第七十一話 Calamity keraunosu 恐怖心と『楯』の名を冠する紳士
何なんだあの攻撃は!
我は攻撃をその身で受けた者として、その感想しか出ない。
先の攻撃での死傷者は数十人。貴重な前衛壁戦力を多く失った。
『無事か?』
ゲンテ殿からのパーティー・チャットからの通信。
『俺は無事ですよ』
ショウ殿に先を越されてしまった。
『私も無事だよー』
『ん』
ふっ………全員に越されるとはな。
『我があんな矮小な攻撃に殺られるとでも?』
堂々と言う。
内心は凄くビクビクしている。
そりゃあそうである。我は恐ろしい攻撃を間近で受けたのだから。
一先ず我は【ヘイトダウン】というただ敵から向けられるヘイトを減少させるアーツを使う。
今ので鎧の耐久が大変になったのだ。
装備の変更の為、仕方のない事である。
『…………ふん、どうやらまだ死んでいない者もいるのか』
ゼウスはそう言って右手にエネルギーを溜めている。
あれはゼウス単体の神話に詳しくない我でも分かった。
──死ぬ。
と。
しかし思ったところで意味は無いのだ。
己の勇気を振り絞り、回避する。何度も口の中で反芻するが、これから来る『未知の攻撃』への恐怖は、それをも呑み込まんと刻々と増大していく。
『………燃え尽きろ『雷霆』』
眩いほどの光を放つ。
それはゲンテ殿に吸い込まれるかの様だった。
だが、それをゲンテ殿は避けた。その口元には笑み。
「ま、まさか………先の技は『ジャストステップ』?」
ゲンテ殿は『回避』スキルのアーツを会得していたのであろうか?
まさか、だが、それでは…………。
「か、隠していたのか………今の今まで」
いや、違う。
そうか、使う場所が無かったのか。
その思考に、自然と納得してしまった。
例えば一番激しかったショウ殿との対戦時──あの速度で放たれる剣撃を『ジャストステップ』で回避しても、アーツ直後に斬られるだけであっただろう。
「………我も、気合いを入れねばな」
装備を変更する。
先ほどまで着ていた防具に二段は劣る代物だが、無いよりはマシである。
「さあ、我は──天敵がここにいるぞ! ゼウスよ!」
とりあえずノルマこと、文字数千文字いかなかったので、19時頃にもう一話投稿します。




