第13話 動力
ルナが予定通りピクシーたちを送り届けて、軍から騎士を連れてきたら、なぜか首領がいた。
「旦那、軍務卿の指示で来やした。あっしら盗賊団を傭兵隊として軍の傘下に入れるそうでやす。」
「え、そうなん?」
一緒に付いてきた騎士たちを見ると頷いた。マジか。たしかにこの首領、意外と有能だったからな。なぜか今は三下化してるけど。
「じゃあ、首領が隊長になるのか?」
「そうでやす。使い物になるなら、領主の捕縛隊に参加するよう言われてやす。」
「そうか、じゃあ、部下たちを呼ぶよ。」
と言って、ミューに指示して盗賊団員を集めさせ、首領と再会させた。軍の傘下に入ることを告げられ、唖然としてたが、騎士たちが保証すると喜びを爆発させた。そりゃ全員縛り首でもおかしくなかったのに破格の条件だ。
しばらくすると、放った各ピクシー隊から潜入成功の報告が出始めた。俺は情報を集めながら、機関車の動力をどうするか、考えることにした。
俺は、まず蒸気機関車を想定してみる。技術としてはシンプルで、燃焼を石炭から魔石と魔導回路で沸騰させる方式に変えればいいだけだ。蒸気機関車本体は鉄知識や図面作成(鉄)があるから難しくない。
次に、他の方法がないか考える。蒸気機関車だと、シンプルな分、鹵獲から軍用にできるため、できれば避けたいところだ。なので、魔道具で回転エネルギーを生み出せないか考える。やることはどう回転エネルギーを作り出すかだ。ピストンでもいいんだが、モーターのように回転してくれる……。あれ、魔法で回転を与えるものなかったか?
久しぶりに使う魔法知識82レベルを使って意識すると、回転の与える系の魔法は存在している。風魔法の竜巻とか、あと意外にも解錠魔法もこの世界の鍵自体が捻って開けるタイプで回転だし、さらに言えば火魔法の火炎球だって直進性を高めるため回転してる。この回転力だけ取り出してモーターのようにできればいいんだけど……。
あとは金属だな、車体はともかく、台車やレールは金属製じゃないと駄目だ。ただ、貴重な金属だと持っていかれる可能性があるから、安くて硬くい金属があればいいんだけど。あとはどう魔物がレール上に来ないかだけど……、魔物避けの魔道具を作るか、冒険者に定期的に討伐依頼するくらいだな。これはあとで考えよう。
次に、研究場所および実験線だな。これは……国王陛下に頼んでみるか。
そんなことを考えていたら、ピクシーたちから連絡が来た……。
台車:鉄道の場合、台車とは荷物を運ぶものではなく、車輪やモーターなどを納めた箱状の部分で、左右に動くようになることで安定した走行力と、乗り心地のよさ、脱線のしにくさを得ることになった。




