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鉄道マニアが異世界で鉄道会社を起業する。  作者: 中城セイ
第2章 鉄道建設への準備
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第17話 悪徳ギルドマスターと悪徳領主の最後

セルウォリス冒険者ギルド



「邪魔するぞ。」


 そう言って入ってきたのは16人の冒険者風の人たちだった。内訳は男性が11人、女性が5人。よく見ると、女性のうち3人は見知った”青薔薇”のメンバーだった。


「……えーと、いらっしゃいませ?当ギルドになにかご用ですか?」

「うむ、ギルドマスターはおるかな?」

「え、はい、いますが……。」

「では、案内してもらおう。ワシは冒険者ギルド、ドリュフェス王国()()()()()()()()()のカイエンじゃ。緊急の査察である。」


 え、統括ギルドマスターって王都の?うそっ!


「は、はいぃぃ、案内させていただきますぅ。」

「うむ、頼む。」


 私は大慌てで、統括ギルドマスターに失礼がないよう、うちのギルマスのいる執務室へ案内した。



「こちらが、ギルドマスターの執務室です。今、こちらにいらっしゃるはずです。」


 受付嬢に執務室まで案内させた。まあ、ピクシー達の監視網から確かに執務室にいることを確認しているので問題はなかった。彼女はシロっぽいね。

 受付嬢がノックをした。


「ギルマス、お客様です。」

「客ぅ?誰じゃいきなり。後にしろ。」


 ギルマスは誰が来たかわかってないね。そう思ったら王都ギルマス……、ややこしいからカイエンさんと呼ぼう。そのカイエンさんが()()()()()()()()――――あ、蝶番が折れて扉外れた。


「ワシだ。統括のカイエンだ。」

「なっ!」


 扉を破って入ってきたカイエンさんに、ギルマスは驚愕していた。


「クラウス、お前やっていたことはすでに明るみになっておる。神妙にお縄につけぃ。」

「な、何を言われますか統括。私は()()()()ギルドのために働いてますよ。」


 冷や汗をかきながら答える、ギルマスだとややこしいのでクラウス。


「ネタは上がってんだ。ブルームの村を占拠させた盗賊団を使って私腹を肥やし、さらには、冒険者ギルドの柱たる冒険者を違法に奴隷にして売りさばいたことはわかってんだよ!」


 そう言って見栄を切るような仕草をする。


「わ、ワシがそんなことをするはず無いじゃないですか!」

「ああ、お前が昨日、冒険者を盗賊団に襲わせ、奴隷としてローズミア公爵に売ったことはわかっている。だから踏み込んだんだ。」

「なっ。証拠はあるんですか!証拠は!無いんだったらいくら統括でも訴えますよ!」


 ちょっと冷静になったのか証拠を出せと言ったクラウス。でもねぇ。


「証拠ならあるぞ。」


 胸を張って返すカイエンさん。


「なんだとう。」


 狼狽えるクラウス。


「ちゃんと確認していたからな。カイ殿、見せてやってくれ。」

「・・・」


 静まり返る執務室。


「すまん、ウリア君。頼んでもらえるか?」

「ああ、カイ殿頼む。」

「はい、こちらをご覧ください。」


 そう言って、どこからともなく現れたピクシーのカイ殿が壁になにか光を当てる。それは像を結び、クラウスの姿になった。


「我らが主、ヤマト様の作り出したカメラという魔道具です。この部屋であった出来事を写し取るものらしいです。なにやら『てつどうのきせるじょうしゃなどのふせいじょうしゃを摘発するために作った』らしいです。」


 うん、何を言ってるのかわからない。


「これは、一昨日の午後と、昨日の朝のこの部屋での様子です。どうぞご覧ください。」


 カイ殿がそう言うと、壁に写ったクラウスの行動が声付きで動く。その内容は公爵から領主経由で奴隷を求められ、それに対し冒険者を盗賊に襲わせ、奴隷にするというものであった。


「ちなみに、我々はこの冒険者たちを()()しております。それと、これ以外の証拠品もこちらで確保しております。」


 そう言うと数人のピクシーが数十枚の書類を持って現れる。


「証拠品を奪い返そうとしてもあなたの首を刺すことなど我々ピクシーには簡単だということをご理解ください。」


 そう言って、ピクシー達は姿を消した。

 それを見て、クラウスはガクッと崩れ落ちた。()さえ関わらなければ、逃げおおせたのだろうけど、相手が悪すぎたな。




セルウォリス領主館


 王都から来た軍の部隊は領主の館をぐるりと囲んだ。そして10名ほどで中に入る。そして高らかに宣言した。


()()()()()()により、これより緊急の査察を行う。領主ベ、ベル、ベルギアフィンネスは今すぐここに出頭されたし。また、館内にいるものはその場を動かず料理中の者以外は作業を中断せよ。これは国王陛下の命である。」


 その声を聞いて、領主館で仕事をしていた料理人以外の全ての人物が作業を止めた。


「いったい何事ですかな。騎士殿。」


 そう言って現れたのは領主だった。


「貴殿がベルギアフィンネスだな。」

「いえ、ベルギナフェンディスです。」

「…………。」

「…………。」

「すまん。」

「いえ、なれてますので。」


 非常に噛みやすい名前のベルギナフェンディス。


「ベルと呼んでいただいて構いませんよ。」


 苦笑するベルギアフェンネス。


「すまんな、ベル殿。」

「いえいえ、ところで何のご用です?軍を引き連れてなんて……。」

「ああ、貴殿には、セルウォリスの冒険者ギルドと()()して盗賊団を使った()()()()、および()()()()の疑いがかけられておる。すでに盗賊団、冒険者ギルド、そして()()()()()()()()()()()()()()手が回っている。逃げ道はないと思うがどうだ?」

「いえいえ、ローズミア公爵に命令されてやっただけですよ。私は悪くはありません。」

「そう言い逃れするか。では、館の者全員をここに集めていただこう。その証拠をみんなで見ようじゃないか。」


 そう言うと騎士達が館のスタッフ、そして領主夫人と子女も集めた。


「では、証拠をご覧いただこう。お願いします。」

「はいな。これは我らが主が作ったカメラという魔道具。まあ、一見は百聞にしかず、とくとご覧あれ。」


 どこからともなく現れたピクシーが持つ魔道具から壁に向かって光を放つ。そして壁にこの屋敷の中で領主とローズミア公爵の執事が()()()()()()()を受け渡している姿が写し出された。もちろん音声付きで。


「これは一昨日の昼頃のものです。この()()()()()()()()()()()()。では、罪を認めていただけますね。」


 その映像を部下や家族に見せられた領主は、ガックリと肩を落とした。


キセル乗車:キセルの火皿と吸い口が金属であることから、乗車駅の入場時と降車駅の出場時で別の切符を使い不正に安く乗車する犯罪行為。発覚すれば本来の料金の3倍、場合によってはそれ以上の請求をされる場合がある。

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