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Various World Online  作者: 束白心吏
第二章第一節 ディオニュソスの獣
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第九十四話 更なる……

「えぇー………」


 そんなバカな。

 俺は『Quest clear!!』という表示を呆然と見つめる。

 ………え? 嘘ですよね?


『いやー、お疲れ様でしたショウさん!』

「あ、やっぱクエストクリアなんですね………」


 でも報酬いいですし………期待してもいいですか?

 いや、変な意味ではないですよ?


『いやぁ………無事クリアできてよかったです!』

「いやぁ………本当ヤバかったです」


 あれ、序盤の序盤でやるようなクエストじゃないですよね?

 というか『Deianira』って………。


『いやぁ………まさか適性レベル5のクエストをクリアするなんて流石ですね!』


 ………ん?

 一旦思考を止め、ピクシーさんの方を向く。

 ピクシーさん。『あ、やばっ』みたいな表情をしていますが………もしやね?


「ピクシーさん」

『………はい』

「知ってましたね?」

『………はい。で、でも! まさか起こるとは思わなかったんですよぉ!』


 半泣き顔で、ピクシーさんは訴える。

 ………うん。美少女は泣き顔も絵になりますね。


「いえ、責めてるわけじゃないですけど………なんで教えてくれなかったんですか?」

『そりゃ面白──いえ! 時間! 解説する時間がなかったんですよ!』


 いや、『面白』まで言っておいて言い訳とか………まあいいですけど。


「そろそろ行きましょう。シロさん達と合流して、驚かせましょう」

『いいですねそれ! それじゃあ──』


 ピクシーさんは緑色のワンピースを着た美少女に変身。

 そして『小型化』して………。


「いや、髪の毛の中に隠れるって………」

『古典的かもしれませんが、いいじゃないですか』


 確かに。

 とはいえ少しくすぐったいのですがね。


「──普通に後ろに隠れているのは無しですか?」

『アリですけど面白くはないですね』


 やっぱかーい。

 不慣れなツッコミは内心で。

 さて、そろそろ行きましょうか。


 ──と、移動を開始しようとした直後、犬の遠吠えのようなものが響きわたった。


「『今度は何ですかぁ!?』」


 二人同時に叫ぶ。

 ………ところで、ピクシーさんも数え方は人で大丈夫ですよね? 妖精とか数えたことないのでわからないのですが。


『くだらないこと考えてないで逃げま──きゃあっ!』


 ビターン! という音が聞こえてきそうなほど、見事に見えない壁に突っ込んだピクシーさん。

 一人だけ逃げようとかズルくないですか?


『ふんっ! 今宵は面白いモノに会ったなぁ』

「………はい?」


 声がした。

 俺は声のした方向を向く。

 そこには──


『ええい! 小賢しい! さっさとお縄につけ!』

『我は捕まらんし、お主では捕まえられんわ!』


 ──声高々に笑う狐と、その狐を追う犬がいました。

 なお、どちらも大型。

 ………えーと? 俺達、巻き込まれただけ?


「さ、さあピクシーさん。逃げましょう」

『そ、そうで──『待て待て、話は終わっとらん』──ひゃあ!』


 ………目の前に先ほどの狐さん。目の前に現れる。

 月明かりがシルエットになっていてわかりませんでしたが、いい毛並みをしてますね。

 ──捕獲!


『呵呵っ! その程度では、我のことなぞ捕まえられんわ!』


 俺の伸ばした手を、サッと身を翻し華麗に回避する狐さん。

 あー、残念………。


「──()()()()()()

『なあっ!』


 足を掴むと、黒い狐さんが驚いて声を荒らげる。

 ちょ、暴れるのはナシで………。


『でかしたぞ青年! 狐め! 覚悟!』


 意地で片足を掴み、決して離さない俺。

 そして暴れに暴れまくって、最終的に取り押さえられた狐さん。

 ………あ、ところでこれ、何ですか?


■■■■


『誠に助かった。感謝する』

「いえいえ、俺も善行を行えましたし、助けになれたなら幸いです」

『ハハハ! 面白いことを言うな! では、私はこれで失礼する………オイ! 早く来い!』


 犬の方が手綱を器用に使って、狐さんを引っ張っていく。

 うーん。シュールな光景。

 一応スクショして………よし。


「それじゃあ次こそ………」


「待ちたまへ。そこの狐」


 俺は猛烈な危機感に晒され、大きく後方に跳ぶ。

 そして暗闇に向かい抜刀の構えをとる。


「………私は、別にキミに害は与えないさ」


 そこにいたのは、平安装束に身を包んだ烏帽子を被った青年。

 ………え? 直衣(のうし)? いつから平安時代になったんですか。

 どんどんカオスになってきたね! いやっほう!

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