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鉄道マニアが異世界で鉄道会社を起業する。  作者: 中城セイ
第2章 鉄道建設への準備
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第29話 違法奴隷と資金

 地下に降りていくと、そこは個室が並んでいた。個室にはベッドしかない。そんな部屋が多数あった。


「ここは()()だな。じゃあさらに下へ行こう。たぶん牢屋だろうけどな。」


 地下2階は予想通り牢屋である。


「なるほど、全体の広さはそれなりにあるな。さすが上に地上4階があるだけある、柱や梁はかなり頑丈だな。」

「ええ、違法魔獣も居たそうですから頑丈な作りになっていました。」


 ギルマスが解説してくれる。


「へぇ、違法魔獣ね。それってどんな魔獣?」


 ちょっと気になった。


「いえ、さすがにそれは……。危険ですし。」

「ええ、普通なら違法魔獣は殺処分か近くに放出になるのだけど、危険すぎてどうすることもできないから。さすがに王都にあれがいるのは問題なので移動はさせてもらったけど、多数の怪我人が出たわね。」


 ギルマスと内務卿が答えた。


「おおそうじゃ。ヤマト殿に討伐してもらうのはどうじゃ?」


 宰相が提案してきた。確かに、フェンリルを服従?というか求愛?されるほど強いから、大丈夫じゃないかと思われてるんだな……。


「ちょっと待ってくれ、いくらアダマンタイト(ランク)とはいえ、()()()であることには変わらない。よって、冒険者ギルドで指名依頼を出してくれ。」


 そう思っていたら、ウリアさんが苦言を呈してくれた。


「……ああ、確かにそうだな。冒険者ギルドに出しておこう。提示する報酬も財務卿と打ち合わせんといかんしな。」


 宰相が冒険者ギルド経由で依頼を出してくれるらしい。




「そういえば、向こうでもいたんですが、違法奴隷がいたと思うんですが……。」

「ああ、一応その者たちは助け出されたあと、身元確認を行い、必要なものには治療を行っている。まあ、行き場のない者も多いな。」


 宰相が答えてくれた。そこで、俺はある提案をすることにした。


「宰相殿、ひとつ提案があるんだが……、その行き場のない元違法奴隷をうちで雇ってもいいか?」


 俺の提案に宰相と内務卿が小声で話し合う。


「……一度、城に持ち帰って答えていいか?」

「ああ、構わないよ。雇う賃金はまだないからな。」

「え、賃金がないって、どういう……。」


 思わず聞いてしまったのであろうギルマスに説明をする。


「ああ、受けた依頼の報酬を誰が支払うかでもめていて、()()()()()()()()()()んだ。でも()()()()()()()()()は貰えるから心配しないで。」

「…………はあぁ!?なんだってそんな……」


 ギルマスの驚愕に、宰相が。


「実は、ヤマト殿への支払いの()()でどちらが払うか揉めている件があり、あと、先程の報奨に合わせて支払うことにしようかということになっています。」

「……どちらも払いたくないから押し付けあっているということか。」

「いえ、()()()()()()()()ので、引き受けさせてくれと揉めています。」

「………………はあっ?」


 前代未聞のことだったので、一瞬思考が停止したギルマス。一般的に金銭絡みでの揉め事は、支払いたくないから押し付けあったり、誰が受けとるかや分配で揉めることはある。だが、この一件はそれが()であった。


「あのさ、第三者に裁定してもらったらどう?例えば、商業ギルドに配分を決めてもらい、それを遵守させるって感じで。これなら公正だし、揉めないんじゃないかな。()()公正に判断すべき機関が当事者になってるから問題になってるんじゃないかと。」

「なるほど。」


 俺は、とっとと報酬を支払ってもらいたいので、そういう提案をしてみる。どうやら宰相も乗ってくれるみたいだ。


「商業ギルドには、報酬として双方から同額支払うことにして、公平性を出す。目安は調停する金額の1%、上限金貨5枚にすればいいんじゃないかな。」

「確かにそれなら商業ギルドとして調停しても構わんぞ。」


 商業ギルド側も乗り気だ。


「冒険者ギルドにはウリアさんが伝えておいてください。そして、俺からの伝言として『調停してさっさと報酬を支払え、いつまで()()()にしておくつもりだ。』と伝えてください。さすがにアダマンタイト(ランク)冒険者からせっつかれたら、話は進むでしょ。」

「ああ、わかったよ。しかし、ギルマスは不運だな、アダマンタイト(ランク)冒険者に目をつけられるとは……。」

「いや、むしろギルマスは()()()だろ、王家の強引な割り込みの。」


 そう言って、王国側の三人を見ると、みんな目を逸らした。


「まあ、4日後にはもらえることが決まってるから、安心して従業員の確保をできるわけだ。だから、この物件は購入するってことで。地下室も使()()()()が決まったし。」


 そう言って、この物件を本拠地として入手したのであった。


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