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好奇心

 今日もいつも通りのクラブ活動です。そう言えば、王宮に悪魔や妖精、はたまた神の遣いが出たとで学園内は盛り上がっていました。

 王宮にいたのにもかかわらず遭遇することはかないませんでした。そう、残念そうに告げるとジャクソン様に大きなため息を吐かれました。


「それは君のことらしいのだが?アレクサンドラ嬢」

「あら、そんなこと有り得るわけないではありませんか」

「誰がそのようなことを言っているか知っているか>君が最終尋問を担当した者たちだ」

「幻覚でも見られたようですね、幻覚剤の調査もされてはいかがですか?」

「すでに終わっている」


 今回は仕事が早いようです。ついでとばかりに調査結果も渡されました。ふむ、全員以上なし、ですか。常用してたためにその効果が残っていたのではないか怪しいところではあります。


「君の報告書には普通に問いかけて答えられたと書かれていたが、何をしたんだ?」

「普通にお話をお聞きしただけですわ」

「騎士団からの報告では目を閉じるよう指示がされたようだが、目を開けた時には全員気絶していたようだ。ついでに目を開けていた騎士も似たようなことを言っている」

「へぇ、騎士ですのに命令を平気で無視する方がおられるようですね。処分はいかがなさりましたか?」

「謹慎している。そうではなくてだな、目を閉じさせたあの場で何をしたか聞いて、」

「ジャクソン様、世の中には知らない方が良いことがございますのよ?特に純粋な方ほど」

「君はいったい、」


 アウロラ様とマシュー様の到着が遅れているようで幸いでしたわ。この中で最も純粋な方達ですもの。


「ジャック、これ以上は諦めた方がいいだろうな。アレックスは口を割る気はないようだ」

「ノア殿はどう思われる?」

「本人が話したがらないのであれば今は良いのではないか?人にはそれぞれ事情というものがある」

「ええ、このことは秘匿情報ですから。ジャクソン様、好奇心を持たれれることはとても素晴らしいことだと存じます。しかし、好奇心が過ぎるとその身を滅ぼしかねませんわ。最もその覚悟がおありならどうぞ踏み込んできてくださいませ」


 何も言えないようです。身を滅ぼすほどの好奇心を持っているのは私だとグレイの視線が言っています。以前、オスクリタにも泣きながら言われたことがございましたね。それ以来、できるだけ抑えるようには心がけていたのですが、調整は難しいものです。


「ごきげんよう、もうお集りのようでしたね」

「アウロラ様、ごきげんよう。どうかされましたか?」

「いえ、図書館で妖精や神の遣いについての文献を借りてきましたの。王宮にいた者の私達は目にすることができませんでしたから」

「マシュー様、そちらは?」

「アウロラ嬢と同じものだ。僕も目にしたかったから今日は文献を調べてその存在について少し考えてみようと思ってな」


 テーブルにいくつものの本が並べられました。本日のテーマはこのことに決定のようです。私自身、調合の気分ではなかったため良い息抜きになることでしょう。

 そう考え椅子に座り、ひとまず目に入った本を開きました。後ろのお3方もゆっくりと席に着き同様に本を開きます。

 さあ、クラブ活動の始まりです。

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