第九十九話 秩序なし
自己紹介も終わり、ID交換も終えた俺達。
時刻は午前零時十五分………いやはや、チュートリアルでは体感時間が加速することは知っていましたが、まさかこれほどとは。
ちなみにゲンテさんとアマネさんはここでログアウト。
明日は用事があるらしいです。
残ったのは俺、ツキちゃんシロさんヨウゲツさんトアちゃんエラくんアイギスさん………ええ、案外多い割にツッコミのいないカオスな空間形成が数秒でできそうな方々が残ったわけです。
「それじゃあ、残った皆でクエスト行かない?」
「お、いいな。こちらとら初心者だから、戦闘のコツとかも掴みたいしよろしく頼む」
………なんとなく疎外感。
ちょっとピクシーさんも苦笑しないでくれません?
「それじゃあギルド行こうか。何があるかなー」
そう言いながら、近場のギルドに入るシロさん。
さて依頼は………
『薬草採取 ランクE 報酬:100VC~』
『ゴブリン討伐 ランクE 報酬200VC~』
RPGでは定番の依頼が多くありますね。
そして流石『WF』。ユニークなクエストも多くあるんですね。お金についてはβと同じ………そりゃそうですよね。引き継ぎにお金の項目もありましたし。
『ガイドーリの遊牧 ランクE 報酬:1000CV』
『プロブレーマズィズィキの討伐 ランクD 報酬:5000VC~』
『プロブレーマヘローナの討伐 ランクD 報酬:2000VC~』
『プロブレーマクロウの討伐 ランクD 報酬:2000VC~』
『ペレカノスの討伐 ランクC 報酬:3000VC~』
『ククヴァイアの捕獲 ランクC~B 報酬:5000VC~』
ちょっと難易度高めな依頼を見てみると………はい。何ですかねこれ案件ktkr。
俺はそっとヨウゲツさんに話しかける。
「ヨウゲツさーん。これって………」
「んー? おぉ、さすが『WF』」
と、一人感心してしまいました。
………いや、どういうことです? 俺は説明を求めます。
「ヨウゲツさん? あの、意味がわからなくてですね?」
「ん? あー………そういやショウは、神話と文化にしか興味ないんだったな」
うわ失礼な言い方。神話メインですよ。文化は知ると神話への理解が深まるので最低限ですし。
とはいえ説明を求めるので、茶々は入れません。
礼儀は、必要ですからね………親しき仲にも。
「クロウは別にあれなんだが………あれらはギリシャの代表的な生き物だろうな」
「ユニコーンとかですか?」
「あー………それもだな」
ちょっと待ってな。と言い、ヨウゲツさんはメニュー画面を操作する。
数秒して、ヨウゲツさんは一つのURLを送ってきました。
それをタップすると、ブラウザが別窓で起動。とあるサイトへと移動した。
「………なるほど」
「ちなみにプロブレーマは………うん。『プロブレム』でわかるよな?」
ええ。この場合は『問題』ですね?
俺はスクショした画像をヨウゲツさん以外の皆さんに送る。
………いや、皆さん気になっていたのか、聞き耳たてていたんですよね。
「へぇ………」
「なんかショウ達といると色々学べるよね。無駄知識」
はは、それほどでも………褒められていませんけど。
俺達はそれぞれ適当なクエストを別々に受領して、それぞれで冒険の準備をする。集合場所として『アテナイのアゴラ』の北東部に位置する、俺のスタート地点へと戻るのだった。
あ、ちなみにスタート地点はアテネ全土ランダムらしいです。
ストックが無くなってきたぜ!(笑い事ではない)
無駄知識は最高ですよー? 使う場所がないので完全に自己満足な諸行ですが……この『人生を無下にしてる感』とでも言うべきモノが、私の知識欲の正体なんですよね。
【補足】
アテネとその近くの街のどこかが初期位置です。ゲーム内では街として扱っていない場所もあるので、そこは追々 (補足とは)。




