第28話 うちの子
「ちょ、ちょっと待ってください。」
そういうと王女が待ったをかけた。俺はすかさず。
「強制送還で。リーフ頼めるか?」
「わかったー。」
そう言ってリーフは蔓をメフィ王女に絡めてお城へ送って行こうとした。
「少々お待ちを。王女殿下だけではなく、私ども王国の者として英雄でアダマンタイト級冒険者であらせられるヤマト殿に、さすがにこの物件はどうかと。」
「あの公爵が持っていたからという理由以外で説明できるなら聞くけど。」
「……。」
黙ってしまう内務卿。
「俺が現在この建物を”可”としている理由は、立地がいいからだ。そもそも、街の”外”に重要施設を作る予定なんだ、この場所はあくまでも拠点の一つにしかすぎない。なんなら、使い物にならないなら更地にして建て直すことも想定内だ。」
「……そうですか。まあ、ヤマト殿がこの国から去られるのだけは避けなければならないですからな。」
「それほどなの?」
内務卿が宰相に聞いている。それをギルマスも耳を傾けてるみたいだが。
「ああ、詳しくはヤマト殿がどこまでオープ「召喚まではOKです。討伐に使ったアレはダメです。なので、王女様は絶対喋らないよう。喋った瞬間俺はこの国を去ります。」」
「い、いわないですよ~。」
少し汗をかくメフィ王女。たぶん俺がどれだけすごいか伝えるために言うつもりだったな。取り敢えず、王女以外で俺の事を知っている宰相に任せる。
「彼がアダマンタイト級冒険者であることは知っている通りですが、彼がアダマンタイト級にみとめられたのは国軍を越える偵察力になります。具体的には、ピクシーを召喚できます、60体ほど。戦力としても、獣魔として、SS級魔獣に指定されているフェンリルを従えていますし、彼自身優れた戦士で、王女殿下を襲い、護衛部隊を半壊させた反逆者どもの部隊長を一撃のもとに討ち、制圧したと聞いています。さらには、例の件では裏から、すべてをサポートされました。この件の勲功第1でしょう。これは、4日後公表するので、まだ内密にお願いしますね、ゴルディア殿。」
「え、ええ、そうしますよ。国に睨まれるのも勘弁してもらいたいですが、それ以上にこの話を聞いて、ヤマト殿に敵対できませんよ。しかも隠しているものがあるのでしょう。恐ろしくてもしこの国が敵対したら商業ギルドを撤退したいくらいですよ。」
聞き耳をたてていた商業ギルドのギルマスは身震いする演技をしながら言った。
「ははは、明確にこれはアカンって事じゃない限り敵対はしないですよ。それと、ひとつだけ訂正を、ピクシーは60人じゃなく182人ですね。」
「「「「「「「ええっ!?」」」」」」」
「あと、鉄道用魔道具作りのサポートに魔法ラットを勧誘中です。そちらはこの本社ではなく街の外に作る工場の方に行ってもらう予定ですが。」
「「「「「「魔法ラット!!」」」」」」
うん、やっぱり絶滅したと言われている魔法ラットを勧誘していると言ったらびっくりするわな。
「……規格外過ぎて、最早どう取り繕うが無駄な気がしだしました。」
「……確かに。彼の能力の前には伝説の生き物が普通のように思えます。」
うん、レアなピクシー(団体)、災害レベルの魔獣フェンリル、さらに絶滅種の魔法ラットを召喚してるからな。……あっ。
「つかぬこと聞くけど、アルラウネって普通にいるよね?」
ふと、アルラウネって比較的普通にいるのか気になってしまった。
「あまり見かけないレアな魔物ですね。…………ただ、リーフさんの場合は、周りが激レアすぎて埋もれてしまってるだけですよ。」
聞いてみたところ、俺の召喚獣たちはアルラウネ=ピクシー<フェンリル<魔法ラットの順に見かけないらしい。まあ、一般的に考えて、フェンリルがいるようなところに町は作らないし、魔法ラットはそもそも絶滅したと思われていたらしいしな。それでも、アルラウネやピクシーを見れるだけでラッキーレベルほどの遭遇率だそうで、(獣魔証をつけていたとしても)町中を出歩いていることがあり得ないらしい。ちなみに、一番インパクトが強いのはピクシー×182人だそうで、通常は見かけても数人だそうだ。それはミューも証言した。どっちにしろ、俺にとってはあくまで召喚獣なんだけどなぁ。




