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Various World Online  作者: 束白心吏
第二章第一節 ディオニュソスの獣
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第百七話 聖獣か猛獣か

 猪………ギリシャ神話には猪多いですからねぇ『カリュドーンの猪』ですかね? あ、『クロミュオーンの猪』かもしれませんね。まあ三日月の牙を持っていませんし、神話に関連していない可能性もあるわけですが………。


「はーい。引き付けましたよー」

「よーしそれじゃあ行っきまーす!」


 シロさんの姿が消える………ではなく猪の前に。

 もしかしなくても『縮地』スキルですね。はい。

 そのまま、シロさんは得物で猪に一撃。


「《人の願いは星となり流れ・我それを成就させる・祈りの雨よ・ここに顕現せよ》」


 ツキちゃんが魔法で猪に攻撃を。

 ………隕石。

 もしかしてシロさんとツキちゃんは連携上手いのでは?


「《廻る巡る目まぐるしく・巡らす神は志那都比古・巡らす妖は風三郎・荒魂廻らし何れ新魂に・病巡らし何れ薬に・我はそれを受け入れよう》」


 俺は風・陰陽複合魔法『陰陽新荒(しんこう)・風神』を発動させる。

 いやぁこの魔法、使ってみたかったんですよ。まあMP消費が洒落にならない魔法なのですが。

 札に魔力が流れ込み、言霊は魔法陣となり現世に影響を与え始める。まあ現世は現世でも電子空間内、ゲーム内の話ですが。


「………またおかしな魔法を」

「えー、面白いと思いますけどねぇ」


 俺はタルワールを抜刀し、駆ける。

 おお、これは良い。


「いや速っ! ひとっ飛びかよ!」


 ヨウゲツさんの言葉を無視して風になる。


 ──風魔法・陰陽魔法複合『陰陽新荒・風神』。

 それは『神』と『妖』を身に宿す『巫術』………まあ要するに、『陰陽師』関連の魔法という訳です。

 神と妖。古来より信仰されていた二つの概念の新荒(しんこう)──荒魂と新魂を宿す魔法。

 消費MP200と、序盤に優しくない魔法ですが、それでも使ってみたかったんです………悔いはありません。ないですから。

 そして魔法の説明によると──


「『風刃』………なんちゃって」


 ──『風神』の場合は風を武器に纏わせたり飛ばしたり、風魔法を使ったりをMP消費無しで行えます。もちろん制限時間はあって、それは一分。

 使用後は『巫術』系統──つまり『陰陽師』のスキルは一時間ほど使えなくなり、全ステータスが1/3に低下するというデバフ付き。

 ちなみにその間は常にHPMP共に自然回復状態らしいです。

 本当『荒魂』と『新魂』、『病』と『薬』を兼ねた魔法ですねぇ。


「………え゛、私より速くない?」

「そりゃ『神様』降ろしてますからー」


 俺は猪の顔面めがけて『スラッシュ』を一閃。

 この魔法の良いところは、普通の攻撃にもアーツにでも、勝手に属性攻撃を付与してくれることですねぇ。

 意識しながら、()せる為の剣舞を行う………まあ見様見真似ですが。実際に見てもらったことも、練習もしたことないからホント怖いですねこれ。ゲームの中とはいえ回転したりなんて面白すぎる。

 あー、なんか『舞踊』みたいな感じでリズムに合わせて動くと補助効果ー、みたいなのないですかねぇ。


「………回レ回レ回レ回レ回レ回レ回レ回レ回レ」

「華麗に花弁散らすように~………ちょ、シロさん?」

「………吹けよ花の嵐」

「今宵濡れ手で粟の浪漫………ヨウゲツさんまでやりますかね!?」


 というか花合戦は神曲だと思います。


「おーい。ちと俺にヘイト集めるぞー」


 ヨウゲツさんはそう言って、弓を構える。


「『三叉撃』!」


 ほー、ポセイドン。違うとは思いますが、三本に別れた弓矢が猪に直撃しました。猪はヨウゲツさんに向かって突進していきます。


「──『受け流し』ってな」


 追突の直前、ヨウゲツさんが小さく、けれど確かに呟く。それはβで俺も愛用していたアーツのひとつ。被弾の一瞬前に発動させることでダメージを無かったことにする回避アーツ。

 難易度の高いそれをヨウゲツさんは難なく決める。


「流石ですね。それじゃあ──『ソード・アップ』からの『スラッシュ』」


 俺は猪を背後から斬る。このゲームは背後からの攻撃には少しだけダメージ補正が入るんですよねぇ………あ。


「『シャドウソード』『ツインクロー』!」

「シロさんの武器って『獣特攻』みたいなスキルついてますよね!?」

「ついてるともー! 今も発動してるぜ!」


 ほうほうそれはそれは………っと、そろそろ決めましょうか。

 俺は左手に『初心者の木剣』を持ち、構える。


「お、二刀流とは浪漫があるな」

「現実じゃ重たくで出来ませんからねぇ」


 故に浪漫があるのです。戦闘中でなければ握手してました。

 さて、まずは──


「あのだから! その幻は止めて!?」

「まぼろしー」

「おい晶『ちゃん』って呼ぶぞ次からぁ!」


 お好きにー。無視するので。

 さて、では参りましょうか。俺は右手に『初心者の木剣』を持つ俺と共に、走り出す。


「「………は?」」

「………アキ、バフ」

「ありがとうございます」


 俺は攻撃上昇のバフを受け、猪を左右から挟み撃ち。確実に背後をとっていくスタイルです。

 それにしても………んー、この攻撃も敵味方問わず惑わしますか。


「使い勝手の悪いこと………」

『そう言いながら使いまくってるショウさんはおかしいです』


 何を今更。俺の分身は露と消え、残ったのは本体である俺と分身に持たせた『初心者と木剣』。まあ『妖術』はMP消費が少ないので、今の状態でも使えるわけですが。


「『魔法創作』みたいな機能があれば………」

『あー、チートじみた魔法を作る輩が約一名いるので無理ですね』


 へー、そんな危険人物が………え? 何故皆さん俺を見るので?


「ショウにそんなモノ使わせたら………」

「ん。ソロ特化しすぎてパーティー組まなくなる」

「ま、無理ってことだ。ドンマイ」


 解せぬ。何故に俺がチーター呼ばわりされるんですか! まあよく『リアルチート』とは言われますが! 特に同類であるヨウゲツさんから。

 話は戻しますが、猪のHPは残すところあと数割。会話中ひ猪は雄叫びをあげ、赤黒いオーラを身に纏ってました。

 あー、そういえば『鑑定』に失敗した項目がありましたねぇ。 


「『狂化』ですかね」


 まあ予測でしかありませんが。

 俺は『タルワール』を構える。攻撃上昇? そんなの関係ないですよ。要は当たらなければいいんです。今の俺にそれは簡単なこと。


「さあ。ラストと行きましょうか」


 俺は意図的に風を刀身に集める。

 別に立ち止まる必要はなく、俺は常に背後を取るように動く。

 そして──


「『スラッシュ』」


 ──アシストを使わず、俺は一閃する。

 それで終。

 俺の『陰陽新荒・風神』は解け、ふとステータスを見ると、確かに下がっています。

 お、レベルも上がりましたね。後で確認にして。


《お知らせします。シロ、ショウ、ツキ、トア、パラス、ヨウゲツの六人がエリア・ガーディアン『ビアー・アグリオグルノ』を討伐しました》

《初討伐報酬:猪毛のポンチョ》

《貢献度特別報酬が受け取れます》

《緊急クエスト:『襲われている商人を救え!』clear!》


 ………いつの間にかクエストもクリアしていた件。

 いや、これホントに………なんでしょうね?

ヤンデレ→極度の心配症/心配性。

メンヘラ→極度なネガティブ思考。

サイコパス→倫理観の破綻。


 ググりながら思ったのですがサイコパス以外なら割と使えそうですね。サイコパスもギャグに走れば微レ存。(本編とは全く関係ありません)

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