第九十一話 黒歴史なう
午後二十三時五十九分。
俺は『修正完了』のメールを受け、再び『VWO』の世界にログインした。
………確かOPがあるんでしたよね。
少し嫌な予感がしながら、俺はその時を待つ。
『修正完了したらしいですよショウさん』
「ですねぇ………早いですね」
『ですねぇ』
まるで待ってましたと言わんばかりの早さ………まあいいですけど。
俺は再び、スタート画面の草原にいた。
「………やはりkeep outが気になりますね」
『? 心臓という役割を果たしているあの?』
「誰も歌の『立ち○り禁止』の話はしてないですよ」
さすがピクシーさん。ボケも的確ですね。
俺の好みをよくご存知で。
『………ショウさん。この機器で動画観てたでしょう』
「なるほどです」
そういえば観ましたねー………そこからですか。
俺は再び『keep out』の場所へ向く。
………やはりある落とし物。
触れようと近づくと『準備中です』の文字。
変わりましたね。
『ちなみにそれ気づいたのはショウさんが最初ですよ』
「βのもですか?」
『そうですよー』
へぇー、結構気付きそうですけど………ん? 時間ですか。
景色が切り替わったことで、その時間が来たことを悟る。
『一応OPは九十秒程度のモノとなってます』
「アニメのOPですか?」
『まあそれらと同じ役割は果たしていますね』
へぇ………。
俺は霧で覆われた世界の中で、ただ頷いた。
そして、OP見て後悔しました。
■■■■
「あー、恥ずかしい。何ですかあれ!?」
『まあまあ………使われているのはショウさんだけではないですから………』
そういう問題じゃないのですよ!
確かに、他のプレイヤーの姿も映ってました! ましたよ? けれどですね──
「なんで俺、あんな恥ずかしい姿晒しているんですかねぇ!?」
──数回は、出てたんですよ。
あるシーンでは、俺がモンスターの首を狩る場面。
あるシーンでは、俺がニケ神殿で祈っている場面。
あるシーンでは、俺が人外の速度で刀を振る場面。
………はい。上から順に『レベリングの場面』『アテナ様から祝福をもらった場面』『ゼウス様と戦った場面』ですね。はい。
恥ずかしっ!
すごい恥ずかしいのですが!?
これ、洋士さんから親戚の皆さんに広まっていく典型的パターンじゃないですか!?
泣いていいですか!? いいですよね! うわぁあああああ!?
『………そんなに恥ずかしいですかね?』
「うぅ………もうお婿にいけないです」
『ショウさん一人っ子ですよね?』
そうですが何か?
「………もうお嫁を取れないです」
『いや、言い直せとは言ってませんからね?』
「そうですね。それじゃあ『keep out』を………」
『あ、始めないんですね』
始まってますよ? 俺からしたらですけど。
落とし物のある場所には、難なく届き、その落とし物に触れた。
触れた瞬間、ネックレスは消えてしまいました。
──『???の横笛』を入手しました
………そしてクエストの予感です。
笛は種。後々外見の説明があるので、もしよろしければ予想してみてくださいな。
……安直なのですぐバレそうですがね。




