第二十一話 御守りを作りました
「………ギ、ギリギリ完成………………!」
俺は『生産場』の裁縫部屋で一人達成感に浸る。俺の他には誰もいません。
ちなみに情報料を何度も保留していたゲンテさんに、俺の作った『浴衣』の事と作ろうとしていた『御守り』についての情報をわたしました。
それでゲンテさんの分も御守りを作る事になったのですが………なかなかに難しかったわけです。
「まさか『祝詞』を使うとは………」
染々と呟いてしまう。
ユニークスキル『陰陽師』を習得すると共に出てきたアーツ『祝詞』というランダムで高性能な付与をするスキルを使って、俺専用の御守りを作った。というか『祝詞』を使わないと『御守り』にならないですね。
ちなみに御守りの効果は『害のある幽霊しか見せない』というもの。
スキルの名前は『霊症軽減 (特殊)』なんですけどね。
いやぁ、善良な霊と長話をしたことがあって、その経験から、こういう効果をつけたんですけどね。
俺はそれを装備の『万華刀』につけておく。
これからゲンテさんに見せるし、その時他のプレイヤーにもバレるしいいですよもう。
研究の為にどっさり作ってしまったので、ゲンテさんに全部あげよう。
金になるだろうし。
■■■■
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁあ!」
「ゲンテさんうるさいです」
俺は耳に指で栓をして言う。
あと、周りのお客さんに迷惑だし俺にも迷惑です。
お客さんが集まるでしょ。
現在俺とゲンテさんは店の隅でお話をしていた。
っていうかもう集まっているね。人。
「い、いや! お前、この『お守り』の多さは………まだアクセサリー系統の装備は生産が安定してないんだぞ!? それも全て品質もいいし」
「いえ、お世辞は止めてください」
いや、世辞じゃねぇよ。と言って俺の姿に目を向ける。
まあ『祝詞』のアーツが凄かっただけです。
「それに、浴衣も作れるって………………お前、どういう生き方してんだ?」
「そりゃあ………まあ、祖父のせいだと……」
「どういう意味だい?」
ゲンテさんはにやけ顔で言う。
絶対ネタにされるよもういやですよぉ。
「じ、実は祖父は多才でしてね、孫の俺が可愛がられて? 色々な経験させてもらいました」
「…………」
あ、ゲンテさん絶句してる。面白い。
でもそれじゃあ話がすすまない。
「あの、ゲンテさん?」
「……………」
「ゲンテさ~ん」
「…………」
「………ていっ」
「はっ! 俺は一体……」
いや、絶句してただけです。
俺はゲンテさんの禿頭にチョップをして復活させました。
「………すまん。つい驚きでな」
「いえ、いいですよ………」
「ん? どうした? なんか元気がないが………あ、すまん」
俺は指で少し離れた所からこちらを見ている人を指す。
………嫌だ。
「………ゲンテさん。この浴衣はゲンテさんが作ったものって事にしませんか?」
「………おう、今回は俺の失態だ。いいぜ」
俺達の無駄な時間が過ぎていった。
無論、俺は初期装備で帰宅。
話し掛けられても適当にはぐらかしました。
いつか掘り下げたい話………ちょこっとだけ書いてるんだけどね (そういうことしてるから整理する必要が出てくるんですけどね)。
あれ? でもそう考えていくと、これって一章ガチャみたいな扱いになるのかな? まあ人気がなかろうと書くけどさ。




