第三十八話 余裕? ないですよねぇ…
『ではまず『★評価』のランキングからいくよー!』
またまた歓声があがる。
あぁ、引きこもって生産活動を行いたいです………なんてそんな事を思っても、この広場から出る事はシステム的に無理ですし、ログアウトは宿屋で寝ないと出来ないですし………設定でどうにかなりますかね?
『まず『★評価ランキング』は『どれだけ★で評価をしたか』が対象となるランキングだよ。買ってもない物を評価しても意味はないからね? そして一つの物品につき評価は一人一つまで。二回評価したいのなら二つ買いな! ってことだね!』
………歓声があがる。
とりあえず音量制限という項目はありました。初期設定は制限なしなので………まあ十人くらいで。フレンド優先です。
それにしてもやっぱあれですか? 『WF』のゲームだからですか? 自分も大概だと思っていましたけど………俺はここまではいってないと思いたいです。
『はーい落ち着いて落ち着いて! 私に喋らせてー!』
しーんと静まる俺達プレイヤー………たぶん全員黙りました。たぶん。
話は変わりますけど、本当に『WF』の発想は凄いですよね。
ちょっと斜めに飛んでいってしまう事もありますが、絶対に悪ふざけだろってくらいに細かい所ですし、イベントも絶対ニヤニヤしながら作ってますよ。プレイヤー目線で。
最近ネットニュースで『某大手ゲーム制作会社 共同開発した運営『WF』を批判!?』という記事もありました。
どんどん『WF』のゲームをやりたいって人も出てくるでしょうけど、残念。もう『WF』は『VWO』にその変態性を全て捧げてしまったというね………まあ制作『WF』で運営が別なら生きているのですがね。
まあきっと、現在進行形で『某大手ゲーム制作会社』の『VWO開発監督』的な人が頭かかえて「コイツら………もうヤダ」とか言っているはずです。
きっとというか、絶対にですかね?
『それじゃあ第三位と第二位を一気に紹介するよ!』
ピクシー大先生様の横に、『第二位 ○○』『第三位 ○○』と、文字が並ぶ。
ワオ、新しい発表の仕方をここでしてきましたよ。
しかしドラムロールは同じな様子。
『はい! 第三位は『ケージ』! 第二位は『ユイ』だよー!』
だから歓声がうるさいです。というか制限してるのに………シロさんあなたもですか。
隣で見ていても楽しんでるとわかるくらい大声を出しているシロさん。いったい何処からそんな声を出してるんですか? 俺、気になります。
それはそれとして、これはもう時間に収める気も無いですよね。きっと『WF』の差し金でしょう。
………運営さん。まだ正気を保っている運営さん。頑張って。これから正規サービスになってもSAN値直葬だけは免れてくださいね………。
俺は心の中でエールを送る。
まあ俺も『WF』信者で暴走をする側ですけどね! 俺達も運営もブレーキが無ければ何処までも突っ走りますから! いや、前科もありますから! マジで!
………あの時はマジでやり過ぎたって皆で反省しました。掲示板で。
『さあ! 一位の発表だよ!』
ドラムロール入ります。
ここは変わらな──いえ、少し音が変わってる?…………絶対音感はないのでわからんです。
やっぱ深く考えて遊んじゃ駄目ですね………流石『WF』。深く考えずにバカになってやる方がいいようなゲームの量産をしただけの事はありますね。
『第一位は『グレム』! 君だぁ!』
知らない人だ。やっと知らない人が一位に。
印象としては太った中年のおっさん。
このゲーム、体格とか性別は変えられないんだよね。
『それじゃあグレムさん! 一言お願い!』
「……飯は美味いし小物もいいし、何より浴衣を着て祭りに行くのはゲームであるという事をさっ引いても楽しかった――」
その後、この一言というなのお祭り総合評価は、30分程続いた。
『──は~い、ありがとーございましたー。それじゃあ次いくぜ! 次は『感想』ランキング! このランキングは『どれだけ適切な感想を書いたか』ってのが基準。まあ人によって感性に違いとかあるから、結構曖昧な所もあるよー。では第三位と第二位の発表!』
どんどん時間がおされているのが分かります。
きっとグレムさんの話は『WF』でも予想できなかったんですね? 『大手ゲーム制作会社』の皆さん (未だに正常な判断力・思考力を持ってる人)は、さぞ嬉しいでしょう。
そして『WF』と、その変態達に染められた人達は、きっと唸っているでしょう。
俺? 後者ですがなにか?
『はい、第三位は『シズカ』! 第二位は『クミ』だよー! やっぱ女子の方が感想書くの上手いねぇ!』
ピクシーさん。無理してるの分かりますよ。声で。
きっと数名、ピクシーさんに休暇を………! と、強く願っている信者がいるはずです。
俺も応援してます! 絶対に『WF』に屈しちゃ駄目ですよ!
『はい! それじゃあ第一位の発表! 第一位は──』
あれ? さっきから大歓声が聞こえない。
ピクシーさんの司会の技量の上達? ま、まさか、司会スキルが上達してるとでもいうのか………っ! まあしますよねー。あれ? ピクシーさんってNPCなのでは?
深く考えるのは後にして、俺は第一位をみるために、それを祝うために、立ち上がって伸びをする。
『第一位は『ツキ』! 君だぁ!』
きゃああああああああああああああ!
ビックリしました! 滅茶苦茶ビックリしましたよ!
ここで幼馴染みのプレイヤーネーム投下するとか何やってんですか? 泣きますよ?
『はい! それじゃあツキちゃんにも一言お願いするよ?』
あれー? これ本当に時間大丈夫ですか? ちょっと心配なんですけど。
現在ゲーム内時刻は23時18分。
現実時間で23時半過ぎ。
………やっぱ初日から詰め込みすぎじゃないですか。
スポットライトを浴びるツキちゃんにマイクが握らされる。
うわー涙目。めっちゃ観客喜ぶじゃないですか。
俺は喜びません。頑張ってください! ツキちゃん!
「…………………」
『だ、大丈夫? 無理………かな?』
ピクシーさんが凄い焦っているのが分かる。
しかし緊張しているツキには聞こえない。
「………ど、どの屋台のひ、人もっ、や、優しく接してくれて……」
少し声が裏返ったりしながらも、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
頑張れツキ。あとでご褒美に何かしてあげよう。
「………と、とても嬉しかったです………」
ワァ! と歓声があがる。
俺も思わず拍手した。
よく頑張りました。恥ずかしがり屋なツキちゃんが、よく視線に耐えられました。これは感動モノ………あのすいません。シロさんその視線俺は辛いです。睨まないで………。
『……ありがとう、そ、それじゃあ最後! 『買い取り』ランキングー!』
あ、やっぱ最後はそれなんですか。
説明を聞き流しながら、俺はツキちゃんにメッセージを送り現在地を確認。
意外と近くにいたようなので、すぐに合流します。
合流して、ツキちゃんが泣きついて来た時は驚きましたが、今は背中を優しくポンポンしている。
「よく頑張りましたね」
「……ん…………」
元々話すのが苦手なのにあんなのやらされりゃあこうもなりますか。
俺は優しく、ツキちゃんが泣き止むまで待つ。
『それじゃあ、第三位と第二位を発表するよー!』
そしてそんな空気をぶち壊すピクシーさんの司会と場の大歓声。
いつの間にかどんよりとした空気は消え、ツキちゃんビクリと反応。泣き止んでいました。
俺とツキちゃんは少し苦笑をして、適当にベンチに座る。
そして、何故か持っていた串焼きを一緒に食べた。
やっぱ買いすぎましたね、おっちゃんのとこの串焼き。
「………美味しい」
「よかったです。少しは元気になりました?」
「ん」
ツキちゃんも元気になった。
やはり食は偉大ですねぇ。
『──それじゃあランキング第一位!』
あのドラムロールが鳴り始める。
「……第二位と、第三位、聞いてなかった」
「そうですね」
まあ串焼きは美味かったので反省はしてないです。食は偉大ですからね (二回目)。
そしてランキングよりもツキちゃんを慰る方を優先しちゃいましたけど、ゲンテさんが見てるでしょう。後でこっそり聞いておこうかと。
『第一位はシロ! 君だぁ!』
…………………またフレンドかー。
もうここまで来ると驚く気も失せますね。
そうですか………本当に全店制覇をしたんですか。
だから値切りをしまくってたんですね………納得です。
『じゃあシロさん! 一言どうぞー!』
「はーい! 全部の屋台を制覇する事が出来てよかったです!」
観衆から、歓声と笑いが起こる。
ツキちゃんは「シロさん………凄い」って言ってるけど、ツキちゃん、あれは真似ちゃいけません!
『ありがとー。まさか全店行く人がいるとはねー。そしてシロさんだけど、感想も好評! 一応ベスト5には入ってるよー』
おお、後でシロさんの感想も見よう。
あ、シロさんからメッセージ送られてきた。合流ですねわかります。
『それじゃあ今宵の目玉イベント! 『オークション』始めるよー!』
待ってました。
俺はオークションでも少し売った。
いくらになりますかねぇ。
『それじゃあエントリーナンバー1番から──』
俺が出品した浴衣は好評で、結構稼ぐ事が出来ました。
結果発表の詰め合わせ 3000円
いや大体だからもしかしたら四千文字いってたかも…三千五百文字くらいか。
とりあえず、これで前夜祭『Iris』は終了です。




