第七十二話 Calamity keraunosu 繧?≧髴翫?邇と光彩の魔女
魔法の連射で、意識が薄れてく。まさかこんなリアルだとは思わなかった。
沈んでいく意識の中、そんな事を考えた。
ふと、視界の端に映るMP残量を見る。
その残り………僅か数ドット。
このゲームでMP切れを起こしたら、通常の1.5倍の速度でMPが回復する。
しかし凄く疲労感がくる………らしい。私はなったことがない。
だが今、それに近い所まできている──バランスもとれず倒れていく。それを感じる。
「ツキちゃん。大丈夫ですか?」
そっと、背中に手を当てて支えているおにぃの姿が見えた。
「お………にぃ?」
「はい。俺ですよ」
おにぃはわたしを支えながら言う。
相変わらず格好いい。いつものことだけど、反則。
「大丈夫ですか?」
「………少し、目眩」
そう言うと、おにぃは串焼きを取り出してくれた。
「食べられます?」
「まだ……無理」
おにぃはわたしがそう言うと、お皿を取りだし串から肉を取る。
「それじゃあ少しずつ食べさせますよ……はい口開けて」
箸も取り出して、私に『あ~ん』を行う。
「………回復してきました?」
「ん」
おにぃのお陰で復活。
気力とか魔力とかが。
『生きてるか?』
ゲンテから一言チャットで来る。
「俺は無事ですよ」
おにぃが横で返答する。
『私も無事だよー』
次にシロが。
「ん」
アイギスは最後。
『我があんな矮小な攻撃に殺られるとでも?』
私は皆のいつも通りさに、安心感を覚える。
気がつけば、MPが半分以上回復していた。
私は立ち上がり、もう一度杖を構える。
「あ、ツキちゃん。これを渡しておきますね」
そう言って、おにぃは『MP回復薬』をくれる。
「ツキちゃんも頑張って下さいね」
「ん」
見返りを求めないのはおにぃらしい。
そこが格好いい。惚れる。
でも離れていくのは寂しいの。
私は貰った『MP回復薬』を一本飲み干す。
おにぃの回復薬は店売りのモノと違って苦くない。
フルーツの味がするし、効果も高い。
「また………いける!」
気合いを入れ、杖を構えなおす。
私の今出来る事をおこなおう。
「《彩るは水の恩寵・その水は甘美にして毒である》」
私の今出来る事──それは『極彩杖』の固有アーツを使った『オリジナル魔法』を使う事。
ちなみに、今から使うのは、『極彩の雨』という様々な状態異常を攻撃に付与する『極彩杖』の最高級補助魔法。
この魔法に水属性上位補助魔法『水禍の凶行』という『水魔法』Lv8で覚えることが出来るようになる魔法を組み合わせる。
効果は『拘束』。
複合魔法の名前は『禍凶の彩雨』。
私の魔法はゼウスに全て着弾し、『麻痺』『拘束』の状態異常を引き起こさせた。
サブタイの文字化けは以下略。
遂に物語も佳境………実は作中の『禍凶』は『佳境』と掛けていたりします。遊び心です。
もともとは『凶禍』と『鏡花』とで掛けよう。ショウとツキのペアルックだ! みたいなのを考えていたのですがね………。




