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Various World Online  作者: 束白心吏
第二章第一節 ディオニュソスの獣
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第百十三話 女装姿の幽霊には気をつけて

突如始まる現実回

 祭──ええ、俺は好きですよ。見てる分には。

 屋台はお高めですが、それもお祭り感あって好きですし、神輿を見るのもとても好きですよ。

 ですがね………それは見てる“だけ”だからなんです。

 自分もその中に入りたいとは、一切思ったことないんですよ。


「さーて晶さんよぉ………今年も化けたじゃねえか」

「化かされているんですよ………」


 藤原家の女性陣はノリが良いですね。郷に入れば郷に従え──これを体現してると言っても過言ではないでしょう。

 ですけどねぇ………。


「まさか朝から捕獲されてきっちりやられるとは………」

「女って怖いな。あと化粧」


 ねぇ………鏡に写る黒髪ショートの紫目少女を見て染々と思う。

 白装束なのでホント幽霊にみたいな白さが際立ってますね俺。


「さて、晶………ここからは戦場じゃ!」

「これは………巫女装束!?」


 どこから仕入れたんですか!? というかサイズがピッタリ!?

 とりあえずあとで記憶の消しかたを調べましょうか………。


■■■■


「よ、お疲れ『紫目の幽霊巫女』!」

「洋士さん………お仲間になりたいのなら、早く言ってくださいって毎度毎度言ってますよね?」

「おお怖」


 そそくさと逃げていく洋士さん。

 はぁ………ただちょっと舞って踊って、魅せただけでこれですからね………幽霊ってなんですか幽霊って。足だってキチンとあるのに。

 ちなみに『紫目』は『〆』と掛けてるのだとか。嬉しくないです。


「それじゃあ、のんびり徘徊してますね。幽霊らしく」

「おー、誰かを幽霊にするなよー」


 しませんし出来ませんって。

 俺は白装束に下駄という切腹でもするのかという格好で気ままに散策開始。

 だらだらと屋台を見ながら徘徊するのも、楽しいもんですねぇ………さて、今年の花火はどこから見ましょうか。

 色々と検討しながら………していたからこそ、前方不注意で誰かとぶつかってしまった。


「「す、すみません!」」


 声が重なる。

 どうやらぶつかった人も女性だったようで。

 俺は先に起き上がり、彼女に手を差し出す。


「あ、ありがとうございます………」


 明らかに急いでる様子の女性。LI○Eを見ながらでしたか………。

 俺の白装束も、女性の浴衣も無事なようで一先ず安心。


「いえいえ、あんまり急ぎすぎると悪い人にぶつかったら大変ですからね?」

「は、はい! ありがとうございます………あ、すいません。ここに行きたいんですけど」


 そう言って、スマホの画面を差し出す女性。

 あー、ここですか。


「いいですよ。()も行こうかな? って思っていたので」


 女性が見せたのは、俺が花火を見ようと検討していて場所の一つ。

 人が多いから諦めようとしていたのですが………まあ、何とかなりますよね。

 どーせ注目浴びてるんです。どこで見たって同じですよ同じですし。

 腕時計を見て、花火前につく算段を──っと、これ間に合いますかね? ちょっとヤバいかも………。

 仕方なく、俺は女性の手を引く。


「──手、離さないで下さいね?」

「え?」


 謝罪なら、いくらでもします。

 けど、俺とて祭りを楽しみたいですし、観光客の方にも、きちんとした思い出として残して貰いたいんですよ。

 だから俺はあまり知られていない『近道』を使うことにした。

 人並みから外れて、女性を引き連れて暗い林を駆ける。

 異様な程の暗さにどこか不安を抱きそうになりますが………それもほんの僅かの時間。


「──つきましたよ」


 俺が走るのを止めた次の瞬間、ドン! という大きな音がした。


「ありゃりゃ………間に合いませんでしたね」


 息を整えて、そう呟いてしまう。

 うう、汗が気持ち悪いです………ハンカチはっと。


「………そんなこと、ないですよ」

「──」


 不意打ちのような呟きに、思わず呆けてしまう。

 けど、そうですね。これもまた思い出。

 いい思い出になればいいですけど………。


「じゃあ、ここでお別れです」

「はい。ありがとうございました」


 ごゆっくりー。

 手を振って見送り、女性が無事合流したであろう頃。俺はまた一言呟く。


「………洋士さん」

「おうよ」


 ヒュンッと四方向に札が貼られる。


「………全く。祭りだからって騒ぎすぎじゃないですかねぇ」

「なぁ………こいつら知らねぇのかね? 『夜闇に舞う二つの紫光。宴の夜の御子にして──」




「──霊統べる宵の後継』って………よく出来た噂ですよね」


 一部の地元民のみが知る噂ですが………まあ大半の方が信じていませんし。

 まあ婆ちゃんの親戚は信じてるんですよね………ここ、婆ちゃんの出身地なんです。


「まあ嘘とは言い切れないからなぁ」

「嘘ですよ。当人がそう言ってるでしょ? それに──」


 良く言うでしょ? と呟き、笑う。


「──狐は人を化かしますから」


 ミステリックな黒髪紫目の少女として。笑った。

 いつものように。真茅晶(オレ)は笑った。

 宣伝しまーす。

 新作『Various Would Story 日常的非日常』が不定期で更新開始でーす。もうこのチャンス逃したら本当に出す機会無くすので投稿しましたぜ。ぐへへ。

URL↓

https://ncode.syosetu.com/n5969gr/

 もともと構想を練っていた『VWO』の番外編です。今日の話の掘り下げみたいなモノなのでゲーム要素皆無ですし……なお番外編はこれから増えていきます。『日常的非日常』のような番外編から『VWO』を他キャラクター視点から──っていう番外編も考えているのです。まあ作者は思いっきり楽しむ気満々ってことだけ伝われば。

 あ、『日常的非日常』は午前二時に投稿します。読ます気? んー、遊び心優先ですね。

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