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第16話 鉄道院

 さすがにレール10000本は大変だ。なにせ、前回は12人の魔法ラットたちが手伝っていたが、今回は精鋭とはいえ4人だ。紋章を刻むのにかなり時間がかかっていた。1日で作れる数が150本ほどだった。


「うーん。俺がレール本体を作るのは2~3日あればできそうだけど、紋章を刻むのに時間がかかりすぎるなぁ。」

「ちゅう。」


 シルベスが申し訳なさそうに鳴く。


「いや、十分な早さだよ。まあ、とりあえず王都まで線路を引きさえすれば、王都の工場で作業ができるから、それなりの人数をかけれる。そうなれば十分な数を作れるようになるさ。」


 俺はこの先の予定を言った。その時、俺の通信機が鳴る。


「お?なんだろう。」


 緊急の用件があったときのために、ミューに通信機を持たせて、本部にいてもらったんだけど……。


「もしもし、ミュー何かあった?」

『ヤマト様。今、メフィ様が来て、ヤマト様に相談したいことがあると言っているんですが……。』


 なんだろう?冒険者としての依頼かな?


「内容はわかる?」

『えーと、鉄道院を作るのに、どういったことをすればいいか聞きたいと。』


 あー、確かにそれは必要だな……。よしっ。


「これから、王都に大急ぎで戻るから。今日の夕方……いや、明日の朝、王城に行くんで、そこで相談に乗りますって伝えといて。」

『わかりました。』


 とりあえず、ここからユーフィ経由で王都まで必要なレールの本数である6000本のうち、5000本を作っておいて、ルナに乗って王都へ急ごう。


「あとはみんなに任せた。俺はこれから王都に戻って鉄道を作るための準備の一部をしてくる。頼んだよ。」


 俺はそう言って、王都まで大急ぎで帰った。




 王都へ戻った翌朝、俺は王城に登城した。


「ヤマト様、ようこそいらっしゃいました。」


 王城に到着すると、メフィが出迎えてくれた。


「では、こちらへどうぞ。」


 そう言って、俺を案内してくれる。しばらく歩いて到着した場所は、メフィ王女の私室だった。


「メフィ、会議室に行かないんだったら、俺、帰るよ。」


 俺がそう言い来た道を帰ろうとすると、メフィ王女がすがり付いてきた。


「すみません、防諜を考えると私の部屋の方が……。」

「王城の会議室の防諜が悪いってあり得ないだろう。もしそうならば王女の私室よりも防諜がいい冒険者ギルドの個室を借りるよ。」


 冒険者ギルドの個室は極秘の依頼を話すための防諜がしっかりとした部屋がある。そこを使えば問題ない。


「……わかりました。会議室に行きましょう。」

「あ、内務卿の手が空いてるなら、内務卿さんを呼んでもらえるとありがたいかな。」

「はい、確認してきます。」


 そう言って、王女付きの侍女の一人が確認しに行ってくれた。



 会議室に来てしばらくすると、内務卿さんと宰相さんが来た。まあ、法律化するなら宰相さんがいた方がいいか。


「じゃあ、鉄道院を作るそうなので、鉄道に必要な業務を話し合いたいと思います。」


 本来、行政が先に必要なことを決めるのだが、この世界の場合、鉄道を作ることが先に決まって、後から行政が0から準備することになったので、行政側に鉄道の知識がない。なので、俺が主導で鉄道院の割り振りを決めることにする。


「まず、行政の役割ですが、健全に運営できているかと、路線の特許と開業の認可が中心になります。」

「それだけですか?」


 意外そうな顔をするメフィ。


「まあ、行政側が携わることは公営の鉄道じゃない限りあまりないですからね。本来なら行わなきゃならない同じ区間を複数の出願者がいることもないですし。」


 現在、鉄道を運営する予定があるのはマルサロア鉄道のみである。


「では、マルサロア鉄道以外の出願は断ればいいのですな。」

「いや、ちゃんと精査してください。あと、この前どこに鉄道を走らせるか打合せしたでしょ。あれを決めるのもどっちかと言うと鉄道院の仕事になるんじゃないかな。」

「そうなのですか?」

「『()()()()()』と言うことを追加しなきゃならないけど、そうなるよ。」


 実際、2020年代の日本の鉄道網は国が予定して建設したものが多い。民間で作ったものは都市間交通が中心だ。例外は、黎明期に国の資金不足で民間に作ってもらった日本鉄道や山陽鉄道などだ。


「まあ、今回はうち(マルサロア鉄道)が半官半民に近い状況でやるから、気にしなくていいよ。ただ、出きればこことここを結んでほしいという場所を決めてくれたらこっちで測量と建設をするから。」

「そうなのですか?」

「そりゃ、餅は餅屋だから、この国の都市の事はこの国の人間の方が詳しい。だけど、鉄道そのものについては俺の方が詳しいから、住み分けるのが一番だ。鉄道院は経由する町の選定。ただし、勾配やその他事情でその通り作ることはできない可能性があることを覚えておいてください。あとは、実際に走る土地の譲渡。これは、うちが土地の買収までするといつまで経っても建設できない可能性があります。いや、あえてこっちでやって、国との契約を盾に1~2ヶ所作らないようにしましょうか。そうすればおとなしくなるでしょうし。」


 実際、レール工場の前にそんな輩がいたんだ、すでにやらかしているのもいてもおかしくない。



 こうして、俺たちは鉄道院の原型を作っていった。

日本鉄道:現在の東北本線、いわて銀河鉄道線、青い森鉄道線、山手線、赤羽線、常磐線、高崎線、両毛線、水戸線、日光線と八戸線の一部、上越線の一部と現在は廃止された塩釜線を所有していた鉄道会社。鉄道国有法で国有化。


山陽鉄道:現在の山陽本線(和田岬線を含む)、播但線と、美祢線の一部、予讃線の一部、土讃線の一部、呉線の一部、廃止された宇品線を所有していた鉄道会社。さらには食堂車や寝台車をはじめ、いろんな日本初を実現した。鉄道国有法で国有化。

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