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Various World Online  作者: 束白心吏
第二章第一節 ディオニュソスの獣
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第八十八話 チュートリアル リターンズ 『弓』編?

『これより、武器チュートリアル『弓』を開始──』


 突如、音声にノイズ。

 空間の一部に穴があき、そこから一つのアバターが降りてくる。


「………また、戻ってきたのか」

『ショウさんのお陰ですね』


 降りてきた人物は私に語りかけてくる。


「彼か………不思議な者だ」


 同意する。

 ショウさん………いえ、『ショウ』というプレイヤーは、NPCを彼と同じ人間のように扱う。

 故に、不思議に思う。何故? と。


『どこか、底の無いように思えます』

「やはりね。まあ元気にやれているならいいや。チュートリアルを始めようか………まあ、データを送らせて貰うだけなんだけど」


 そう言って、彼はメニューを操作していく。

 データが送られてきた。

 それは『弓』に関する必要な情報。

 そして──


『これは秘密………いえ機密情報のはずです』

「………必要なんだよ。必要なことなんだ」


 彼は苦虫を噛み潰したような表情で言う。

 ここに彼のプレイヤーがいれば、『折角の美形がもったいない………』と己のことを棚上げして言うことだろう。


「彼──ショウには『協力者』………いや、テスターになってもらう」

『………ショウさんのプレイ時間に支障をきたすようなら、却下しますが?』

「それは彼の判断によるね。そもそも、テスターになればお金は入るしゲーム内よりも時間の流れが遅いからね」

『………私は、交渉に協力しませんからね?』

「それだけ、ご執心ってことかな?」


 そう聞かれ、少し動揺してしまう。

 どうなのか………己に問う。

 ………。


『そうです』

「へぇ………」


 それは彼にとっても驚きだったようで、興味深そうに見ている。

 とはいえすぐに「あー、やめやめ。悪い癖だ」と止めたが。


「とにかく、僕はスカウトを行う。それに口出しは厳禁だ」

『ショウさんは一人の意見には執着しませんよ………』


 半ば受けると確信しながらも拒んだ。

 彼はにこやかに笑う。


「とても人間味が出てきたね。やはり彼は不思議だ」

『彼じゃなくて『ショウ』さんです』

「そうだね。僕もショウと呼ばせてもらおうかな」


 その後、ショウさんが来るまで、沈黙が辺りを支配する。その事に不快感は覚えない。だって、私は人工知能だから。不快だなんて、思わない。そう。人工知能だから………。

 チュートリアルをこんなに分割して描く小説、きっとこれくらいですよ。βのやつも含めれば軽く五話以上使ってますからね。

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