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第5話 魔獣退治?

 翌日、俺は朝から魔法ラットたちと研究所兼工場の建設予定地に行き、大工の皆さんと顔合わせと、魔法ラットたちの整地を行った。あっという間に予定地が平らになっていくので大工たちも驚愕している。

 整地が終わり、建設が始まったので、俺は王城の方に向かう。仕事を頼まれたからな。



 王城についたら、フリーパスで通された。さすが、アダマンタイト(ランク)。城内に入ると、応接室に通される。そしたら、メフィ王女が来た。


「ヤマト様、わた「仕事に来てるだけだからね。」」


 速攻で釘を刺しておく。


「じゃあなん「冒険者として国から依頼があったから来たんだよ。……ってその話したとき、一緒にいたでしょ。」」


 この話、元々この話は本部を購入するときの内覧の時にふられた話だ。その時に王女もいたんだがなぁ。


「今日の仕事は、違法魔獣の対応だから、ついてこないでくださいね。」

「えー、なぜでしょうか。」

「魔獣への対応だから危険が多いんだ。そんなところに()()()()の娘さんを連れていけないでしょ。」

「……それなら仕方ありませんね。無事戻ってこられるのを祈ってます。」


 そう言って納得してくれた。

 そうこうしているうちに、宰相、内務卿、軍務卿が来た。


「昨日はすみませんでした。」

「いえいえ、別の意味でちょうどよかったですし……、で、その魔獣は?」

「ああ、現在軍の演習場に檻を運ばせています。」

「そうですか、じゃあ準備ができたら行きましょう。」


 そう打ち合わせると、まだいた王女が……、


「なら、それまでお茶会ですね。」


 その少しボケた発言に「せやな」としか返せなかった。



 結局、お茶会のため、ちゃんと打ち合わせができないまま演習場に向かう。メフィ王女はあとでしかられるんだろうなぁ……。


「ヤマト殿こちらでございます。」


 軍務卿をはじめとするお偉いさんと共に演習場に向かう俺。うん、なんだろうこの状態。そうしているうちに演習場に着いた。


「あれが、例の魔獣が入った檻です。」


 演習場に鎮座していたのは3m四方の檻だった。どんな大きさの魔獣が入っているのか……。


「とりあえず肉食じゃないかと思い、肉を与えています。どれだけの量食べるかわかりませんが一応今まで出された分はペロリと食べてます。」


 なるほど、大型肉食獣か……。あれ、魔獣の種類って聞いてたっけ?


「ところで、何て魔獣ですか?」


 そう聞いたら、みんな顔をしかめた。


「実は、なんという魔獣なのか、わからないのです。」

「へ?」

「どうやらこの辺りの魔獣ではないようで、どうしていいものやら……。」

「で、フェンリルを従魔にしている俺なら、なんとかなるんじゃないかというわけだな。」


 納得の理由だ。


「で、どんな魔獣――――って見た方が早いか。」


 そう言うと、俺は檻に向かっていった。


「どれどれ、どんな魔獣かな……って、大きな猫?」


 俺が見たのは大きな猫だった。大型のネコ種――――ライオンや虎でなく、単純に大きな猫だった。


「猫だね。大きいけど。」

「ええ、猫です。大きいですが。」


 宰相もそうしか言いようがなく困っていた。


「とりあえず、近寄ってみるか。」


 そう言って、檻に近づく。


『うにゃあ、また誰か来たにゃあ。まあ、どうせ意思が通じにゃいんだろうけどにゃあ。』


 うん?なんか言葉がわかる――って、まさか、[万能言語Lv80]が効果あるのか!?


「おい、俺の言葉がわかるか?」


 俺が大猫に声をかけると、ビクッと体を震わし、目を見開くと、フシャーっとばかりに檻の中でどたばたパニックになっていた。うん、やっぱりただの大きな猫にしか見えない。しばらくして落ち着いた猫は、恐る恐るこっちを見た。


『にゃーの言葉がわかるにゃ?』

「ああ、一応な。ちなみに俺は異世界からの転移者で、よくわからん言語のチート能力を持っていて、通じるみたいだ。」


 俺は苦笑いしながら、俺の事情を伝える。


『そうにゃのか。にゃーはキャスパリーグっていう種族のニャーシャにゃ。』

「俺は新庄大和、名前が大和な。で、なんで捕まったん?」

『お腹空いて罠にはまって檻に入れられいつのまにかここにいたにゃ。』


 なるほど、密猟か。


「じゃあ、ニャーシャが元の居場所に帰れるように手配してみるけど、ちゃんと送れる保証はないなぁ。」

『あまり帰る気ないにゃ。どうせにゃら、言葉が通じるヤマトといっしょにいるにゃ。』

「一応形式上俺の従魔扱いになるけどいいかい?」

『いいにゃ。ずっと一緒にいるにゃ。』

「わかった、これからよろしく。――――ってことで、話し合った結果、俺が引き取ることになったんで、檻を開けても大丈夫です……よ?」


 そう言って振り返ったら、みんな目と口を大きく開いて唖然としていた。あ、そうか、俺が会話できたからビックリしてるだけか。

 俺たちは苦笑しながら復活するのを待った。



「さすがヤマト殿だ、力で屈服させるかと思ったが、まさか話せるとはな。」

「うん、それは俺も想定外だった。まさかここまでチートだったとは……。」


 ほんとビックリだよ。

 俺たちは城の中庭に戻ってきた。ニャーシャも俺にしたがってくれるので、中庭で問題ないということになった。中庭に移動する前に大分汚れていたので、水魔法で汚れを落とし、炎と風の魔法を組み合わせて、ドライヤーにして乾かしたら、もっふもふになった。中庭に来たら「依頼達成のお茶会ですね。」とメフィ王女が現れ、ニャーシャのもふもふを見て「触っていい?」と聞いてきたので許可を出したら、もふもふの魔力に負けて、ニャーシャの胴体に幸せそうに埋もれている。今後のための話し合いに邪魔になりそうだったので放置されている。


「報酬ですが、ぶっちゃけギルマスに聞くの忘れてたんですが、いくらの予定でした?」

「ああ、アダマンタイト(ランク)に依頼を出すとき最低でも金貨1枚になるので、金貨1枚+出来高にしてある。どういう解決になるかわからなんだからこういう依頼額になっていたんだが……。」

「そりゃ、まさかの対話で解決とは、想像の斜め上をいってるでしょう。で、こちらから要望する報酬は、ニャーシャの譲渡と()()()()ですね。さすがにニャーシャ――――貴重な幻獣の無償譲渡ならそれなりの報酬を貰ったことになりますからね。」

「そうですね。そういえばそろそろお昼ですので、昼食をご一緒にどうでしょう?」


 内務卿が聞いてきた。今日は一日仕事の予定だったしな。どんな魔獣か確認してお昼と準備を経て対峙の予定が、確認で解決してしまい、お昼前には終わってしまった。


「そうですね、いただきます。……そういえば、ニャーシャって好物は何なんだ?」


 ふと気づいたので聞いてみた。


『にゃーは魚が大好物にゃ。新鮮な魚があればいいにゃ。』

「あー、ここ大分内陸だから、新鮮な魚はほとんど無いよ。」

「ほう、好物は新鮮な魚だったか。」

『にゃんと!新鮮な魚は食べられないのかにゃ。』


 しょぼーんとした顔になるニャーシャ。


「でも、俺が今、準備している鉄道事業が始まれば、新鮮な魚が食べられるようになるぞ。」


 港町から王都までおよそ75㎞、貨物列車で1時間半までで到着するだろう。だとすれば、水揚げ2~3時間の魚が王都で食べれるわけだ。


『にゃんと!これはにゃーは一生ヤマトについていくにゃ!』


 それほどか。



 お昼を食べてニャーシャを連れて帰ったら、魔法ラットたちがパニックになった。あー猫と鼠か。同じ俺の従魔だとわかってしばらくすると、ニャーシャのふわふわの毛皮の中で魔法ラットが寝てるときがあるようになった。仲良くなってくれて嬉しいな。


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