第2話 買い物とお引っ越し
両替が終わった俺たちは、買い物に行く。主な買い物は衣服全般と食器や調理道具……包丁は前作ったなぁ。そういえばあの包丁どうしたんだっけ?
「リンちゃん。包丁。」
「ん、親父。」
「そうか。……じゃあ、銀貨10枚渡すから気に入ったものを買うように。」
女性物の服なんてどれだけかかるかわかんないからとりあえず銀貨10枚ずつ渡しとこ。と思って虚空から財布を取り出してお金を渡そうとすると、思わぬとことからツッコミが入る。
「ちょいちょいちょいちょい。二人でわかる会話の解説をプリーズ!」
ツッコミを入れたのはアモリだった。
「ああ、ほらアモリには前に錬金魔法でステンレス作ったって言っただろ。」
「うん、聞いた。」
「リンちゃんの実家で、それで包丁作った。その包丁をまだ親方が持ってるって話だよ。親方ってのはリンちゃんのお父さんな。」
「ああ、そこで鍛冶師の修行をしてたのね。」
「うんにゃ、チートの鍛冶能力を披露したら、弟子にしてくれとか娘を婿にやるとか言われた。」
「旦那の鍛冶能力は素晴らしいものがある。金属への熱の入れ方や鎚を打つ場所、力加減、さらには刃をつける時のバランス、その美しさが切れ味を産み出していて、反りのバランスが鉄にもかかわらずドラゴンの鱗、いや骨ですら簡単に切り裂けるほどの鋭さを持っている。強度はそこまでないと思ったけど、そもそもあれは剣と違い相手の攻撃を受けて払うものではなく、相手を切り裂く為の武器だから、刃を支える粘りが大事なんだ。美術品としても、そして実用でも超一級品になる。そんな刀を、オレは打ちたい!そして、旦那の嫁になる!」
「お、おう。」
普段、必要最低限にもいかないくらい喋らないリンちゃんが熱弁を振るう事に、思わず引くアモリ。
「で、リンちゃんがついてきたんだ。」
暇なときでも刀を打つところを見せてあげないとなぁ。
「な、なるほど。でもひとつ謎が解けたわ。大和さんの婚約者の中で彼女だけ繋がりが見えなかったから。」
「彼女は金属加工ができるから来てもらったんだけどな。」
「鍛冶師としてじゃないんかい!」
きっちりツッコミを入れれる大阪人やな、アモリも。
「で、買い物な。1人銀貨10枚で衣類を買うように。服についてはわからんから、アモリ任せた。」
と、言いつつ1人1人銀貨10枚を渡していく。
「で、なんで手を出してるんですか?メフィリア王女殿下?」
「メフィでいいですよ、敬称もいらないです。私たちは婚約者なのですから。」
「うん、そっちはええねん。なんでお金もらおうしてるねんって言ってるんだが。」
ツッコミ待ちか?
「だって、私だって買い物したいですよ。」
「今日は生活必需品の買い出しだ。それに王女なら国からお金出るでしょ。」
「えー。」
プクッてふくれるメフィ。ちょっと可愛い。
「このあと、食器類を買いに行くから、その時に選んでくれ。色々と今日中に買わなきゃいけないものがあるからさ。」
「でも。」
「王女ならセンスのいい服を選べるんじゃないかな。たぶん、他の娘たちは『服?着れりゃいいよ』ってことになりかねないし、選ぶの手伝ってあげてほしいな。」
そう言うと、仕方ないなって顔で、他の娘たちの服を選ぶのを手伝ってくれた。……うん、そんな高いの買わんでいいよ!
軽く2時間半ほどかけて服を選んだら(もちろん荷物は俺の空間収納の中)、お昼を回ったので適当な店でお昼を食べる……って王女様が食堂に入るのっていいのかな?と思い、ちょっと離れたところで冒険者の振りをして警護に当たっている騎士に目を合わせ指差しで確認したら苦笑いしながら頷いてくれたので、食堂でお昼を食べた。まあ、王女様が定食をはじめて食べるので最初どうすればいいか困ってたが、なれてる俺やアモリに教わりながら食べた。ちなみに俺とアモリはシンプルにお好み焼き定食を食べた。
お昼を食べたあと、食器や家具を買いに行った。いきなり一部模様替えしなきゃならなくなったからな。ベッドや洋服ダンス他、箸と茶碗、フォークにスプーンにナイフ……いろんなものを買った。
結局、荷ほどきができなかったので、引っ越すのは翌日になった。――――――――メフィ王女はお城へ帰ってください。警備が大変なことになるんで。




