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閑話2 やらかした領主のその後

 私は、グラフストール=バルマス=ウェルミュ侯爵だ。いや、だったというべきかもしれん。元々は交易の交点で、領都であったウェルミュですら住民が激減した。今の人口は全盛期だった3年前の1割もいない。ここまで衰退したのは、乗りに乗っていた3年前当時の私のたった一つのミスだった。



 あれは、鉄道が開業する直前だった。ある話を聞き、私は王都に行き、メフィリア王女が総裁を務める鉄道院の執務室へ向かった。


「殿下!なぜ我が領を通らず、ナンユウゲキへと――――――」

「鉄道建設契約第3条、政治的に強引な鉄道誘致活動の禁止。あなたがやろうとしたことはこれに該当します。なので、ヤマト様は可能な範囲でナンユウゲキへと進路の変更ができないか調べたところ、可能と判断されたのでナンユウゲキを経由する路線へと振り替えたのです。」

「だが、ハーコンでは巨大な魚を献上したと――――――。」

「それについては、あなたからその質問がされると想定されて、ヤマト様から事前に回答をいただいています。『ハーコンの港で買った鮪を捌くのに町長の家の厨房を借りた。こちらで買ったものを捌くのに場所を借りただけなので賄賂には当たりません。』だそうです。」

「では、なぜなにもないユーフィなんぞに鉄道を向かわせるのだ!何か賄賂があったのだろう!!」

「ああ、あそこはヤマト様がニホンジンがオンセンに入るために作ったんです。実際にニホンから転生したという人がオンセンに行くか聞いたら即答で行くと言ったらしいですし、決定されたのはハーコン、ウェルミュと同時です。ヤマト様がユーフィに行ったのは建設計画発表の前にただの旅人として行ったみたいですね。そもそも鉄道の建設ルートはヤマト様が決定権があり、私たちは提案をするだけなんで、基準はヤマト様にしかわかりません。まあ、ウェルミュへは鉄道を建設しないでしょうから貴方には関係ありませんね。」


 私は唖然とするしかなかった。まさか他の場所は大したことはしていないのに、袖の下を渡そうとした私だけがこんな目に遭うのか……。


「……私は何を間違ったのだ。」

「領主館での歓待までなら問題なかったでしょうし、その後のウェルミュの北部まで伸ばしてほしいというのも検討してくれたでしょう。ただ一つ、買収と取られかねない行動を行ったからですね。」




 金を出そうとしたこと、たったその一つの行為が元でウェルミュが衰退することになってしまった。ちょうど、ドリュフェス王国西部から王都へのルートがこのウェルミュで集束していたため流通で発展してきたが、その地位から転がり落ちてしまった。我が領地の北部の鉱山からは良質な銀が産出されるが、今ではどこも見向きもしない。なぜなら輸送料がかさみ、他の土地の銀よりかなり高くなってしまったからだ。鉄道の力は凄まじいな。その恩恵を受けれなくなった我が領はどんどん衰退するだろう。


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