、柔らかい方です。確か、クラスは青。成績がかなり優秀で国王様の政務の手伝いも積極的に買っておられて次期国王として推されている貴族も多いです。


「君には謝らねばと思っていたんだ。弟が失礼な態度を取ってしまし、申し訳ない」

「いえ、顔をお上げになってください、私にも至らぬ部分は多くありますから。ただ、」

「ただ、?」

「いえ、ただ、私だけでなく、共に頑張った方たちに対する態度は、」

「なに?君だけを責め立てたのではないのか?」

「ジャック、ここは人の目が多すぎる。向こうの休憩室で話してはどうだ?」


 すでに注目の的ですが、内容が内容ですし、場所は変えた方がよろしいでしょう。

 誰もいないこと確認して、グレイも共に入ります。女性がもう1人いてほしいところですが仕方がありません。


「それで、どういうことだ?」

「はい、第2王子は今回のテストにおいて、私たちがクラスぐるみで不正を行ったと思い込んでおられました。我がクラスの成績が上がることがあり得ないとも仰っており、責め立てましたわ」

「あれも個人ではなく、クラスそのものを貶めることはないと思うが、」

「弟君のことを信じたいそのお気持ちは理解いたしますわ。しかし、事実です。証拠が必要とあらば私はいつでも提出いたします」

「そうだな、君がそう言うなら事実なのであろう、証拠は提出を頼めるか?父上、母上とともに確認しよう」

「かしこまりました。後ほどお渡しいたします」

「不愉快な思いをさせてしまい、本当に申し訳ない。後日、正式に謝罪をする機会をいただけないだろうか?」

「いえ、謝罪はもう、結構です。我が家が傷つけられたわけでもございません、個人的なことですもの」


 本音を言いますと、できるだけ関わり合いになりたくありません。蔑まれるのも利用されるのも取り込まれるのも嫌です。


「なんと慈悲深いんだ」

「いえ、お気になさらず。...グレイ、貴方はどうして不機嫌そうなのですか?」

「いや、知らなかったから」

「呆れた、話すほどのことでもないでしょう?いつものことじゃない」


 そう言うと余計に拗ねてしまいました。


「それでは、私は会場に戻らせていただきますね。失礼いたします」


 なんだか、疲れてしまいましたわ。


「アレックス、上級生の次は王子だなんて、大丈夫?疲れていないかしら?」

「ええ、大丈夫ですわ、心配してくださってありがとうございます、アメリア。ところで、リリーとカミラは?」

「2人なら、バルコニーにいるわ。はい、アレックスが好きそうなスイーツを取っておいたわ」

「ありがとうございます。では、少しだけスイーツを堪能してからお2人に合流しましょうか」


 今からダンスが始まるようですし、それを鑑賞しながらいただくとしましょう。

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