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第27話 謎の地形

「ふむ、これは参ったな。」


 とりあえず街道沿いに南に向かったら、川沿いにあった街道が、そのまま渓谷に入っていった。なるほど、この渓谷を通らないと南北への移動ができないと、恐らく崖があるところが断層なんじゃないかな?


「とりあえず進んでいくか。」

「わかった。」


 渓谷の途中に関所があったが、アダマンタイト(ランク)冒険者は簡単なチェックだけで通れた。そして、渓谷の出口に小さな街があったので行ってみる。


「渓谷の幅は100mほどはあるみたいだな。高さは10mくらいか。とりあえず、話を聞いてみるか。」


 そう呟いた俺は、ルナ、姿を隠したピクシーたちと冒険者ギルドに向かった。



「ちょっと情報が欲しいんだけど、いいかな?」

「なっ!アダマンタイト(ランク)!!」


 冒険者ギルドの受付で情報を聞こうとして、冒険者証を見せたら、受付の女の子がパニックを起こした。本当は静かに聞きたかったんだが……。


「どうしたのだ?」

「あ、ギルマス……。」


 騒ぎを聞き付けたギルマスが来ちゃったじゃない。事情を聴いたギルマスの次の行動が予測できるじゃない。


「こ、これはこれはアダマンタイト(ランク)冒険者のヤマト様。我がギルドになにようで?」


 やっぱり、ギルマスがへりくだり応対するに決まってるじゃない。はあ、仕方ない。


「ちょっとお忍びで情報収集しようとしてただけなんだけどね。ちょうどいいや、極秘で話を聴きたいから案内して。」


 俺はどんな情報を聞こうとしているか隠して情報収集するため、ギルマスを利用することにした。


「わ、我がギルドは違法なことも不公平なこともしてませんじょ。」


 ギルマスが噛んだ。ギルマスも慌ててるな。


「落ち着きなさい。俺がそんな調査したら、俺が来る前に情報を集めて俺が来たときにすぐ沙汰を言いますよ。そうじゃないから、話を聞きに来てるんじゃないですか。とりあえず傍聴の効いた応接室へ案内してください。」


 俺はそう言って、ギルマスを応接室に誘導する。


「で、何を、お聞きになりたいのですか?」

「ああ、ここの周辺の物流についてだな。南北の街道以外に間道がないか聞きたい。」


 冒険者ギルドならこういう情報も持ってるだろうか聞いてみた。


「はあ、間道ですか。一応かなり大回りになるので廃止されたものがありますが……。」

「どっち方向だ?」

「ええ、ちょっと待ってくださいね。」


 そう言うと、周辺地図を持ってきて見せてくれた。


「ええと、この崖ですがこの先、西にも東にも行くと少し南まで続いてまして、王都側に少しなだらかな場所があるのですが、そこから東西の街道までかなり離れており、村もないので今は使うものはおりません。」


 この崖、断層じゃなくカルデラかクレーターかも。いや、カルデラなら外輪山があるはずだから、クレーターか?どっちにしろ、かなり古い地形だな。


「なるほどな。で、西側は間道はないと。」

「そうですね。私は聞いたことはありません。」

「わかった。ありがとう。じゃあ俺は他にも色々調べるから、俺がこの事を調べていたことは内密に。」

「わ、わかりました。」


 俺は冒険者ギルドをあとにして、西側の崖沿いを調べに行った。1㎞行っても崖は途切れてないな。高さもあまり変わらない。続いて東も見に行く。こっちも似たような状態だ。やっぱり上に作るか。その後、一旦ウェルミュ方面に戻り崖の上も調べてみた。上からなら十分ウェルミュを迂回できることを確認する。問題はどうやって崖上まで上がるかだが、10mを上るのに20パーミルなら500mはいるから、西に行ったところに分岐を作って下らせる、その前提に駅を作るか、それとも、両方坂を作って、ここの駅を作るか……。うん、後者だな。当面は崖を削って坂を作るが、将来的にはトンネルを掘って坂を軽減しよう。一応、街道の西隣も見てみとかないとな。



 西隣も似たようなことになっていた。同じように崖があり、そこに流れている川が渓谷を作り、そこに関所があり、崖下に街があった。そして、崖は半円を描いていた……。崖同士は繋がっていなかったが、間が2㎞ほどの場所を見つけたので、東西はここにトンネルを掘れば問題ないだろう。まあ、将来の話だ。しかし、なんなんだろうなこのクレーター。


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