成長3
父から3週間ぶりにスウリと会えることを伝えられた。
喜びをそのまま表す三姉妹は遠出も相まってかなり浮かれて始終はしゃいでいる。
“散らばるな”
と注意されても
“お父様が遅いの!早く行かないとスウリが帰っちゃう”
“スウリは帰りませんよ。あなた達を待っててくれるわ”
母がスウリをこんなに信じているのは父の影響だろうか?
“本当に?”
父の話よりも母がスウリの気持ちを代弁したほうが効果があったようだ。
「チッタ!みんな!」
“あ!スウリ!”
“スウリ!”
“スウリ!”
“…”
仔竜達はスウリを見つけると、そこまで、森の色々な物にも目を惹かれていたが一目散にスウリの元へかけた。
ムラサキはとても会いたかったわけではない。けれど、1番に迎え入れられるべきは自分だと思った。
スウリは大きくなった自分達を両手を広げ、首に抱きついて迎えいれた。
スウリは泣き出した。
“スウリ泣いてる。”
“どうして?”
“着くのが遅かった?”
“ごめんね?”
ムラサキも思わず涙を舐めていた。
「なんでかな?あはは。会えて嬉しくてかな?会えなかったのが悲しくてかな?自分でもわかんないや。みんなに会いたかったよぉ。」
そして、父の足にも抱きついた。
「チッタ、ありがとう。ありがとう。またあわせてくれてありがとう。嬉しいよぉ。」
“ウールが気づいたのだ。最近のお前がぼっとしてることが多いと。仔竜のことを考えてるのではないかと。”
「なんだかんだ言っても私のお父さんね。後でお礼を言わなくちゃ。」
“スウリの後ろにいる人たちはお母さんとお父さん?”
振り返るとウール達も来ていた。
「ありがとうお父さん。仔竜達に会えて嬉しい。でも、良かったのかな?」
護りについている竜達は巣に仔竜がいないとわかっているだろう。竜騎士に知らせないだろうか?
ウールから今日は竜騎士達は隣町の市に買いだしに出る日だと聞いた。竜騎士は基本的に自分の相手しか乗せぬ。だから二組は市に行っておるだろう。”
「でも…今日はラコッタが空を周回してたわ。」
“それに…すでにあの3頭はお前が竜と話せるのをお前が子どもの頃ベラベラ喋りかけてたおかげで知っておる。それでも、相手に黙っているようハルワと私が王都にいる間に話し合っていたから守ってくれているものたちだ。今回のことも見て見ぬフリをしてくれるだろう。”
「不思議に思っていた。どうりで、スウリの子守をしていたヒサキ以外の竜騎士がスウリについて何も言ってこないはずだ。良いのか?絆の相手に隠し事など?」
“奴らも苦渋の決断であっただろう。だが、スウリのことは竜の間にも伝わる言い伝えにも関わってくる。知ってる人間が少ないに越したことはないとわかってくれた。”
ムラサキは多分そうなのだろうと思っていた。竜騎士の絆達の言動を振り返っていた。
スウリへの関心が他の人間より、下手すれば自分の絆の相手以上に高いくせに、ムラサキに対して今後どうするのかとかは聞かない。
まぁ聞かれてもどう答えればよいかわからないが…とりあえず、皆同じような関わりをしてくるので、示し合わせていそうだとは感じていたのだ。




