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Various World Online  作者: 束白心吏
第二章第一節 ディオニュソスの獣
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第百三話 本当の戦場へ

 アテネから歩くこと早三時間。

 現実時間も、もう朝三時を指しています………ところでこっちの世界って体感速度が倍になってるんですよね? じゃあここで寝れば………いえ、この考えは止めましょう。ブラックな企業とか変態とかの思考です………あ、俺もしかして変態? 少しショックです。


「おー、見事に平たい」

「山越えでもよかったですねー」

『後で行きましょうよ。面白そうなクエストもあるでしょうし』


 ですねぇ………あ。


「SQありますから、帰る時は山越えしません?」

『あ、いいですねそれ!』

「ん? 何か私、聞き捨てならない単語を聞いたような………」

「私も」


 ふえぇ~シロさんツキちゃんの視線がこわいよぉ~………キャラ的にキツいですね。

 それはさておき、言っても大丈夫ですよねー。


「なーんか『陰陽師』か『妖狐』に関連するSQに引っ掛かりまして………」

『先ほど使っていたお札もそのSQの最初に渡されたものですからね』


 まあヨウゲツさんは………どうでしょう? まあ有名な『狐』なんで、すぐ気付くと思いますが。

 そうこう会話をしながら、俺達は街に入っていく。

 んー………あ、採取忘れてた。さて、スキル習得してと。


「………お前、余らせていたのか」

「決まらなかったので」


 欲しいスキルは多いですからねぇ………必要なスキルだけは習得しましたが。あとネタスキル。

 まあそのネタスキルも、いつかは役に立つはず………というか職業が『陰陽師』の人しか習得できないスキルもあったので、そちらには期待してます。『祝詞』です。


「まあレベルも上がってきたし、今日はこの街で解散だな」

「ですねー………はぁ」


 嫌ですねー………起きたくないです。

 そんな心情を察してか、約4名の方々から慰めの言葉が。


「大丈夫。アキの女装は日本一………世界一」


 一人はサムズアップしながら。


「ん、期待してる」


 もうひとりもサムズアップしながら。


「が、頑張ってね………」


 もう一人は苦笑しながら………同情はいりません。交代してください。


「ははっ、今年も撮らねばなぁ!」


 ………もぎますよ?

 笑っているヨウゲツさんに軽く殺意を抱きながら、俺達は同じ宿でログアウトした。

 まあ俺は、ログアウトせずに寝ましたが………他の人は知らないです。


■■■■


 夏とはいえ、朝は冷えます。

 ………というか夏って昼間との気温差結構ありません? あれが余計に寒さや暑さを敏感に感じる要因だと思ってるんですが。

 今いるのは藤原家にある茶室。

 一人で茶道というのは実は珍しいことでなく、自服と呼ばれるのですが………まあ名前はどうであれ、これぼっちがやることですよね。

 まあ事実、ちょっとぼっちの気がありますけれども。

 俺は一通りの所作を終え、お茶入(ちゃいれ)から抹茶の粉を茶杓(ちゃしゃく)でひとすくいと半分、茶碗に入れる。

 少し広げて、茶杓を茶碗の端でコツンと。

 お茶入の蓋を閉め、水差しの斜め左前に。その上に茶杓を置く。


 そのタイミングを見計らったかのように、閉めておいた障子が開かれる。


「よ、晶」

「おはようございます………お正客さん。やりますか?」

「おう」


 えー………少しは遠慮しましょうよ。洋士さん。

 まあこれから一時間車を走らせる人への感謝と恨みをこめて練りましょう。

 柄杓(ひしゃく)で熱々のお湯を茶釜(ちゃがま)からすくう。

 それを少しずつ茶碗に溢す。

 ………これくらいですかね。

 柄杓に残った湯を茶釜に戻し、柄杓は茶釜の蓋を被せる部分に置く。水指の右前にある茶筅(ちゃせん)を手に取る。

 左手でしっかりと茶碗を持ち、抹茶を練る。

 このカシャカシャ………という音、嫌いじゃないです。

 練り終え、まずは茶筅を元の位置に。

 そして茶碗を自分の右手前に置いて両手をグーにして、足の斜め前の畳につける。

 そして、お正客のほうを向く。

 そして右手で茶碗の柄をお正客さんの方に向くようにして、お正客の前に。

 俺は再びグーの手を畳につけ、茶釜のほうを向く。


「お手前ちょうだいいたします」


 少し深く会釈してから、洋士さんは茶碗を取る。

 俺は軽くどうぞの意味の軽い会釈を。

 ………俺、飲む時に自分の喉から漏れる音、苦手だったんですよね。

 なお今回はお菓子はありません。

 茶筅通しをやる前なら、でてきた可能性はあり………ませんね。朝ですし。

 袱紗さばきをして袱紗を腰につけて………さて、もう一度点てますか。

 茶筅通しをして、お茶入から抹茶を先ほどと同じくらい茶碗に。

 そしてお湯を適量入れて………練る。

 十分に練り、茶筅を定位置に戻す。そして茶碗を右手で持ち上げ、左手に乗せる。そこから時計回りに二回ほど回し、右手を茶碗にそえて飲む。


「………」

「………」


 飲みきり、俺は洋士さんの茶碗を回収する。

 茶筅通しをして………と。

 その他作法も行い、俺は片付けを始める。


「相変わらず、お前の点てた茶は美味いなぁ」

「おー、ありがとうございます」


 茶碗や水指、建水を洗いながら答える。

 まあ、ウチは使ってる茶葉も良いものですしねぇ。


「その上美女で料理もできるなんて………なんて優良物件なの!」

「洋士さん。そのオネエ口調やめません?」

「だな」


 俺は片付けをし終え、茶室を出る。

 さて、戦場へと赴きますか!

 茶道の作法はうろ覚えなので間違ってたら教えてください。韻踏んだかも?

 あ、確か裏千家だったと思います。これもまたうろ覚え。

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