第二十三話 まさか続いていたなんて…
ヘルトさんと別れた後、暇をもて余した俺は広場のベンチでメニューを開いき、アイテム整理や未読のヘルプなどを見て時間を潰していた。
その時、こんなものを見つけてしまった。
それはたまたま『Quest』の文字の横に『NEW!』の文言を見つけてしまったことが発端なのですが………とりあえず内容を見ましょう。
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シークレットクエスト:狩人の心得
1.ヘルトの元へ向かう。Clear!
2.ヘルトと一緒に森で狩りをする。Clear!
3.ヘルトを街まで送る。Clear!
4.ヘルトと共に???へ行く。
5.???に???を教えて貰う。
制限時間:なし
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どうやら『狩人』スキルはシークレットクエストでしか入手出来ないものらしいです。
それじゃあ、次はこれを頑張りますか──って言いたいところなんですけど………。
これ、詰んでないですか?
………え? ヘルトさん帰りましたよ? もしかして何か忘れられているんですかね?
まあ出来ないのならこれは置いといて、今はレベリングを頑張りますか。
と、メニュー画面を閉じ、俺は広場のベンチから立とうとした。
「おお、すまんのう少年。一つ忘れておったわい」
「え?」
後ろから声をかけられた。
驚いたんですけど………しかし、俺はその声に聞き覚えがあるのですが。
「? どうしました? ヘルト師匠」
後ろに振り返りながら俺は質問する。
あれ? さっき『疲れたわい』とか言ってましたよね? 今普通に一人で来てますよね。
「すまんのう少年。言い忘れておった。ついてきなさい」
「は、はい」
多少というか、色々疑問は覚えていますが、俺はクエストの進行を優先することにしてヘルト師匠の後に続いた。
ヘルト師匠が俺を連れて来たのは所謂『解体場』であった。生産場とはまた別の所にあり、分かりにくいというかプレイヤーだけで見つけることは不可能に近いと言いますか………。
「お~い、デルトンはおるかい?」
師匠は容赦なく戸を開け、解体場に入っていく。
俺もそれに続く。
解体場の中は、生々しさもありますが、でっかい『厨房』って感じが近い気がします。
何人分かの机があって、そこで解体をおこなうっぽいです。
解体をしていた人の一人が、ヘルト師匠に気づいた。
「ん? ヘルトの旦那か。どうした?」
「頭はおるか? 久しぶりに良い弟子が出来ての──」
師匠は雑談を開始する。
………てか師匠。恥ずかしいですから、俺の話は………俺の話は止めてください!
いや、分かる。わかりますよ? 師匠が弟子の事を褒めたくなったり他人に自慢したくなる気持ちはよーく分かるんですよ?
でもですね………でもですよ? そんなに皆に言いふらさなくてもいいと思います。
──ガチャ
突然、『解体場』の奥の扉が開かれる。
そこには真っ白い髭で首から下が見えないような、小柄だけどとても筋肉質な人がいた。
「ドワーフ?」
「!?」
その人は俺の呟きに反応した。
一体どうしたのでしょう?
たまにしかMMOやらないんだけど…「あれ? これ詰んでね?」ってなるクエストない? 再ログインすると進むんだけど──みたいなヤツ。




