空っぽな言葉
足元を見ず、空ばかり見上げていた。
前を見ていると思っていたら、虚空を見つめていた。
空を自由に飛びまわる鳥に憧れていたが、何処まで行っても私は人間だった。
空にばかり願いをいい、見上げていた私はいつの間にか空っぽな人間になっていた。
空っぽな人間が書く文章はおもしろくなく。
正しく、空を見上げているような、空虚で静かな文章だ。
フワフラと落ち着きがない粗い書き方、それなのに波立たない水面のように変化しない場面や展開。
読み進めるうちに眠くなる。
終盤を思い描き、形にしたくても道中が思うように書けない。
それはそうだ、私は私自身が道を見ていないからだ。
人を見ていない。
道を見ていない。
前を見ていない。
私は、手の届かない場所しか見ていない。
蒼すぎる空は、陰鬱な心を晴らしてくれず。
雲一つない空は私を写しだしてくれているようだった。
空っぽな私。
今日も虚空を掴もうと手を伸ばす。