第十六話 酒場のマスター? は物知り
「お待たせしましたー。ひよこ豆のイタリアンスープです」
俺は現在ゲンテさんの店でバイトをしている。
まあ、クエストとしてですけどね。
クエストにはいくつか種類ありまして。
一つ目が住人も親交を深めてたりして、住人に依頼されて行う『フリークエスト』。
料金も一定ですし誰でも受けられるので、やってる人は多いらしいですけど、やっぱそういうクエストは見つけるのも難しいらしいです。
二つ目が目的地またはある一定の行動を行うと発生する『シークレットクエスト』と呼ばれるもの。
これも見つけづらいですがその分の報酬はとても良いらしいです。
余談ですが俺の受けた鍛冶場のおじちゃんのクエストもシークレットクエストに入るのだとか。
おじちゃんに『その武器の! その武器の製法を教えろー!』と言われて教えたのは良い思い出です。
ちなみにそれをシークレットクエストだって気づいたのはクエストクリアから随分後、ゲンテさんが教えてくれたんですよ。
そして三つ目がプレイヤーがプレイヤーに直接依頼する通称『プレイヤークエスト』。
これは忙しい人、または人員を求めるプレイヤー用のものらしいです。
これらの情報は全てゲンテさんが教えてくれた情報なんですよ。
バイト料金と一緒に。
それ以外の情報もくれたゲンテさんには本当に感謝感謝です。
「お疲れ様。今日はありがとな。お陰で助かった」
「いえ、俺もお店どうなっているか気になっていましたから」
まさか、ここまで盛況とは思いませんでしたし。と、つけ足す。
するとゲンテさんは笑って「いや、やっぱお前は良いやつだ」と言ってくれた。
「なんかお父さんみたいな事言いますね」
まあ、俺は父親の顔を覚えてないけど。
なんでいなのでしょうかね?
ふと湧いた疑問に俺が悩んでいると、ゲンテさんが笑った。
俺がどうしました? と聞くというか、首を傾げるとそれを見たのか、ゲンテさんは喋りだす。
「いや、リアルの方では子供を育てていてな。今日はその子が妻と出掛けていて暇だからこういう事をやっていたんだ」
「そうだったんですか。なんか、ゲンテさんは立派なお父さんになると思います」
いや、もう父親なんだから「になると」じゃなくて「をしている」の方が良いですか。
しかしそれを気にせず、ゲンテさんは話を続ける。
「いや、そうでもねぇよ。我が家は女が働いて男が家事をやるからなぁ」
ゲンテさんは自慢らしい禿頭の後頭部をポリポリとかきながら言う。
へぇ、ゲンテさんは最近流行りの──
「いわゆるイクメンって奴ですか」
「う~ん………とくに面に自身があるわけじゃねぇからわからねぇがな。妻が細かい事とか作業が苦手でなぁ。結婚前から俺がよく家事をやっていたな。結婚して家事が本業になったってだけだ」
ゲンテさんは自慢の禿頭を撫でながら言う。
禿頭触るの好きですね。俺も見ていて楽しいですけど。
特になんか光を反射しているのを見ると手入れ欠かしていないんですね。と、思ってしまいます。
「そうなんですか。まあ、俺も家事をしている人間なんで、細かい作業があるのはわかります」
「へぇ、そんな若そうなのに家事なんてしているのか」
ゲンテさんは驚いた様子だ。
まあわかりますよ。こんな俺が家事をしている姿なんて想像もできないだろうし。
そもそも中学時代はめっちゃゲームしてましたからねぇ…………まあ改心したというか何て言うか。
「はい、母子家庭で親は仕事が忙しいので」
「そうか………若いうちから大変だな」
現実を知った。が、一番しっくり来る表現ですかね。
そう言うと、ゲンテさんに励まされた。
その後、少し雑談をしてから俺達は別れた。
さて『EP』も回復しましたし、一狩りいきますか。
これモン○ンじゃないから(作者から主人公へのツッコミ)
けど楽しいよね。モ○ハン




