仔竜10
「ご無沙汰いたします。ハミラ様」
「あらあらまぁまぁ。ヒサキじゃないの!
おじさんになったわねぇ!
おじさんは言いすぎかしら?今は…30歳?だったかしら。
あなたが来たのねぇ!
ウールったら馬で行くって言ってたのに、どこかで竜騎士に乗せてもらって行ったのかしら?」
「年は合ってますが、私は王都から派遣されたのではなく、たまたま近くを通っていましたらハルワが気になることが出来たというので、来てみたのです。」
「そう…」
ハミラはやはり紫竜の件は竜には筒抜けなのかと一瞬顔を曇らせたがすぐにごまかし、
「今はもう少将くらいかしら?ウールも立派になったあなたを見たらとても喜ぶわ。ウールが帰って来るまで居られるのかしら?」
「ハルワとの相性や配置が良かったのか、今は大将の役を任されております。一応ハルワが竜騎士が来るまで護る手伝いをすることに竜同士で決まったようです。」
「大将!?
大将って言ったら総大将のすぐ下の4人しかいない重要ポストでしょ?
大出世じゃないの!他の人に妬まれてない?
もうウールを抜いてしまったのねぇ。」
「ウール様が騎士を続けられていたらもう総大将をされてますよきっと。」
「あら、相変わらず人を褒めるのが上手ね。
スウリ、ヒサキに井戸の場所を教えてあげて。飲んだり、体を拭いたりいろいろあるでしょうから。
教えたらあなたは一度休みなさい。夜通しついてたみたいだし、疲れてるでしょう。」
「わかったわ、お母さん。」
「あの…こちらです。」
「あら、スウリったら他人行儀ねぇ。昔はヒサキヒサキってウールがヤキモチ焼くくらいくっついてたのに。」
スウリはいたたまれなくなって早足で井戸へ案内した。




