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第25話 ハーコンでの打ち合わせ

「いきなりすいません。厨房借りちゃって。」

「いえいえ、我が国で一番の有名人が厨房を借りたなんて、誇らしいですよ。」

「では、打ち合わせをしましょうか。」


 こうして、ハーコン駅の打ち合わせを始めた。




 ハーコン駅の構内をどうするかは、さらに先を見据えて考えないといけない。


「まずは王都とここを結ぶ路線が建設されます。通常ならここは王都からの路線が終点になるなら、町の北の入口の横に北への街道に並んで作るのが一番簡単なんだが、ここは東西の街道にも鉄道の路線を作るから、その前提で作らないといけないから、色々考えなくちゃいけないですね。」

「なるほど、今だけじゃない、この先をどうするかってことですか……。」


 町長さんはなるほどと、地図を見ながら答えた。


「ああ、北の入口付近に駅を作るのは当然なんだが、配線に色々考えを巡らせて置かないとな。」


 東西の路線と北からの路線が合流する。しかも、北から西にも、東にも行けるような配置を考える必要がある。さらには1等車の座席が一方に向いているので進行方向を変えたりしなきゃならない。


「街道の西側を進んできた路線を町の手前で大きく曲げて街道を踏切で渡り、その先に駅を作る。」


 俺は、地図に言った通りのルートを指差す。


「なるほど、このまま西と東の街道沿いから来たルートと駅で合流させるというわけか。」

「まあ、西は踏切の手前で合流しますけどね。あと、この位置に車庫を作ろうと思います。」


 俺は、駅の東側を指差す。


「東西の幹線ができれば、ここは東西の幹線と王都までの路線のジャンクションになります。王都からここまで来た列車を分割して東西の幹線に。また逆に東西の幹線を来た列車をここで併合して王都へといった運用が考えられます。そのための機関車を置いておく車庫が必要です。」

「そうなのですか?」

「まあ、東西に延伸してからの話なんで、今は駅と車庫ができるって思ってくれたらいいです。」

「はあ。」


 うん、町長さんはちゃんと理解できないようだ。


「ところで、この町の市場は港沿いにありますよね。」

「ええ、そうですね。海の幸が豊富なので、自然とそちらに……。」

「なら、そちら側に貨物駅を別に作るのはどうかなと。」

「貨物駅ですか?」

「ええ、貨物専用の駅です。ここは漁業だけじゃなく貿易もやってますよね?」

「そうですね。貿易もしておりますが……。」

「なら、その貿易品は町中を通って王都と港を行き来してますね。それを町の外を通って運ぶことによって、町中に荷馬車が行き来せず、歩いて安全に海の幸を楽しめる町にするのはどうですか?」


 先ほど市場に向かおうとすると、向こうから何台もの馬車が列をなして走ってきた。ゆっくり歩いて見るには危ないと感じた。なら、港で王都行きの貨物を載せて王都行きの貨物列車として町の外を通って運ばせたらいいんじゃないかと。


「なるほど、それはいいですな。」

「じゃあそういうことで。」


 これで、ハーコン駅の概要が決まった。正確にはハーコン駅、ハーコン操車場、ハーコン貨物駅の3点セットが決まったわけだな。


「それでは、駅および線路などはこちらで準備します。」

「よろしくお願いします。」

「建設予定地を商人に高値で売り付けられないようにしてくださいね。そういうことをしたらこのハーコンに駅を作ることを白紙にして、別の漁村に設備を作りますから。」

「えっ?」

「王国とそういう契約になっているんで。」

「は、はいわかりました!十分注意します。」

「よろしくね。」


 さすがに国とアダマンタイト級冒険者の権力を使えば、強引なことはできないからな。別に俺はここに駅を作る必要はないし。



 こうしてハーコンの駅建設の準備が始まる。打ち合わせで決まった鉄道用地を囲むように杭を打っておいた。今後、北からの路線が建設されたら、そのときに駅施設を作っていこう。



 続いて、王都からウェルミュまでを見に行こうか。

 ちなみに、海は砂浜を爆走する巨大狼がいたことを報告する。水着シーンは次回に持ち越しだ。

操車場:列車の編成を組み替えたりする場所。貨物を行き先ごとに振り分けたりする。

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