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鉄道マニアが異世界で鉄道会社を起業する。  作者: 中城セイ
第2章 鉄道建設への準備
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第26話 本拠地

「では、本拠地はどこがいいでしょうか?」


 宰相が聞いてきた。それなので、俺の希望を答える。


「ええ、それなら、まず第一に南門近くですね。あとは、1階にカウンターがあればいいです。チケットの販売ができるようにしたいですね。」


 簡単に言えば旅行会社っぽいイメージだ。


「ふむ、調べてみましょう。」


 さすがに宰相じゃわからないか。


「南門の近くの物件ですか?そうですね、少し前につぶれた商会の建物がありますよ。」


 と、ギルマスが答えた。さすが商業ギルドの長だけある。


「一度、内覧してからですね。ところで、一応の確認なんですが、本拠地は移転できますか?」

「手続き取っていただけたら大丈夫ですよ。」

「ならよかったです。本社として機能を持たす場所、営業拠点、実務拠点がバラバラの場所になりやすいので。」

「え、拠点がバラバラになるのですか?」


 商業ギルドのギルマスが聞いてきた。国王陛下たちも興味津々みたいで、聞き耳をたてている。


「まず、営業拠点は駅ですね。実際にお客さんや荷物のやり取りを行う場所です。実務拠点は車庫や車両工場ですね。列車を動かすために必要な整備や乗務員が乗り込んだり、清掃その他を担当します。あと、もうひとつ実務拠点になるのは、運転指令所です。列車の運行を司る場所ですね。本社は営業や計画等が中心で、他の部署との繋ぎや庶務を担います。たぶん本拠地という意味なら本社が一番近いですかね。」


 俺は頭の中で整理していく。

 鉄道の心臓部となると、CTCを配置する予定の運転指令所。車両の整備を担当する工場。乗務員の管理をする運転所。それに、駅自体も心臓部のひとつになる。お客さんの案内、切符の販売や精算など、実際に対応する最前線とも言える。まあそれらを束ねる本社機能が本拠地になるか。


「本拠地は状況によってだけど基本は変わらないですね。ただ、今後事業の拡張していくので、じっくりしっかりと決めたいですね。」

「わかりました。王国として本拠地購入費用は全額負担しましょう。」


 そう宰相さんが言った。


「よろしくお願いします。あと、王都南門のすぐ外に駅を作るんで、許可をお願いします。なにせ、車両開発やなんやかんやで広い土地がないと大変なんですよ。」

「そうなのか?」

「考えてみてください、全長20mの車両を作ろうとするだけでそれなりの大きい工場がいるのに、レールや台車を作るための場所がいるので、かなりのスペースが必要です。工場兼研究所には最低300m×100mは欲しいし、車庫は1編成あたり300mになるので、1000mはあると編成の組み替えはやり易いかな。それが将来的には20本は欲しいね。そんな土地、王都の中には用意できないので外に作ります。ちなみに、駅のホームは400mを王都なら将来的なことも考えて16線あればいいかな。」

「「「お、おう。」」」


 さすがにこの広さを言えば驚くわなぁ。


「まあ、工場と車庫は1ヶ所に置く訳じゃないからもう数ヵ所作るとして、車両は10万両くらいあればいいかな。」

「そんなにも広大な土地が必要なのか……。」


 国王陛下が呟いた。


「そりゃそうですよ。馬車だって何万台集まれば場所とるでしょ。それが一挙に街道を通るだけで渋滞にるでしょう。鉄道はそれを一纏めにして専用のルートを通るだけで、物量自体は変わってないのですから……、いや、()()()か。」

「……増えるとは?」


 商業ギルドのギルマスが聞いてきた。


「ああ、今まではすぐ腐ってしまい遠くに運べなかった特産品も、人の多い王都などの都市部に輸送できるようになれば、商才がある人間はすぐ売りに行くでしょ、売れるところに。」

「……確かにそうですな。」

「余剰分だけ輸送するようにしないと、本来必要な地元の人が手に入れなくなるから、調整をしないといけないけどね。それは商業ギルドでお願いします。」

「うちか!?いや、確かに商業ギルドで調整する方が妥当だな。よし、専門の部署を作っておこう。」


 ギルマスは新部門を作る算段を始める。


「その前に、うちの本拠地の建物候補の内覧をお願いします。」


 そう言って、先にこちらの件を済ませるように誘導した。

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