第六十五話 やはり、類は友を呼ぶ
ニケ神殿内には、シロさんツキちゃんゲンテさんアイギスさんの四人が集まっていた。
ツキちゃんが俺を見つけてかけよってくる。
相変わらず早いですね。気づくの。
「おにぃ、どこいたの?」
「宿屋です」
嘘ではないです。本当です。
まあ鍛冶の神様ことヘーパイストス様を探していたことは秘密ですよ? まあ気づいちゃっても教えませんけど。
俺とツキちゃんは皆のもとへ歩く。
………あれ? なんかゲンテさんとアイギスさんの装備が変わってますね。
ゲンテさんは布系装備の上に金属製の胸当て、その他の場所に薄く鉄を仕込んである装備だったのですが、今はプレートアーマー………全身鎧。なんかアイギスさんとか好みそうな装備。色が金色なのは……目立ちますよね。無駄に。
勿論アイギスさんもプレートアーマー。そしてもう顔も鎧を装備しちゃっている。
早すぎです。
「ゲンテさんとアイギスさん………装備変えたんですか?」
「ああ、変えたぜ。最高級装備にな」
「へぇ……」
ゲンテさんが『最高級』なんて言葉を使う……これは本当のことのようだ。
「まあ、お前さんの『専用装備』には負けてるけどな」
「これは『SQ』の報酬なんで」
まあ生産スキルもその『SQ』で一気に上昇したんですけどね。
何たって刀と鞘も作ったんですから。これは正当な報酬だと俺は思うわけですよ。
「……ああ、あの『刀鍛造クエスト』って言ってたやつか?」
「そうですよ」
実は今回の鍛冶屋周りであのじっちゃんの鍛冶屋は少し入り難かったです。
いや、マジです。何が起こるか分からないです。まさにビックリ箱な店ですもん。俺にとっては。
「え? それって鍛冶屋さん? あの小さいお爺さんが営んでいる」
「……そこです」
シロさんの質問に、俺は少し鬱に答える。
これは仕方ない反応なんです。許して………。
「シロさん。本題」
「あ、そうだった」
ツキちゃんの言葉で、本題とやらを思い出すシロさん。
いや、本題って………。
俺は少しゲンテさん達と顔を見合わせ苦笑する。
そんな俺達を見てブスッとしている女子二人。
「……何か三人って仲いいよね」
シロさんが今更な事を言う。
「そりゃそうですよ。『WF』の常識人とは仲良くしたいですし」
俺は常識人の一員。常識人との交流はかかせない訳で………。
「お二人もどうです? 結構楽しい話ですよ」
ちなみに会話の内容は『武器』三割『防具』三割『神話』四割。そんな話題……本当に楽しい話題ですよ。
そんな俺の言葉に、首を横にふるシロさん。頷くツキちゃん。
「……話題、気になる」
「今はさっきまでの続き――防具の話ですよ」
そしてまた雑談がはじまる。
ゲンテさん達と装備の見せあいしたり、武器の見せあいしたり…………そう言えば「ツキちゃんに三角帽子は作らんのか?」と聞かれた。
いや、確かに三角帽子はツキちゃんに似合いますけど、でも素材が無いんですよ。
「ちょっとー。今日何しに集まったか忘れなーい?」
「? …………そう言えばそうだな?」
「ゲンテさん。あの………なんの集まりですか?」
俺はゲンテさんに聞いてみる。
何故か? なんで集まったのか知らないからですが?
しかし、ゲンテさんも──
「うん。俺は普通に『集まれ』って呼び出された側だから」
「ゲンテさんもですか」
「ああ、お前もか?」
「はい」
じゃあ、あの三人が招集した側で、俺とゲンテさんが招集された側なんですね。
………いや、本当に何で集められたんですか?
「じゃあ、私達からゲンテさんとショウにお願いがあるんだけど………」
「? 何ですか?」
「? 何だろうな?」
「…………あの、私達に『ゼウス』の伝承などを教えていただけませんか?」
ああ、そういう質問でしたか。
俺とゲンテさんは承諾しましたよ?
余談
ショウ「ゲンテさんも神話好きだったんですか?」
ゲンテ「そりゃあお前……俺も『WF』ユーザーだからよ」
全 員「なるほど」
ゲンテ「解せない」




