第十七話 採取します。採掘します
ゲンテさんの店を出た俺は、レベリングではなく『採取』と『採掘』をするために山の麓の森に来ました。ただ単に、レベリングの気分じゃなかっただけですけどね。
採取や採掘は、ピクシーさんがチュートリアルで言っていたように、何故か光輝いている場所で出来ました。
この為にあれですよ。俺は『採取』と『採掘』を合計4ポイント使ってとりましたからね。とても効率良く出来ますよ。
ちなみに採れるのは、森の中で上質な薬草やクモの巣です。
ただ、気になる点が一つあるんですよ。
なんとこの森………墓があるんですよ。
探索していたら偶々見つけたのですが………採取ポイントがあるんですね。そこから『布』とか見つけてしまいました。
そんな訳で俺は現在、墓にいます。
「………雰囲気だけはありますね」
一人呟く。
誰もいない。心なしか、何か周りが暗くなってきた気がします。
何故か吹く風も不気味に思えてきてしまいます。
──ゴオォォォン!
「!?」
突如、後方から轟音がした。
恐る恐る振り向いて見ると………。
何もいませんでした。
「………いったい何ですか?」
もしかして幽霊とかがいて、それらが「来てはいけない」と警告しているのかもですね………いやまあ妄想ですし、危険かなぁ。と思って逃げるだけなので臆病者という称号でも甘んじて受け入れましょう。
………帰りますか。
俺はもと来た道を戻る。
ここで幽霊とかの遺品があれば信憑性増しますよね。俺の想像。
「ふぅ………なんか不気味な場所でした」
俺は山に登って『採掘』をしながら先ほどの出来事を振り返る。
そもそもVRに幽霊なんているのでしょうかね? あー、でも敵にはいそうな予感。
ここでそういうシステムなんだろ。とか言わないでください。
言ったらつまらなくなるので。
──ピロン♪
その音と共に俺の視界の端に『新着メッセージが1件あります』と出ている。
俺がメッセージアプリを開くと、シロさんからのメッセージだった。
内容は明日の集合場所と時間。
シロさんも明日は空いているらしいです。
俺は『わかりました』と簡素な文を送る。
たとえネットの親友とリアルで知り合いだったとしても、俺は反応を変えることはないのです。
だってこれが俺の素だから。
変える気がない。というか出来ないんです………悲し。
メッセージがきましたし、鉱石系素材も結構溜まって来たので、丁度良い頃合いですね。
また森の中で『採取』をしながら帰るとしましょうか。
とりあえず、俺は山を降りながら採取場所を探し始めた。




