第14話 面接
戻ってきた翌日、俺たちは元違法奴隷の方々の面接を行った。彼ら彼女らはうちの従業員として採用する予定だ。まずはその説明会を始める。会場は、100人近くいたので、工場で行った。
「皆さんを助けるきっかけを作った、アダマンタイト級冒険者で、このマルサロア鉄道の社長でもあります、新庄大和と言います。新庄が名字で大和が名前です。皆さんにやって貰いたい仕事を説明します。ちなみに、皆さん以外にも従業員を募集します。人手が要るんで、数ヵ月で2~3000人ほど雇う予定です。皆さんは栄えある従業員の初期メンバーの一員として活躍してくれることを祈っています。まず、仕事ですが、大きく分けて3つにわかれます。1つは接客業。2つ目は技術職、3つめは管理職になります。続いて、文字が読めない方はいらっしゃいますか?」
文字が読めないのは1割ほどいた。日本に比べれば多いが、中世ごろと考えると少ない。逆も覚悟していたので、驚きだ。このドリュフェス王国の識字率の高さは素晴らしいと思う。下手したら文字が読めるのが貴族だけってこともあるからな。
「では、図解入りの資料も渡していますが、わかりやすくするため、一つずつ解説していきますね。まず、鉄道というシステムについての説明です。鉄道とは馬車を思い浮かべてください。その馬車を専用の道を高速で、かつものすごい量を一度に運ぶことができるシステムです。具体的には、徒歩で1日かかったところが、30分で行けます。一度に運べる量は、馬車が定員20人ほどが一番大型の馬車でしょう。鉄道は1両あたりの座席定員72~96人、立ち席があるとしたら120人以上は乗れるでしょう。それを最大15両編成を想定しています。流通や人の移動に大革命を起こすことになります。ですが、単純にいくものでもありません。それだけの人間を運ぶわけですから、運賃の受領、案内、設備の点検、車両を走らせる人員が要ります。まず、専用の道――――――線路と言いますが、専用なので、停まる場所も専用の場所、駅に停まることになります。そこでの乗客の案内や切符の販売、確認と回収などの駅業務を行う駅員が必要です。そして列車内での案内、扉の開閉、車内清算を行う車掌が、列車を安全に走行させ、そして正確に駅に停車させる運転士、列車が衝突しないように各列車に指示を出す運行指令員。車両が安全に走行できるように車体の整備を行う整備士、線路の整備を行う保線係が要ります。」
俺は壁に映像を写しながら説明をする。
「全て重要な仕事です。皆さんには誠実に仕事をして貰いたいです。」
俺が頭を下げると、拍手が起こった。
「では、順番に面接を行います。名前を呼ばれた方から順に部屋まで来てください。」
こうして面接会が始まった。
面接では、得意なこと、苦手なこと、文字が読めないなら、文字の勉強を同時にするということを聞いたり説明したりしながら面接した。まあ、面接の担当官がピクシーと王女と社長とは思わなかっただろうけど……。
面接を受けた全員を採用したが、部屋が足りないことに気づく。仕方ない、宿屋を借りるか。
商業ギルドを通して宿屋を借りようとしたら、アパートを貸してくれた。ラッキー。
彼らをはじめ、これから2~3ヶ月かけて数千人の面接を行っていく予定だ。最初に面接をしたグループに指導の技能を持つものがいたので、彼女たちを先に指導して後輩職員の指導をしてもらうこととする。
こうして、マルサロア鉄道は社員3000人を超える商会となった。まだ開業はしてないけど、給料の支払いでどんどんお金が出ていくなあ。月に一人あたり銀貨10枚払っているから……まだ資金に余裕はあるからいいけど。




