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Various World Online  作者: 束白心吏
第一章 βテスト編
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第六十八話 オープニング

 広場の周りには、雨雲がかかっている。


 イベント開始時刻数分前に、その出来事は唐突に起こった。

 晴れていた空を雲が覆いはじめ、今は時々雷が鳴っている状況。

 俺達プレイヤーは二、三回雷が鳴って以降、そこまでビビる人がいなくなりましたけど。


《Ladies and gentleman boy and girls──皆様、おー久しぶりに御座います》


 突如、広場の中央に大先生登場。

 多分あれですよね………転移……ですよね? お辞儀しながらって。

 俺は登場の仕方への苦笑を堪えて、話に耳を向ける。


《さあさあ皆さん! ついに、つーいーに! ラストイベント《災禍雷霆カラミティ・ケラウノス》の開幕だー!》


 そして、やはり大歓声。

 うぅ、屋根の上に移動したいです………。

 それはツキちゃんも同じだったようで。


「(おにぃ、避難、しよ?)」

「(………この大衆の中をですか?)」

「………」


 ツキちゃんも遂に悟ったのです。俺達に逃げ場は無いと。

 そして悟ったところで、逃げ場はないことに変わりはないのですが………はい。やっぱ逃げたいです。


《うん! いい返事だねー! それじゃ、本日の主役(ボス)に登場してもらおう!》


 そう言って、登場位置から結構離れた大先生。

 ………ごめんなさい。何か展開が読めますが、これって絶対にかみな──


 突如、俺予想を遮るように、極光と轟音を共に雷が落ちてきた。

 それも広場の中央に。


 中央付近にいたプレイヤーは落ちてきたときの爆風で飛ばされそうになっていました。

 離れているここでも結構な強風でしたもん。中央にいたらどうなっていたことやら………。


『a……aa…………aaa…………aaaa…………aaaaaaaa』


 声が聞こえます。しかし姿は煙で見えない。

 そしてゼウス様のセリフが終わるのと同時に、視界に《Last Quest:Calamity Keraunosu》と出てきた。

 その文字は数秒で消えて《Quest start》という文字に変わった。

 これは戦闘開始の合図ですか。


『Aaaaaaaaaaaaaaaaaa!』


 咆哮で煙が晴れ、ゼウスの姿が見えるようになった。

 俺達くらいの大きさのその姿は、この世の全てを呪っているかのような姿だった。

 赤黒いが、どこか神聖さのある鎧。

 右手には鎧と同色の槍──あれが『雷霆(ケラウノス)』なのでしょうか………禍々しい。

 眼からは殺気が溢れでており、本気で人類を滅ぼす気なのがわかひます。


 ただ、少々Fe○e/z○roのバーサーカーさんである『湖の騎士』に似てるのは気がかりですが──まあいいです。


『止めて下さい! 我が王よ!』


 ゼウス様が歩き出すその前に、ゼウス様のような合成音声感のある、けれど感情的な高い声が響いた。

 咄嗟に、全プレイヤーがそちらを向く。


 先ほどの混沌(カオス)の中ではシルエットだけだったヘーラー様、その後ろには他のオリュンポス十二柱の神々がゼウス様に跪いていた。


『a………aa……ヘー………ラーaa………』


 ゼウス様は仮面ごしでも分かるくらいに渇いた声でヘーラー様の名前を呼ぶ。

 あ、ヘーラー様から哀愁感が…………。


『ゼウス様。我が夫。どうか……どうか目を覚まして………!』

『aa………ヘ………ラ………』


 どんどんゼウス様は渇いた声を出さなくなっていく。これって負けイベントなんじゃ? って心配なんですけど………神様、死にませんよね?

 俺は神様に倣って二柱から距離をとる。

 勿論パーティーメンバー全員で。


 そんな事をしている内にも、どんどんゼウス様の声は小さく、少なくなっていっている。


『──ゼウス様! どうか………どうか………』

『aa……………ああ………目が覚めた』


 ゼウス様はついに、正常な声を出す。

 は? 普通に美声なんですけど。


『………やっとお目覚めになられたのですね!』

『ああ、お前のお陰で目が覚めてしまった』


 ゼウス様の言い方にはどこか怒りが混ざっているように感じるのは気のせいですかね?


『………そのような言い方は無いと思いますが?』

『そんな訳ないだろう? 貴様に我の何がわかる』


 あれ? なんか夫婦喧嘩になっているような………。


『──そもそも、そっちも悪いとは思わないのかしら? ほら、あの時だって──』

『──あーはいはい。すいませんでしたね。だがなぁ──』


 ………どんどん夫婦喧嘩がヒートアップしていく。

 プレイヤーさん達も呆れてますよ。


『──それに我は人類を滅ぼさなければならん。貴様の話はその後に聞こう』

『駄目よ。たかが信仰が減ったって理由だけで滅ぼすのはナンセンス。子が親のもとを離れて行くのを止める親が親失格なのとおんなじよ!』


 本当に熱弁ですね。ヘーラー様。

 少し頷いているプレイヤーさんも………あ、ゲンテさんも頷いてる。やっぱ父親しているんですねぇ。


「ねえねえショウ。なんでゲンテも頷いているの?」


 そっとシロさんが問いかけてくる。

 あれ? 言いませんでしたっけ?


「お子さんがいるらしいですよ。ゲンテさん」

「へぇ………」


 シロさんは夫婦喧嘩に飽き飽きしているのか、少し憂鬱そうに言う。

 いや、本当に面白い答えじゃなくてすいません。


 俺も実は飽きていますがね? どんどんヒートアップしてきて、ついに戦闘ってところまでくるのに十数分かかった。


『………これ以上言い争っても時間の無駄ね』

『そうだな。戦で決着をつけたほうが効率的だ』


 そうして、ついにラストイベントの戦闘が始まった。

始まりましたはボスイベント。災禍雷霆と書いてCalamity Keraunosuと読む………次回からサブタイにイベント名が用いられます。

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