第九十八話 一番の混沌は……
全員揃って数分後、ピクシーさんことアーチエルフのパラスさんは解放されると共に、俺を睨んできた。
えぇ………俺に助けを求めたのは失策ですよ。異性のいざこざには首をつっこむなというお婆ちゃんからの教えがあるので、助けを求めるならゲンテさんかアイギスさんにすべきだったんですよ。
「まあ、一段落したんだし自己紹介しようぜ? 俺はヨウゲツ。種族は人間で職業は魔弓使いな」
次よろしくと、ヨウゲツさんはゲンテさんに目配せ。
んー? これ時計回り………って俺、最後じゃないですか? いいですけど。
「俺はゲンテ。種族はハーフエルフで職業は処刑人だ」
「………なあショウ。βテスターはあんなおかしいスタートなのか?」
「俺の周囲がおかしいだけです」
俺は事実をはっきりと述べる。
………三方向から四名くらいの冷たい視線を受けましたが、まあ俺は気にしません。自覚はあるので。
「我はアイギス。種族はドワーフで職業は偏愛紳士」
「………何その明らかにヤバそうな職業」
「ついでにドMですよ」
ヨウゲツさんがかなり引く。
というか、俺も含めて全員引いてます。
だって………あの人、バラされて少しだけ照れてるんですもん。
「あー、アタシはアマネ。種族は人間の職業は盗賊ね」
ほー、あの人がゲンテさんの奥さんですか。
ゲンテさん並に美形じゃないですか。美男美女夫婦だったんじゃないですか。末永い爆発を願います。
「私はシロ。種族は妖精猫で職業は幻想聖女」
「………名前からしてヤバいヤツやん」
「あれ? シロさんユニークスキル『懇願聖女』でしたよね?」
まあそれに関しては後で。
今は自己紹介ですね。ちなみにどこかヤバかったのかは聞きません。
「私はトア。種族は人間。職業は楽師」
へぇ、音楽系の職業ですか。トアちゃんらしいですが、興味深いですね………。
「ツキ、アーチエルフ。七色の魔女」
「あれ? もしかして同族………?」
俺は左隣に視線を向ける。
………ピクシーさん………いえパラスさん。驚きすぎです。
「オレはエラ。種族は人間で職業はテイマーです!」
おー、元気な子が来ましたねぇ………どことなく面影が。
まあ予想はしてましたけどね。彼、童話のシンデレラとか好きでしたし動物も好きでしたからね。
『元・VWOプレイヤー支援プログラム。ピクシーです。
プレイヤー名はパラス。種族はアーチエルフ。職業は魔術師です。
そして──』
パラスさんはポンッと小型の妖精になる。
『マリンです。種族は妖精で職業は特にないですね』
パチパチと、拍手が小さく響く。
そしてヨウゲツさんから耳打ち。
「………お前、何やったの?」
「押し付けられました」
ちなみに譲るつもりはございません。
………さて、最後は俺ですか。
「ショウです。妖狐なんですが陰陽師やってます」
「お前が一番クセが強いなあ!」
ヨウゲツさんのツッコミが炸裂した。
妖狐……人を惑わす悪い狐さん。
陰陽師……妖狐とか祓う人。安倍晴明とか。
要は『人を惑わす悪い狐の癖に同族祓うんかい!』ってことですね。書いた作者もどうしてこうなったと頭を抱えてます。
(※『狐=悪い動物』ではないので注意。安倍晴明の親は『葛の葉』という狐様でありますので、狐様を悪く言わないでください。これ、作者と稲荷神との約束です)




