第九十六話 合流します
烏帽子を被った神様と別れて、早数分。
え? 真名? 言いませんよ。
『それにしても、ショウさんは巻き込まれ体質ですねー』
「あー、否定はできないですねぇ」
集合場所までの道中、ふとピクシーさんが呟いた一言に肯定する。
本当、否定できないですからねぇ………まあ洋士さん達に巻き込まれることが一番多いですけど。
『スタート画面では特殊装備を手に入れ、種族はレア。チュートリアルでは運営さんに目をつけられますし、ゲーム開始後は早くもクエストを二つも受けているんですよ? それもSQ!』
「昔から巻き込まれ体質なんですよねぇ」
『マイペースですね!?』
そりゃあ、慣れてますからねー。もう日常茶飯事。
昔からのことですから、そこまで驚きがないんですよねぇ。
『まあ、ショウさんが気にしてないならいいのですが』
「そろそろ合流しましょう」
『ですね! では!』
ピクシーさんは妖精の姿になり、俺の髪の毛の中に紛れる。
あー………そういえばやるとか言ってましたねぇ。
とはいえ俺も賛成なので、そのまま待ち合わせ場所へ。
『………何だかんだで、ノリも良いですよね』
「だから巻き込まれるんですけどねー」
『あ、自覚は──おっと隠れときまーす』
会話って楽しいですねー。もう待ち合わせ場所に着いてるんですもん。
ちなみに待ち合わせ場所のマップ名は『アテナイのアゴラ』。
広場であるこの場所の南にある噴水で、俺達は待ち合わせをしています。
実はじっくり観光したいのですが………それは後回しで。
「ショウ! 早かったね!」
「そうですかね?」
先にいたのはシロさん。
………地味に装備が初期装備でないことに関しては、聞かないでおくことにします。
「ん………どちらかというと早い」
「色々ありましたからねぇ………」
俺はここ数分で起きたことを思い出す。
………悪徳運営に目をつけられ、運営から勧誘され、SQ二連で受けちゃって………あれ? 俺ってトラブルメーカーでは? 名乗れるかもしれないですねぇ。
「ゲンテさんが遅いことに意外感があります」
「それは私も思った」
もうチュートリアルも終えた頃だと思うんですけど………おや通知。
ゲンテさんから『今から向かう』………あ、ログインはしていたんですね。
「でもスキル選びで悶々としてる可能性もあるよねー」
「さっき『今から来る』とのメールが来ましたよ」
「おー、うわさをすれば何とやらだねー」
ですねー。
こんな感じで和気藹々と会話弾ませ、いつの間にか話題は先ほどのDF3生実況の話に。
「ショウ達のプレイ技術おかしすぎ! 環境の差なの!?」
「まあ………ははは」
「おにい、誤魔化さない」
………下手なこと言って墓穴掘るより笑ったほうがいいかなーという出来心だったんです。
とはいえシロさんの言いたいことはわかります。
ばあちゃんの家にはWi-Fi飛んでますし………無制限の高いヤツが。
洋士さんのヤツなんですけど、あれは高性能すぎます。
「まあまあ。全ては洋士さんが来てからってことで………」
「え、あの人くるの?」
「仕事はやい。さすがおにい」
いやぁ………褒められて嬉しいですが、たぶん洋士さんはその話題、嫌がりますよ。
まあツキちゃんはこれを気に蕩音ちゃんと仲良くなって………くれる未来が見えないのですが何故。
いつからなんでしょうねぇ………昔は姉妹のように仲良かったのに。
「よう。待たせたな」
「あ、ゲンテさん」
「我もおる」
巨大な体躯のゲンテさんの後ろからひょっこりと出てきた公式マゾの方。別名、装備偏愛者。
俺もこの人に関するスレはみたことありますねえ。
「俺達が最後か?」
「いえ、後二人………え?」
「? どうしたの? ショ……ウ………」
「? ………」
俺達は見てはいけないものを見てしまった。
筋骨隆々なおじさんの、まさかの姿を。
「「髪の毛がある!」」
「ん!」
いつの間にか百話まであと三話。
ちょっと最近はっちゃけ過ぎたので少し自重。伏せ字に休みを与えます。百話目で大爆発させる予定ですので先に言っておきましょう。百話でおみまいするぞー!




