第3話 冒険者ギルドの報酬(ようやく)
翌日、女性陣は荷ほどきと部屋の整理を行っている間に俺は冒険者ギルドに来ていた。ぶっちゃけ、冒険者ギルドからの報酬を貰いに来たのだ。この報酬は一部、国から出ている。なぜそういうことになったかというと、緊急依頼(メフィを助けたやつ)は規定額を冒険者ギルドが立て替えて払い、救助者の払える額だけ冒険者ギルドに払うことになるのだが、通常の依頼の場合、依頼人からの報酬が規定額以下なら不足分を冒険者ギルドが補填し、規定額以上なら冒険者ギルドに仲介料が入る仕組みになっている。で、今回の事件の場合、依頼人が冒険者ギルド自身と国になっていたので国からも報酬が出ている。通常なら問題ないんだが、今回の場合、俺の活躍が異常だったせいで、冒険者が単にギルマスに付き添っただけになってしまった事が原因で、冒険者たちが『道中の護衛分以上は貰えない』と断ったため、国の依頼として報酬を渡す相手が俺だけになってしまったので、これ幸いに国王が俺に渡す冒険者としての報酬の割合を増やそうとして支払いが滞るという頭の悪いことが起こってしまったわけだ。今回の場合通常の依頼と同じだが、依頼人が支払い能力がないのではなく多く払おうとしてもめたのだ。商業ギルドに仲介してもらい、当初の割合で決まったのだ。しかも、緊急依頼(メフィを助けたやつ)が盗賊退治の合間だったため継続扱いになってしまい、その報酬も貰えなかった。国に比べ額が少なかったので式典では渡されなかったから、ようやく報酬が貰える。
「すみません。依頼達成の報酬を受け取りに来たんですが……。」
「ああ、ヤマトさん。こちらへどうぞ。」
冒険者ギルドに入ったら、受け付けにオルガさんがいたので、声をかけたら、即行個室に連れていかれた。
「では、ギルマスがくるまで少しお待ちください。」
ソファに座ると、お茶とお菓子がすぐ出される。……って、ここ応接室だよね?しばらく――――と言うか、ものの1~2分でギルマスが入ってきた。
「すまん、待たせたようだな。」
「待つどころか、まだ、淹れたてのお茶が湯気を出してるよ。と言うか、出してくれた職員さんの手も引っ込めてないよ。」
全く、どんなスピードなんだか。
「そもそも、報酬の受け取りなんだから、ギルマスが来る必要ないでしょ。」
「ああ、いや、別件で応接室まで来てもらったのだ。国からヤマト殿に依頼があってな。内容が『違法に捕獲された魔物をどうにかしてほしい』だそうだ。一応ヤマト殿が事情を知っているとのことだったんだが……。」
ああ、アレか。
「この前の事件の繋がりで、公爵と繋がってた商会が仕入れた違法魔物をどうにかすることを頼まれて、その時たまたま”青薔薇”の皆さんがいたんで、『冒険者ギルドを一回通した方がいい』と言われたやつですね。依頼人は宰相か内務卿じゃない?」
「おお、そうだ。じゃあ依頼内容も知ってるんだな。」
「どんな魔物かは知らないけどね。」
そう言って俺は肩をすくめる。
「ああそいつは俺も聞いていないな。ま、頑張れ。」
「困っているみたいだから、やるだけやってみるさ。」
いざとなったら倒せばいいしな。
「今日は予定があるから、明日行くって伝えておいてください。」
「ああ、わかった。」
頷くギルマス。
「と言うわけで、報酬ください。」
「ああ、無一文だったな。」
「一昨日貰ったのも、額が大きすぎて使えなくて、無一文とあまり変わらなかったですね。」
苦笑いしあう俺とギルマス。そしてギルマスは控えていた職員に指示を出す。しばらくすると、金貨の入った袋が2つと、銀貨が入った袋1つを持ってきてくれた。2人がかりで。相当重いからな。
「金貨2千1枚と銀貨100枚だ。本当に助かった、ありがとう。」
「まあ、仕事でしたからね。」
そう言って俺は報酬を空間収納に仕舞った。
「じゃあ、俺はこれで。」
「おう。……あれだけ稼いだからもうこないかもしれんが、困ったときは助けてくれ。各国の冒険者ギルドにはお前さんのこと伝えておくからな。」
まあ、アダマンタイト級冒険者の力が必要なときはあるだろうな。だが――――。
「なに言ってんのん、次の依頼受けたから報酬貰いに来るに決まっとるやん。」
思いっきりツッコんだ!




