第12話 ム○ゴロウ?
――――召喚したものは、体長15mの狼だった――――
「なっこいつは……。」
ウリアさんが驚愕の声をあげる。
「どうしました?」
「ま、まずいで。こいつは恐らくフェンリルや。」
「フェンリル?」
「獣系犬型の最上位SS級魔獣だ。討伐には最低でもミスリル級、できればオリハルコン級の冒険者がパーティを組むレベルだ。我々では対処できない。」
なるほど、ものすごく強い魔獣が召喚されたものだから大慌てなんだ。
とりあえず、一応召喚できた魔獣ならすでに支配下にあるんじゃないかと思い近づいてみることにしよう。
「ちょっと待ち。召喚した魔獣は支配下じゃないさかい襲われるかもしれへん。」
ユリスさんが声をかけるも、その時にはフェンリルは俺に向かって襲いかかってきていた。
「おっと。」
回避がチートレベルなのであっさり避けた。しかし、恐怖を感じないからか俺にはデカイわんこにしか思えないんだが……。
「よーしよしよし……」
とりあえず撫でてみた。デカイのであれだが、首やら耳の付け根などを撫でていく。
「グルルルルル……」
「よーしよしよし……」
「グルル……」
「よーしよしよし……」
「……」
「ここがいいのか~。」
「く~~~~ん」
「…………手懐けてる…………」
いつの間にかお腹を見せて撫でられてるフェンリルも誰かの呟きによって気づいて飛び起き、威嚇を再開する。
「うーん、やっぱり上下関係をちゃんとつける必要があるのかな~。」
たしか、犬のしつけにそういうことをえすることが必要だったとうろ覚えながら思い出す。なら一回戦ってみるか。たしか戦闘に使える技能は……。
「すみません、誰か、刀か杖……と言うか、1メートル半位の棒ありますか?あ、刀は木刀でもいいんですが。」
「ええと、訓練用のものならあると思いますが……。」
「あ、それでいいです。」
「でも、フェンリルですよ……って、そういえば、ヤマトさんはアレでしたね。」
「アレて……、まあそういうことです。」
「少し待ってくださいね――――はい、どうぞ。」
オルガさんは木刀を渡してくれた。
「先に、おとなしくしてもらった方がいいよね。」
と、言って木刀を正眼に構える。よく見る剣道の基本の構えだ。
「――――ふっ」
軽く気合いを入れ、フェンリルと正対する。
それを見たフェンリルは、ガタガタ震えたあと――――
「くーーーん」
と鳴き、尻尾は股の間に入れ、お腹を見せた。
「……あれっ。」
何もせずに、フェンリルが降参するくらい強くなっているのかよ、俺は。




