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あ、私がやりました

 次に話題に上がったのは学園内に設置されている数々の魔法陣についてです。一部は使用できないものもあり、用途不明の者もあるとのこと。一説ではエルフや妖精、精霊の力を借り設置されたと記録されているようで学園の不思議の1つとして広まっています。


「突然東屋の魔法陣が復活したと噂を聞いたのだがそれが事実なのか調べたいところではあるな」

「それはどちらのものですか?アレクサンドラ様がよく利用されている場所は他のどの場所よりもとても使い勝手がよろしいですわよね」

「太陽の東屋と呼ばれている場所だが、どうした?アレクサンドラ嬢」

「いえ、お話を続けてください」


 恐らくいえ、確実に私が修理た場所ですよね?まさか、大事にはなっていないはずです。グレイとノア様の視線が先ほどから痛いです。

 それに、本来は使用できるはずの者が使用できないだなんて管理者責任を先に問うべきだと思います。講堂の仕掛けも解き明かすことができたら楽しいのでしょうが、さすがにそこまで忍び入ることは難しいのでしょうね。

 そういえば、講堂の仕掛けはお父様が在学されていた時にはまだ利用できていたとお聞きしましたがいつから利用できなくなったのでしょうか。


「アレクサンドラ嬢、聞いているか?」

「申し訳ありませb、ぼんやりしていましたわ」

「調査の日程を組みたいのだが、」

「ジャックそれなら調査するまでもないぞ」

「どういうことだ?グレイ」

「ここに修理した張本人がいる」


 グレイが私を指さした瞬間にまたかという視線がジャクソン様から感じます。目立たない場所にあったので私もここまで話が広がるとは思っていませんでしたから。あ、説明をするよう視線で促されているような気がします。


「あれは私が1年生の時でしたわ」


 図書館の方でとても興味深い魔術書を見つけた私は読む場所を探しておりました。休み時間に誰と交流するわけでもなく魔術書を依頼て読むのは淑女らしくないとマリエル・ブランシュ様に言われていたからです。しかし、とても貴重な本であるためにぜひとも読みたいと考えていた私はどうにか読む時間と場所を探すため頭をひねりました。

 そこで、誰も来ない東屋を見つけたのです。静かで人があまり来なくゆっくりできる場所、完璧でした。見つけた翌日のお昼からそこで過ごすことにしました。マリエル・ブランシュ様はその当時、クラブの方々やグレイの追っかけをすることが多かったために食事に誘われることも稀でしたし。時期、場所、気分などすべてのタイミングが奇跡的に良い形で重なり合った時でした。


「そして、どうせ利用するのならば自分が居心地が良い空間にしてしまおうと修理した次第ですわ」


 あら、頭を抱えられてしまいました。


「どうやって修理したんだ?回路も読めなかったのではないのか?」

「どう、と言われましても欠けた部分を修復するだけで簡単に直りますから」

「グレイ、」

「諦めろ、アレックスはこういうやつだ。諦めろ」

「何を諦めるのですか?」

「普通は1年生で魔方陣を構築することはおろか魔術を使うことは難しいはずなのだが」

「アレックスを普通と考えるな、疲れるだけだぞ」

「え、」


 な、なんてことでしょう。


「だが、エルフが作ったものならば古代文字以外も読めることが必須になるのではないか?」

「エルフの子本文字は古代文字ですわよ。それに、太陽の東屋についてはよく物語に出てくるものですから、仕組みや仕掛けを考えますと簡単に直すことはできます」


 ノア様は先ほどからエルフについて興味がおありのようです。どうにか自力で頑張って調べてほしい炉ことではあります。

 頭を抱えられて固まっているジャクソン様を横目にお茶をいただきます。もしかしたら講堂の仕掛けの起動も交渉次第で調べることができそうですね。ここは固まられている間にどう許可を取り付けるかを考えた方が良いでしょう。

 頭の中でいくつか予定と必要な資料を考えつつ私はメモを取りました。

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