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竜に気に入られた乙女  作者: 相衣 律
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竜に愛された娘4

そして、スウリはしっかり約束を守った。

しかし、嫌な出来事は起こった。

その日もスウリは一人竜舎にきていた。

そして、薄ピンクの綺麗な竜、ハルワの横たわる顔の側でまどろんでいた。


竜舎について話すと、王都においては、王宮の裏手と市街地の外れに20戸ずつあり、檻のように見えるが、実際は鍵もついておらず大きな間口で竜がいつでも絆の相手のところへ行けるようになっている。つまり、人間と仕切られるものは何もないが、雨風をしのげるだけのようなところである。

そこに干し草を敷いてやる者もいれば、絨毯を敷いてやる者、何もいらないと言われた者、飾りつけて欲しいと言われた者、竜と竜騎士で個性を出し、レイアウトしていくのだ。


スウリは、ハルワ自体が綺麗なのはもちろん、ハルワの部屋はフカフカの絨毯が敷いてあり、ハルワの希望で大小様々、色とりどりな貝殻とシーグラスを簾にし、飾られてあって小屋自体もとても好きなのだ。

そして、父とハルワの絆の相手ヒサキが仲が良い上司と部下で、父と父の絆の相手チッタが任務で出かけている間はヒサキが連れて行ってくれてハルワと戯れるという日も多いことが理由でもある。



そこへ、この国の第一王子、齢8歳になるアスワルが5人ほどの共のものを連れ、初めて竜舎を訪れたのだ。

スウリが普通にハルワに触れているので、アスワル王子も触れようと思ったらしい。だが、竜は本来人と距離をとる生き物である。おまけに、ハルワは貴婦人のような性格をしている。初対面の者になんのことわりもなく触られたくは無かったらしく、触れられる手前でさっと座り直した。 

アスワル王子は気に入らなかった。

「なんでこの娘は触っておるのに、僕は逃げられなくちゃいけないんだ!」とグイッとスウリの髪の毛を力まかせに引っ張った。

スウリが「痛いっ」と叫んだので、ハルワはアスワル王子に向かって吼えた。他の竜もハルワを援護するかのように、アスワルを睨みだす。



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