第15話 アダマンタイト級(予定)冒険者の怒り
朝になると、セルウォリスの冒険者ギルドから伝書鳩がきた。それにはとんでもないことが書いてあった。
「ほう、セルウォリスから来る斥候役の銅級冒険者パーティを捕らえて、女性を奴隷にして公爵に渡せか。ふざけてるな。おい。」
そう言うと、俺は、通信魔道具を使い各方面に連絡していく。それぞれから怒りの声が聞こえてきた。
「この国の奴隷制度は?」
『犯罪者の奴隷落ち以外認めていないそうです。』
「そもそも誘拐は犯罪だよな。なら、遠慮なく潰せるよな。」
その場にいた騎士や盗賊団――――――今は傭兵隊か、が、なぜかビビっている。
「ん?どうしたん?」
「いや、旦那の実力を知ってるから、敵対したくないだけですよ。」
首領の言葉に頷く一同。
「そ、そうか……。せやな。」
うん、俺チートやった。
「ヤマト殿は奴隷制度をどう思っていますか?」
「んー、別に。」
「別に?」
「ぶっちゃけると、俺はその国の政治に関わる気はないし、その国の法律が認めていることを否定することはないよ。」
「あ、そうなんだ。」
「鉄道に関する部分を除いてな。そこだけは譲れない。」
俺、鉄だからな。
「それは置いといて、この冒険者たちを保護しないとな。」
全員頷き、作戦を考える。
とは言っても、基本は敵にバレないよう、敵の予定にそって行動しないと……。
「じゃあ、まずはその冒険者たちを拉致する感じで保護することから始めよう。……ところで首領?こういうことは今までもやっていたのか?」
その声に、びくってなる首領。
「い、いや~、命令されてやってはいたが……。」
「命令か。」
「へ、へい。」
「村長?」
「は、はい。」
「本当か?」
「えっ、ええ。確かに、うちの村の女性陣は残されてましたが……。」
「ああ、あれは、人質に取っておけば反抗しないだろうなと思っただけで……。」
うん、首領、意外といい人。
「じゃあ、とりあえず保護から始めようか。」
「「「「はい(おう)」」」」
「まず、傭兵隊が盗賊団として保護に向かう。そこにルナと騎士も同行して確実に保護してもらう。」
「「「「はい(おう)」」」」
「で、ルナに公爵邸に潜入からの大暴れをして混乱しているところに、軍と俺が突入。公爵を逮捕すればいいかなと思う。」
『「証拠はどうするの。」と軍の方から言われたのですが。』
「それは、公爵邸に潜入中のピクシー隊が確保しておく。できるな。」
『お任せください。すでにいくつか確保しております。』
「さらに追加を頼む。だが、無理のないようにな。」
『わかりました。さらに探索します。』
「では、行動開始!」
「――――と言うわけで、君たちを保護するために、動いていたんだ。」
「は、はあ。」
今、俺の前にはハーフエルフ、エルフ、獣人、ドワーフのパーティが座っていた。
「まあ、君たちは運が良かった。俺たちが動いているときに狙われたんだから。あ、君たちはしばらくこの村でいることになるけど、すぐ解放されるから安心してくれ。」
そう言って、通信魔道具の方に向かい、
「被害者の保護に成功。続いて三ヶ所同時制圧に向かう。各自所定の位置まで移動せよ。」
そう言い、俺は首領にセルウォリスのギルマスに捕らえたが1人残して重症ですぐ動かせないと伝えるよう指示をだし、俺自身も出撃する準備をする。
そして、翌朝、全ての隊が配置につき、一掃作戦が開始された。
まず最初に首領&ルナのコンビから作戦は始まった。
首領がルナを捕らえた冒険者の一人の獣人と偽って連れていき、タイミングを合わせて元の姿で暴れてもらう。もちろんピクシーが一人付いていく。
ルナが暴れると同時に冒険者ギルドと領主に家宅捜査が入る。そして、場が温まったところで軍が王女様を指揮官として突入する。もちろんそこに俺も同行する。さて、どう反撃してくるか楽しみだ。




