第27話 内覧会
翌日、俺たちはマルサロス鉄道の本拠地になる建物の内覧に来ていた。場合によっては俺の住居にもなる可能性があるので念入りに調べたいんだが……。
「ゴルディアさんはともかく、なんで、ついてきてるんだよ。」
そう、参加メンバーは俺、商業ギルドのギルマス、ゴルディア氏と、うちの商会に移籍予定のアモリさん、ルナ、ミュー、リーフの召喚娘トリオとリンちゃん、それにメフィ王女、宰相、内務卿、”青薔薇”の3人の13人だ。ちなみに魔法ラットのシルベスは今日は同種の勧誘に行ってもらっている。実は魔法ラットは意思疏通できるまで進化していれば魔道具作りのサポートができることがわかったからだ。指先が器用な彼らは、必要な人材だ。
「ルナ、ミュー、リーフの3人はいいよ。俺の召喚獣だからな。」
うん、ええ、おー、と返事する3人。
「ゴルディアさんは内覧に付き合っていただきありがとうございます。」
まず、ゴルディアさんに頭を下げる。
「アモリさんとリンちゃんは、うちで働いてもらうから当然だな。」
リンちゃんは「ん」と返事をした。
「宰相さんと内務卿さんは、購入費用の負担をしてもらうのだから、まあ来るよね。」
苦笑いで頷く二人。
「青薔薇のお三方は預けてた三人の引率みたいなところだね。」
頷く三人。
「で、なんで王女様は来たんですか?」
唯一来る理由が全くないメフィ王女。
「それは、婚約「してませんよね。」」
「…………。」
「…………。」
見つめ合う俺と王女。
「恩人のお店な「開業してから来ますよね。」」
「…………。」
「…………。」
再び見つめ合う俺と王女。
「出資した「購入費用を報酬の一部として出しているだけで、宰相や内務卿なら適切な額かの確認のために来ることはあっても、王女が来ることはない。」
「…………。」
「…………。」
泣きそうな顔をする王女。
「…………ヤマト様に会いたかっただけです。」
正直に答えた王女。
「ならよし。」
「「「「「「いいんかい。」」」」」」
総突っ込みだった。
「いやだって、会いに来たは十分理由だろ。邪魔したら強制送還だけど、邪魔しない限りはなぁ。」
今日は確認だけだからそんなに邪魔になることはないと思うけどね。
「じゃあ、内覧に行きますか。」
そう俺が促すと、ギルマスが先導して案内してくれた。
その物件は南門すぐのところの所謂一等地だった。建物自体も4階建てレンガ造りの物件で、むしろなぜこんな物件が売りに出てるか不思議なくらいだった。
「ここは?」
「数日前に失脚したある人物がやっていた悪どいことの隠れ蓑になっておった商会でね、国より取り潰されたものなのだよ。」
ギルマスの言葉に心当たりのない内務卿とリンちゃんとアモリさん、それと理解していないルナとリーフ以外は目をそらした。
「これは、王家としてはあまりお勧めできませんね。」
「国としてもあまり……。」
「どういう事です?」
「それは……。」
なにか後ろで首脳会議を行ってる。
「そうですね、建物に罪はないですし、取り敢えず中を見ましょう。」
「では、鍵を開けます。」
そういうと、ギルマスが鍵を開けてくれた。
「この建物は地上4階、地下2階の6階建てでして、店舗は1階と2階、地下は……まあ、悪どいことに使われていた場所ですね。」
なるほどね、あの公爵はここの地下に違法奴隷を隠していたのか。
「まずは、1階の店舗部分です。元々手広くやっておりましたので、陳列棚とカウンターになってますね。1階の3分の1がこういう場所で、残りの3分の2は倉庫や貴賓室だったみたいですね。」
なるほど、ここは予約カウンターにできるな。
「2階への階段は倉庫の方と店舗部分に有ります。2階は主に個室での商談の部屋ですね。貴賓室もいくつか有ります。なぜか貴賓室にベッドがあったりするんですけどね。」
うん、あの公爵だからなぁ。
「3階は従業員の、4階は商会主の部屋ですね。見ますか?」
「ああ、見よう。」
そうして、1階から4階までの部屋を見て回った。その結果、3階と4階はほぼそのままで使えると算段した。1階と2階だが、それは地下がどうなっているかを確認してからだな。
「じゃあ、続いて地下を見ようか。」




