第23話 思わぬ裏
「あ、あれが頭目ね。」
「あの、禿げたヤツか。じゃあ潰してくる。」
認識してすぐ頭目に向かって駆け出す大和。
「ルナはこいつら倒していって。一人残さずな。降伏するヤツはリーフが捕縛していってくれ。ミューは隠れてるやつを見つけてルナに教えてやってくれ。」
「わふ。」「おーけー」「了解」
三体の召喚獣が各自動いて撃滅していく。
召喚主の大和は《回避》技能を駆使し、頭目に近づく。
「お前がこの盗賊団のボスか?拘束させてもらおうと思うんだが、抵抗するか?」
一瞬で頭目の前に現れる冒険者。
「お前みたいな化物に勝てるわけないだろ。あの狼もそうなんだろ?」
どうせ逃げても捕まる。そんな状況に、頭目は諦めた。
「じゃあ大人しく捕まってくれ。あと、なにか情報を持ってたら教えてもらうと多少なんとかできるかもよ?」
「そこで何で疑問形なんだよ。まあ、一応あるな、でっかいネタは。」
「ほう。それを取引材料にして、少しだけ刑が軽くなるかもしれないな。」
「ああ、どっちにしろ道連れだ。
……俺たちがこれだけ集まっても捕まらないのには理由がある。それは、ここの領主と、町の冒険者ギルドのギルドマスターが情報を流してくれるからだ。その見返りに、領主やギルドマスターが指定した馬車は襲わないことになっている。」
「おお、そいつは、中々な大ネタだな……、このレベルのネタだと……。」
少し思案する。このネタはオルガさんを引き抜くのにかなり有用なネタだ。ただ、気になる点が1つ。何で今回はギルドから情報がなかったのかが気になる。後は証拠だな。こういうことを考えている間に、頭目は抵抗を止めて捕らえられるよう命令していた。こいつ、指揮官として優秀かも。
「確認したいことがいくつかある。1つ、証拠はあるのか?」
「ああ、あいつらからの指示書はある。」
「詳細は見ないとだけど十分証拠になるな。じゃあ二つ目。ギルドからの情報はどうやって来る?」
「ああ、伝書鳩だ。」
「……で、まだ来てないと?」
「ああ、だからお前に簡単に襲撃されたんだ、あのやろう裏切ったか。」
ああ、たぶん馬でも半日、しかも俺は昼をギルドでとってる。だから翌朝出発か早くても夜駆けと踏んでたんだろう。鳩なら馬より早いけどフェンリルには勝てなかったのか、まだ鳩を飛ばしてないかだな。
「取り敢えず、セルウォリスの冒険者ギルドにつき出すのはまずいな。お前らが口封じに殺されてしまう。領主の方も同じだろう。なら、王都まで行くのが安全か。」
「え、助けてくれるのか?」
「このままだと俺も依頼失敗にされかねんのでな。だったら何とかするしかないさ。」
肩を竦めながら答えた。
「だがどうする?」
「そうだな。表向きは盗賊団が捕まってない体で領主とギルマスを騙して、王都の冒険者ギルドに申請する。あ、ちなみにギルドからの伝書鳩が来なかったのは、だた単純に俺の移動速度が常識外だったからだ。ぶっちゃけ冒険者ギルドの食堂で昼飯食べて食休みをしたから1時半くらいに町を出た。受付で依頼を受けたのがお昼食う前だったから、まだ依頼を受けて3時間しか経ってない。へたしたらまだギルマスに俺が依頼を受けたことが伝わってないかもしれん。」
俺のぶっちゃけ話に唖然とする盗賊団。
「はは、こんなのに俺たちなんかじゃ勝てっこないわ。まあ、あっさり諦めてよかったよ。」




